万物創造 VS 武器物制御+空間制御
「……。」
心臓の音が鳴り止まない。スケートボードをコインに戻すと、萌依は確実に追ってくるであろう慶太への対策を創る。
「ルールが読めない以上、なんでもやってみることしかない…。」
多重超能力者というもの自体が今まで見たことの無い存在だ。打ち倒すことは容易ではない。それでも準備を終えると、萌依は一息着きながら、廃墟街の一角で立つ。
「みっけ。今度こそトドメ刺してやんよ!」
知りたいルールはまず1つ。慶太が認識したものが武器物となるのかだ。
「……あぶねェなァ!」
自分を除く全てのものに反応する透明の地雷原をひいたことを勘づかれ、咄嗟の空間移動で慶太は避けた。
「ルールその1。自分の意識なしでも明白な武器には反応する。次は…。」
武器とは取れないが、殺傷性はあるもの。それは包丁だった。慶太に向かって必中する包丁を投げる。それを破壊する訳もなく、空間移動で慶太は交わした。
「ルールその2。武器物かどうかは分からないものは、超能力のセンサーに触れない。じゃあ…。」
右手と左手をポケットに入れる。そこから取り出すものは、合わせることで武器に成りうるものだ。
「ちまちまちまちまとうぜェなァ!」
空間移動により、また至近距離に詰め寄られた萌依は、男性による蹴りをまたもや喰らう。
「女相手なんだから容赦して欲しいけどね…!」
時間は一瞬。慶太が武器物だと察知する前に、武器となったものをぶつけなくてはならない。
「あたしはこの世のもの、そうじゃないもの問わずに思いついたものは全部創造できる。それは決して過大な評価じゃない。」
別の空間に入り込んた慶太の位置情報を割り出すセンサーを地面へ投げる。位置は分かった。後は、反射神経が決める。
「…そこね!」
丁度後ろに湧いて出た慶太の拳を決死の思いで避けた。片腕でマッチを着火すると、右手にもったガソリン入りの小瓶を慶太へ必中するように設定する。
「じゃあね!」
「アァ!?」
導火線に火をつけると、慶太に小瓶が命中した。火炎放射器で放射したように慶太が燃え盛ると、萌依の勝ちは確定となった。
「もう1回言うけど、ここで立ち止まっている暇はないのよ。理解して?」
体力を大幅に消費した萌依は、なんとか立ち上がると、また体力を大量に減らす自動運転付きのスケートボードへ乗り、学園横浜へ向かう。




