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看病

次の日ナホの寝室に入ると嬉しそうな顔をしてお願いされた。ケンは考える。いつからだろう、自分じゃなくナホの方がお願いしてくるようになったのは。


ナホの願いは簡単な物だった。ただ一週間自分から離れないで。それだけだ。それはケン自身望んでいたので了承した。


数日間ケンは一睡もしなかった。ナホと話したり、ただ手を繋いだりと少しでもナホと一緒の時間を大切にしていた。

腕枕してほしい。そんなナホの言うとおりにして寝顔を見ていたらケンもいつしか寝ていた。



白い空間だ。他に何もない。いや、手紙がある。


ケンへ。手紙の表にそう書かれているので読んでみることに。


ケンがこの手紙を見てるってことは、私は悪魔として失格の烙印を押され、消えてると思うわ。

ケンの願いを使い切らないやり方に私が賛同したせいでペナルティが発生したの。

そのせいで、もうすぐケンは私に魂を取られるか、悪魔として生まれ変わることの2択に迫られるはずだった。

貴方のやり口は上位悪魔すら驚いてたわ。

だから私は願いを叶えるつもりのない、契約不履行の悪魔として地獄に堕ちることを選んだわ。私が悪かったんだし当然ね。

ケンの居場所はもう既に出来てるの。ケン自身が作った場所よ。

願いなんて必要ないし私もいらない。

だけど、いなくなるって決めたから言うけど、私にはケンが必要だったわ。最後の時間まで私といてくれてありがとう。私のこと忘れてもいいけど覚えてくれてたら嬉しいわ。

さようなら。


「ばかやろう。俺の居場所はお前だし、俺にだってお前が必要だよ。何勝手に決めてんだ」


「あれ?ケン。どうしたのこの何もない空間は何?アンタの仕業?ってなんでその手紙持ってるの!読まないでよ」


消えたと思ってたナホが出てきてびっくりするも、喜びが勝り抱きつこうとしたら、

もう1人声が聞こえて来る。どこかで聞いたことあるような……


「ケン君の彼女さんひどーい。私だったらそんなこと書かないし、ケン君にそんな気持ちさせないよ?」


20歳には見えない低身長で童顔だけど、出るところは出てるメリハリした身体の天使が現れた。なんか見たことある顔だし、手に持ってる趣味の悪いハートでデコりまくったアーチェリーにも見覚えが。


「恋と愛の恋愛体質天使!ラブエンジェルことアンジェリカ登場!」


一昔前のキラッ♪みたいなポーズするアンジェリカ。


「その肉食系ヤリ○ンビッ○天使がなんのようだ!悪魔のナホをどうにかしようって話なら俺が相手になるぞ!神でも戦うつもりだ!」


「ちょ!何も合ってないじゃない。そんなこと言っていいの?悪魔とラブラブ恋愛してる人にいい情報持ってきたのに」


「誰がバカップルよ!別に普通よ普通。身体でしか繋げない頭も尻も軽い女が変なこと言わないでよ!」


自分達の肉体関係を棚に上げ罵倒しまくるケンとナホ。


「そうですかー。私はいらない子扱いなんですね。折角2人であの世界に生き残れる方法持ってきてあげたのに」


「本当か?本当なら悪魔にでも魂を売るぞ!」


そもそも悪魔と契約してる人が言う台詞ではない。


「私は天使ですよ!ラブエンジェル!簡単なことですよ。1つを残して、願いをナホさんを人間にするのに使って、最後の願いで今まで願ったのを破棄するんです。

そうしたら願いを叶え切りつつ契約不履行になって、その隙間に私が2人の魂を掻っ攫って人間の身体になったナホさんの魂を元に戻してあげます。理解出来ましたか?」


この頭の悪い説明で理解出来るやつがいるのか?いるなら連れてこい。願いでステータスエラーした力でぶん殴ってやる。


「つまり、得体の知れない男好きのアンタを信用しなきゃいけないのね」


「失敗したらどの道ナホと会えなくなるなら俺は賭けてもいいぞ」


「本当にその覚悟出来てます?ナホさんはただの人間になるし貴方は願いで手に入れた物全部失うんです。強さもスキルもゼロになる。

貴方の勇者特典は残るかもしれないですから、年の差は広がる一方で、強さもスキルもないから生活は大変。あなたのスキル無しでは奴隷達の仕事だって上手くいかないかもしれない。本当に大丈夫ですか?」


「当たり前だ!ナホが婆さんになっても面倒見るし、死んだら俺もその時死んでやるよ!」


「死ななくてもいいわよ。でも、お婆さんになっても捨てないでね?少しでもケンと一緒になれるなら私も賭けていいわ!」


得体の知れないアンジェリカを名乗る天使の言葉に乗り願いを叶えるケン。しかし残りの願いは多く、種類で言わなきゃいけないので時間がかかった。


そしてその大半の願いは……


「じゃあ最初は俺を抱きしめながら好きって言って」

「はい。大好きよケン」

「俺もだよ。口に出すのは初めてだったな」

「私にはわかってたわよ」


アンジェリカが鼻くそをほじり始め、それを飛ばす距離を1人で競って時間つぶしをしている。

そして最後から2つ目の願いまでやっと来た。


「そういえば願いを破棄したら好きって言った気持ちどうなるのかしら?」


「あくまで行為を破棄したんだから気持ちは変わんない。それに戻ったら同じことすればいいだろ?」


「もうそろそろいいですかー?アンジェリカちゃん糖尿病になるかと思っちゃったー。もしなってたら治すのに願いを使ってくださいねー?」


「それじゃ最後の願いだ。これは種類じゃないから2つ分纏めるか。いままでのお願いを破棄してくれ!」


「はいはーい。この瞬間待ってしたぁ!ギルドでお漏らししてから長かったぁ♪」


ケンは目を覚ます。なんて都合の良い夢を見たんだろ。中学生の時に書いた黒歴史ノート以上の何かがあそこにはあった。


腕の中にナホがいる。消えてないし寝る前のままだ。やっぱり夢か。アリサとフラセとシアン、『3人』の奴隷の誰かにシャワー浴びる間ナホのこと見てもらおう。

ベットから出ようとしたその時。


「ケン♪だぁーい好き♪」


その言葉と共に後ろから抱きつかれた。その声には疲れや辛さが微塵も無い。もしかして、


「ほら、ケンは何かないの?」

「俺もだよナホ。あれは夢じゃなかったんだな」

「嫌いなタイプの女に助けられちゃった。でも本当に私でいいの?後悔してない?」



真っ白な空間


「ほぉら!ラブエンジェルのアンジェリカの見立て通りになりました!これで悪に染められそうな勇者の魂を救って、

強大な才能を持つ悪魔見習いを更生させ、しかも賭けに勝ったから、ナホをスカウトした上位悪魔の魂も天界に持ち帰れる♪

この成果ならあのイケメン先輩天使に褒めて貰える。先輩にはあのクソ女じゃなく私が相応しいです!」


ふと、アンジェリカが後ろをみると


「それじゃあ、契約通りお願い♪」


「このぉ!悪魔ぁ!」


「悪魔はそっちですよぉ。私は可愛らしいラブエンジェルです!もし貴方と同等のランクをもつ悪魔の魂を2個賭けれるなら、これからのケンとナホで賭けの続きをしましょ?」

実はこの拙い文で2作品目です。

話が気になった方はブックマークやレビュー、感想等を貰えると励みになります。

誤字脱字多いので指摘して貰えると助かります。

処女作、常識チートは非常識も良ければ閲覧お願いします。

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