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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
グレート・ゲーム
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対本校大同盟

「学園横浜と学園東京第2校は、どちらか1校が何らかの組織によって攻撃を受けた場合、それを止めるために介入する義務がある。情報交換に対する義務をおわせる。学園横浜は東京第2校の東京における指導的優位性を認める。東京第2校は学園横浜の横浜における指導的優位性を認める。…ま、要するに本校に対する攻撃のための同盟だ。同盟期間は本校が屈服するまで。対等同盟だな。」

「学園兵庫との相互援助は、どちらかの学園が2つ以上の組織と対立した場合に参戦義務を付けている。メインは兵庫の獰猛な生徒を雇えることだ。関西の超能力者は世界一だぜ!こちらも本校が片付くまでは継続される。」

「学園埼玉は厄介だったな。こちらのプロスペクト(中等部の有望株)を10人ほど譲渡で好意的中立に応じた。プロテクトリストを用意しなくてはな。」

全ては外務委員長である三嶋の手によって操られていた。本校との争いになれば、当然ながら東京に対して浮沈空母がいる。伝統的に反本校である第2校との同盟は大前提。強力な生徒を数多く持つ本校最大の同盟相手である学園埼玉の中立。さらに関西で覇道を往く学園兵庫の協力。他の強力な学園は全て中立を宣言している。東京一極集中に胃を唱えた形となる。

「外交では横浜は完全に勝利した。東京の帝国主義者どもがあぐらかいて舐め切っていた他校の協力によってな。会長、東京第2校にこちらの生徒を派遣する。開戦する準備を整えてくれ。」

「分かったわ。全く、あのアーサーの呆然とした顔を見せてやりたいわ。懲罰大隊でもあんな馬鹿面してるんでしょうね。本校に対して反感を持つ生徒は多いから、一斉に志願させましょう。」

美咲を含む生徒会上位は笑いが絶えない。元々横浜には本校に対する感情があまり宜しくない生徒が多い。それが地元愛であろうと、首都に対する劣等感であろうと、強制的に徴兵する必要がないぐらいには、多い。

勝ち確定ムードに水を差す形で大智が切り出した。

「…外交的にこちらが勝ったんなら、東京と争う必要も無いのでは?あいつらだって馬鹿じゃあないだから、必死になって抵抗するぞ。それに、確実に死人が出るぞ。ヤンキー同士の競り合いじゃないんだからよ。」

それを聞いた美咲は呆れた様子で返答する。

「馬鹿みたいなこと言わないで。粉かけてきたのはあっちよ。中央集権に対して自由を勝ち取るという名目で闘うんだから、正義は我らの元にある。とにかく!戦闘開始は12月8日よ。太平洋戦争に合わせて開始する。横浜にいる不穏分子を粛清するチャンスでもあるわ、リーコン、()()()()()。」

「会長が俺の重要性に気がついたようで何よりだ。大丈夫、あのライミーみたいに拷問尋問で証拠を自白させるような真似はしないからよ!」

生徒会本部に笑いが巻き起こる。やがて、誰かが持ってきた大量の酒と共に宴会が始まった。

「狂ってやがる…。俺は帰るぞ。」

大智は吐き捨てる。それを全く構うことなく、酒池肉林が始まったのだった。

「皆人が変わったみたいに強気だ。高橋だって、リーコンだって、ほかのヤツらだって、あんなに狂ってはいなかった…。少なくとも超能力者同士の終わりのない戦争に平気な顔で生徒を振り込むような鬼畜ではなかった…。っくそ!」

無情な現実の前に大智は目の前の壁を殴るしかない。与えた衝撃と共に壁にヒビが入った。それを見て泣くかのように溜息を出す。

「…ん。何してんだ大智。」

異質な雰囲気を放つ大智に、たまたま居合わせた翔が話しかける。恐らくは美咲に逢いに来たのだろうか。

「…お前か。今どうしようもねぇ現実に潰されているところだ。」

「お前らしくねぇこと言うなよ。野球部のエースで4番らしくねぇ。煙草やっから落ち着け。」

翔は何も知らなかった。美咲が戦争の柱になるであろう彼に何も告げないのは、少々おかしな気もするが、それは彼の性格を吟味してのことだろう。

「薄々気がついてはいたが、本校とトラブってんだろ?美咲もリーコンも何も言わねぇが、俺の事を御しやすい馬鹿だと思っていやがるからな。ま、そうだけどな!」

翔の冗談とも取れない冗談に大智も少し落ち着いたようだ。PKDI:RANK4第1位、正真の化け物も、学園という壁の前ではただの()()()()()に過ぎない。

「学園は狂ってやがる。話し合いで解決出来ないから、茶番外交で仲間作って闘うだって?死人が出るのを上等で?中学生の不良(ヤンキー)だってもう少し賢しいぞ。くそが…。」

「やりきれねぇことなんざ腐るほどある…なんて大人らしい()()はまだ聞きたくねぇしな。歯切れのいい言葉で思考停止するようなつまらねぇ大人()()()ばっかだ。」

大智と翔は愚痴を言い合うしかなかった。やり切れない気持ちは、いつまでも続いていく。

諸君、私は野球が好きだ

諸君、私は野球が好きだ

諸君、私は野球が大好きだ。


広島東洋カープが好きだ

東京ヤクルトスワローズが好きだ

読売ジャイアンツが好きだ

横浜DeNAベイスターズが好きだ

中日ドラゴンズが好きだ

阪神タイガースが好きだ

埼玉西武ライオンズが好きだ

福岡ソフトバンクホークスが好きだ

北海道日本ハムファイターズが好きだ

オリックス・バファローズが好きだ

千葉ロッテマリーンズが好きだ

東北楽天ゴールデンイーグルスが好きだ


MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島で

神宮球場で

東京ドームで

横浜スタジアムで

ナゴヤドームで

阪神甲子園球場で

メットライフドームで

福岡ヤフオク!ドームで

札幌ドームで

京セラドーム大阪で

ZOZOマリンスタジアムで

楽天生命パーク宮城で


この日本で行われるありとあらゆるプロ野球が大好きだ。



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