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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
BATTLE OF 学園横浜
241/289

"で?"

「あー。もしもし、こちら側、第4校舎はヤバいことになってる。増援が欲しい。え?そんなものはないって?第4はそこまでだって?こっちは幼なじみが人質に取られてんだよ。ちょっとは配慮してくれてもいいじゃないか。全く…。」

生徒会からの救援は望めない。ならば、裏の裏をかくしかない。足にかかる速度(ベクトル)を上げるために、地面を3回蹴り、第4校舎へ彼は突撃する。

「いい女だなァ…。本当なら触れることもままならないだろうが…。そうだな。科学班に感謝だ。」

多量の犠牲を払いながらも、第4校舎の防衛担当の最高格である冷気量自在超能力者、山下優希を昏睡に陥らせることに成功した彼らは、おもむろにスラックスを脱ぎ始める。

「ヤって、殺して、も1回ヤる。暖かい感触と硬い感触を味わえるなんて…。やられたバカどもに感謝しねェとな?」

まさにその時だった。4階、化学室に彼が乗り込んできたのは。

「ビンゴ。」

扉を吹き飛ばすと、彼が怒りを見せるには十二分な状態が、そこに転がっていた。

「……やってくれたな。」

「何がやってくれたんだ?このチビがァ!」

詰め寄る巨体の男を、速度(ベクトル)を込めた拳で天井へ投げ捨てる。その時、彼らは思い出す。1学年の時に、学園横浜に伝説を作った男のことを。

「高木スバルだ!テメェら!用心しろ!ソイツが触れた瞬間に…!」

時すでに遅し。速度(ベクトル)が全身にかかったスバルは、身体中に蒼い放射線が纏われる。

「くたばりやがれ、半端者どもが。」

静かな語り口で、スバルは淡々と距離を詰めては、即死級の速度(ベクトル)が掛かった拳や蹴りを加えていく。

「ッ!…だがよ、俺とてお前と同じRANK3だ。まだケリは付いてねェ!」

最後に残った、優希に乗っかろうとしていた男は威嚇する。

その威嚇も、めり込む勢いで急所を蹴られてしまえば終わりだった。

「で?」

「ッッッァア!」

たった1人の男により、第4校舎の抵抗は壊滅したのだった。

蠢く声が鳴り止み、そうするとスバルは優希を起こそうとする。

「ゆうちゃん、起きろ。なんで幸せそうな寝顔なんだよ。」

「んー。あと5分。」

「今日だけでそれ10回目。起きなさい。」

半ば無理矢理起こすと、肩を担ぎながら、第4校舎の保健室へ優希を連れていく。

「気持ち悪い…。」

「そう言うと思ったから保健室に来たんだ。あのクソ野郎どもが盛りそうな薬の解毒剤は…。」

危ない薬だらけの学園横浜に3年も在籍していれば、その薬の解毒剤ぐらいなら誰でも覚える。見つけて、優希へと渡す。

「あたしが倒れてる間に一体何があったの?」

「何も。ゆうちゃんが頑張って敵を倒したおかげで、俺も早くこちらへ来れた。」

「そうでしょ?やっぱあたしはRANK4に相応しいわ!」

自画自賛に過ぎない。やはり、RANK4から降格は応えたのだろうか。それともなければ、R()A()N()K()4()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだろうか。

「そうだね。ゆうちゃんの方が…。向いてると思う。」

彼女を傷つけたくない。スバルが絞り出した言葉は、精一杯の擁護だった。

で?

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