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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
BATTLE OF 学園横浜
214/289

"万物破壊"

「一応ということもある。このコンビニに集団で買い物に来ただけかもしれないからな。そうなら俺ァ黙って帰るが?」

余裕を持った口調とは裏腹に、翔は焦っていた。この場所にて超能力を作動させれば最後、何処に飛んでいくのかも分からない暴風が学園横浜を襲うだろう。

「そう見えますかねェ?センパァイ!」

学園横浜が認定する超能力者の最上格、翔とイリイチ。もう二度とない大好機を逃す訳には行かない。一斉に翔に向かった超能力者は、彼を打ち砕くとばかりに、周りを全く考慮しない超能力を動作させた。

「辞めてくれよ…。マジで。本気って書いてマジな。マジ。」

空間移動であろうか。翔の頭上に軽自動車が降ってくる。極めて剣呑な超能力をいとも簡単に使うことに敬意すら覚えるのだった。

「…!それがテメェの超能力か!」

「アァ…。そうだよ。厨二臭いが…。万物破壊(オール・ブレイカー)ってんだ。この黒い暴風はほんの少しだけソレを作動させた()()()もっとも、もう哀れな誰かさんの車は遥か彼方に消えちまったがな?」

右手から生み出した黒い暴風が、きっと誰かのものであった車を木っ端微塵に粉砕する奇妙な音が響き渡る。少しは恐怖を覚えてもおかしくない光景も、彼らを余計にヒートアップさせる結果に終わってしまう。

「銃火器で吹っ飛ばそうと思うなよ?こっちは生身なんだからよ。」

超能力を応用した結果が、学園横浜から借りた銃火器を、向きを設定して片っ端から放つことなのだろうか。当たり前ではあるが、最小限に設定した暴風によってそれらは消え去った。

「そんなんじゃあ俺には勝てねェよ、ガキンチョども。大方、俺とそこでガソリンの蓋加えながら寝てるロシア人を纏めてぶっ飛ばして名前上げようとしてたんだろ?無理だと思ったなら、帰って家で宿題でもしてろや。」

序列第1位の凄みに、彼らも諦めを覚え始める。怯えを見せてしまえば、そこで終わりなのだ。

「……わかんねェか?なら5秒やる。5秒以内に撤退しねェなら、本気の一撃で…。全治不明になるな。さァ、早く決めろ。」

些か大袈裟な脅しではあるが、ある意味で真実味も帯びていた。見るも無惨な姿となって舞い戻ってきた軽自動車が、それを強調するのだ。

「5…4…3…2…。」

敵意を無くし、獅子に追われたシマウマのように逃げることに一心するしかなり、最前までは 意気揚々と序列第1位を打ち破ろうとしていた彼らは逃げ去ったのだった。

「アァ。アホらし。」

いつまでこの生活を続ける羽目になるのか。序列第1位という看板は、物の見事に不愉快な問題を呼び込む。こうして絡まれたことは1度や2度だけではないのだ。

「おい、アスファルトの上で爆睡すんなイリイチ。風邪引くぞ。」

「…あ?人の心配してんなよ。敵性意思はまだ居んぞ。それも特大のな。俺はソイツの相手が面倒だから狸寝入りを決め込む。」

力のこもっていないイリイチの指指しの先には、紋章からするに2学年であろう女子生徒が立っていたのだった。



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