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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
異常者たちの哀歌。
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Man always lemember love because of romance only

海への日帰り旅行はみんなが疲れたところでお開きになった。

帰りの車では、大智はもう1つの車に乗っていた女の子を口説くために1人離脱。4人になった。

「伊藤くん。あとどれぐらいで学園に着く?」

「1時間ぐらいだな。」

「分かった。仮眠とるわ。」

伊藤くんは中々運転が上手だ。取り立てとは思えない。快眠出来そうだ。

後ろの2人はどうもそういうムードに入っている。まぁ、あまり関係の無いことだ。

気がついたら着いているものだ。確かに1時間ぐらいだった。運転手として雇いたい位には良い奴だ。

「ありがとう、伊藤くん。これ今日のガス代ね。」

「1万円もいらねぇよ。」

「いいから。後でちょっと聞きたいこともあるし。」

そのまま伊藤くんの部屋まで着いていった。部屋はよく片付いていて大智の部屋とはえらい違いだ。

「で、聞きたいことって何よ?」

「あの子…えっと、桑、桑…?」

「人の名前ぐらい覚えとけよ。桑原未来。未来ちゃんだろ?」

「そうそれ。」

なんとなく聞きたいことが分かったのか伊藤くんは言葉を探している。

「あの子、俺の予測だと、メンヘラだろ?」

ずばりと言い当てる。シックス・センスをこんな使い方をするとはなんとも言えない気分になる。

「あぁ、そうだな。メンヘラだ。見かける度に男が変わっていることに定評がある。」

「だよね。なんとなく分かる。」

「まぁでも男が取っかえ取っかえなのは、顔がいいってのもあるしな。本当に聞きたいことはそれだけじゃないだろ?」

そう。彼女の本質に迫ることを聞きに来たのだ。

「いつからか…あの子と付き合っていた彼氏は皆、重体で病院に運ばれる。更に他の彼氏たちは何人か失踪している。」

「殺ってんな。」

「あくまで噂だがな。」

そこまではシックス・センスで予期出来ていた。学園全体を包み込むように張ってあるシックス・センスの膜は、それらを決して見逃さない。

「でも…」

違和感がひとつだけあった。

「リーコンだってそれぐらいは知っている筈だ。魔性の女は本当に魔の道にいるって。その割にはかなり入れ込んでいる様子だ。」

伊藤くんは少々ニヤけていた。

「恋は盲目ってな。」

こちらもニヤケながら

「確かにね。」


「人は本当の愛を見つけるために恋をする…。本当の愛になればいいがな。」

桑原未来。学年順位第2位。1位の高橋美咲とはほんの少しの差。

「リーコンだって気がついているとおもうけどな。」

去年 学年順位1位。学園全体でも最も高い市場価値を叩き出す。

「手遅れになる前に手を打っとかないとな…」

彼女の彼氏だった者の9割が、重症の上で救急搬送。全員が彼女の関与を()()()()()()

「あいつには恩もあるしな。」

昨年行方不明になった生徒7人。その生徒全てが彼女と肉体関係を持っていたという。

「情報を制すものが全てを征すか…。果たしてそれは自分にも当てはまるのか?」

情状不安定。急にスイッチが入って、入院させた数は100人越え。

「恋は盲目。あいつは論理的に愛を作れるのか。」

総論。超能力者(人間兵器)としては非常に有望であり、横浜校始まって以来の英雄となれる可能性を秘めてはいるが、感情のコントロールを出来すに居る。現状では核兵器。敵味方関係なく、圧倒的な破壊力を持つ。

内務委員会補佐官 ブライアン・アーサー


「核兵器か。こちらに向かなければいいものなのだがな。」

夏だと言うのに憂鬱な感覚に襲われる。その憂鬱が杞憂で終わることを願い、冷房の効いた部屋で睡眠をとるのであった。



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