〜いざ異世界へ〜
「これは間違いなく魔法か魔術の類だな…」
そう妖精は言うと神妙な顔付きで椅子から立ちこちらに歩み寄る
やっぱり妖精というよりかは少し背が低い女性くらいにしか見えない
そして俺の肩に手を当てて
「あの…申し訳ないのですが…もしかしたら身内の犯行かもしれない」
「身内?というと妖精なんですか?」
「私達妖精は微力なんだけど自分以外の願い事などを叶えられる能力がありますですが自分自身には欠けることはできない」
「えぇ つまりその妖精が談合であったりとかをやらないしっかりとした意志を持っていれば大丈夫という事も認識しています」
「そうなのだけど稀に自らの念じた願い事を叶えてしまう者が生まれてしまって…今までに3人いる…」
「厄介な事にどんな願い事でも叶えてしまうと言う事
つまり世界を跨いでの干渉ということも理論的には可能で…その3人が善意の心を忘れなければそのすべての世界は平和にやっていけるでしょう」
「つまり悪意を持ってしまったら世界も異世界も天界もすべてを滅ぼすこともできると?」
「そして更に天界からだとありとあらゆる世界が見渡せるから
様々な現象を世界にさらに大きな効力が起きてしまうのです」
「この強力な力を恐れた閻魔大王 天使族 神族は合同の管轄下で新たな世界を作って
その3人が万が一悪意に目覚めたときに備えつつ目覚めないように また寂しくならないように人間やその他の生物を住まわせたの」
「その3人のために作られた世界…という事ですか?」
「まぁそうですね…」
「っという事でもしかしたら何か犯人に近ずくことができるかもしれませんよ?」
足早に説明を終わらせて何やら肩に当てた手とは反対側の手で何やら作業を行っている
「うーん…ところでさっきから気になっていたのですが肩に当っているその手は何ですか?」
「え?…まぁその…行ってくれるのという事でまとまりそうなのでそろそろ転送させようかなと思いましてその準備を…」
すごくはじけそうな笑顔でそんなことを言っている…
犯人は他に本当にその妖精で間違いないのか? 俺は果たして異世界に行ってやっていけるのだろうか?
てかこの流れだと何も付与されないで行くことになってしまうではないか?
そんな様々なことを考えてふと足元を見ると…下から何やら煙がもこもこと上の方に舞い出てきている
なんというかこの煙は水蒸気?というかミスト?みたいな感じで冷たい…まさかこれって…
「あぁもうこんなまどろっこしい事をしないで最初からこうすればよかったわ~」
何故か問題がすべて解決したような顔をしてそんなことを言う妖精に恐る恐る聞いた
「…あの…妖精さん?…これもしかして足下の煙って…まさかとは思うのですが…雲ですか?」
「そうそうこの真下に実はつながっているんですよね~」
そういうと足元の雲は晴れて眼下には鳥が足の下を通り過ぎ森林多い山に挟まれ川沿いにいくつか街らしき物が見える
「えっと…ちょっと雑すぎはしないですか?」
「それでは異世界に行ってらっしゃ~い」
そういうと足元を浮かせていた何かがなくなりそのまま自由落下してい行った
「まだ行くなんて一言も言ってないぞぉぉ―!!!」
お読みいただきありがとうございました
少し文章が長くなってしまいました
次回から本格的に異世界を冒険していきたいともいます
今後もお読みいただけたら幸いです