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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
新興宗教の奇天烈乱舞
198/289

永遠の終わり

「結局さ。永遠なんて物は存在しないんだよ。死ぬのが怖いか?死んで皆から忘れ去られるのが怖いか?それとも自分が無用物であることがとても恐ろしい事実か?だから不老不死なんて()()()()ものに縋るのか?笑えねェな。笑えねェ。なんでって?…世の中は2つに分けられる。他人と自分だ。たとえ他人が唾を吐き捨てながらお前は必要のない人間だ、と言おうが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だから俺は今日を生きる。生き延びる。生き延び切ってやる。大量の人間の人生を台無しにした俺は俺が必要とする限りこの世に存在し続ける。下らない宗教も、胡散臭い科学も、空虚な偽善を吐き散らかす世間様も、全部関係ない。俺の評価は俺が決めて俺の存在理由は俺が決める。死の恐怖から逃げられない有象無象どもが、泣き叫びながら死んでいく。満足した人間はきっと家族にでも囲まれながら暖かく死んでいく。俺は前者なんだろうな?道化なんだろうな?上等だ。」

空の彼方に飛んで行った彼の言葉は止まらない。危険薬物に耐性がある彼がここまで狂うことは珍しいことなのかもしれない。決意や自嘲、他者への高い攻撃性が集中している存在、第六感(シックス・センス)という特異な超能力によって何時までも孤独な存在、誰も彼を愛しはしないし、誰も彼は愛することは出来ない。無自覚なのか自覚があるのか、彼が証明困難な問題に嬉々として入り込むことは多々ある出来事であった。

「……だがよ、絶対に生き延びてやる。誰かの人生を奪ってでもな。絶対にだ。」

度数95度のウォッカを瓶ごと一気飲みしたイリイチは、限界を越えた過剰摂取(オーバードーズ)によって、自室で倒れ込んだのだった。

「胴元、絶縁処分だとさ。」

「ヘェ。長州ってヤツも今頃何処かの海を彷徨ってるだろうし、ほんとに何もしなくても勝てたね。」

よくある日常の1幕として、生き延びた彼らは晴れやかであった。

「外部の問題はあまり関与したくないね。面倒だし。」

「これから新入生も入ってくるし、いい霧払いになったじゃん?」

総生徒が10,000人を越える見込みとなった学園横浜は拡張工事を続けていた。新しい者が入れば、古い者は立ち去る運命だ。

「ったくよ。アイツら先輩に対する思いとかないのかよ?翔や高橋は律儀に来たってのによ。なァ、武蔵、伊藤。」

「そういう子たちなんだよ。湿っぽいのは嫌いな。ま、俺たちの場合は感動のかの字もないけどね!」

3学年は進路が決まり、卒業となる。義経と武蔵は超能力者傭兵軍隊(ピースキーパー)に配属され、超能力者としての才能は最後の最後まで見いだせなかった伊藤は、私立大学に進むことが決まっている。

「当分会えなくなっけどまた会おうぜ。」

新しく見えた生き延びる道を彼らは闇雲に走っていく。



PVが8500行きました!凄いかどうかは分からないけどとりあえずありがとうございます。次話から新章です!

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