〜死後の世界Ⅳ〜
行かないと明確な意思表示をしてどのくらいだっただろうか…
「谷川忠様〜お願いしますよ…行ってはいただけませんか?」
「だからなんの対価も無いのに行くっていう人の方がおかしくないか?」
あれこれと妖精から説得を受けているがやっぱりどうしても行く気になれない…だってそうい憂ことが出来ないなら…ねぇ?
しばらく自分の保身のために討論していると等々妖精が折れてこんなことを言い出した
「…わかりましたではこうしましょう
特別に、本当に今回だけ一つだけ願いを叶えましょう…私のできる範囲でね」
「チート能力を下さい」
「ど直球で来たね〜自慢じゃないけどね
この死後の世界では妖精はあまり対した力と権限を持ってないんだよね…
いわゆるお役所仕事的な?」
「…ではせめて前世の悔い
俺が死んだ原因…俺を殺した奴を調べてはもらえないですか?」
別に恨んでいないと言うと嘘になるが死んでしまってはどうする事も出来ないのでせめてそれくらいは知っておきたい
「そんなの造作もないこと!すぐに調べますよ!調べことは得意なんで!」
するといきなり目の前に大きな画面が出てきて妖精の座る椅子の横に机が現れその上にはキーパットとマウスがのっている
てか、死後の世界にもキーパットとマウスってあるんだな…
そんなことを思いつつ画面を見るとみるみると俺の個人情報が映し出される
両親 生年月日 好きな食べ物 嫌いな食べ物 親に隠した事 好きだった人 嫌いだった人 俺を好いていた人 嫌っていた人 すべて見境なく映し出される
やっぱりお役所仕事というだけあるのか仕事が早い
というか嫌っていた人とか出てくるのかよ…
しかも一人だけ…山本美月
「あいつ…やっぱり俺のこと嫌ってたのか…」
あまりにも衝撃的すぎて自然と言葉が漏れてしまった
まさか生前自分と付き合ってた彼女に嫌われていたとは…
「あぁ山本さんね…え〜っとなになに〈理由 誰にでも見境なく優しくて最近私に冷たいこと〉」
「俺 これは嫌われてるのか…?」
「え〜っとこう場で惚気るのとか困るのでやめてください」
「いや、真顔で言われても…なんかすみません…」
「いい彼女さんだったのね…」
そういう言われると一瞬嬉しかったがすぐに死んでしまったことを思い出してもう二度と会えないことを改めて実感した…
「…それでその俺を殺した奴は誰なんですか?」
「…この殺され方から見てまず君の世界ではあり得ない…落下死に見せようとしているが」
そういうとモニターに自分の死体が改めて映される
そしてモニター内で上半身を裸にされて体の内部が透けて見えていき心臓を見ると少しだが所々で焼き目が付いている
俺は心臓が特に悪いわけでもないしましてや手術なんかも行ったことはないそれなのに心臓が焼けるということは…明らかにおかしい
お読み頂きありがとうございます
今回は少しだけ量が増えてしまいました
次回はようやく旅立てそうです
引き続きお読み頂けたら幸いです