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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
新興宗教の奇天烈乱舞
179/289

宗教法人 ''創始真理会,,

「迷い彷徨える子羊たちに我らは労することなく懲罰を与える。我らの兄妹にはよき運命が訪れるだろう。我らは世界を救済する。」

日本における二十世紀最悪のテロ事件、通称「オウム真理教事件」は日本人から忘れ去られようとしていた。29人の犠牲者、6000人の負傷者、国家転覆を試みた「オウム真理教」は教祖を含む幹部全員が逮捕され、厳罰を受けている。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「まだ警察も勘づいていない。着々と武装組織を作り上げているにも関わらずだ。本当なら、こんな問題を学園横浜が解決する義務はないんだがな…。」

「野郎どもの計画は十中八九途中で躓く。その間に死者は出るだろうがな。では、何故、俺たち学生超能力者の問題となってしまったのか。理由は2つある。まず…。学園横浜に入り込んだ信者、あるいは入ってから信者になったのか、ま、どちらにしても信者だ。ソイツらが超能力技術を流用しやがった。科学班のオタクどもと少数派の生徒たちがな。そして…。」

定例生徒会、その会場の最上席に堂々と座る、だが今となれば厄介事を押し付けられた可哀想な女の説明を待つ。

「学園横浜は今月の初めから国立高校となった…。それはつまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()一応報酬は支払われるけど、ハッキリ言ってしまえば創成から受託した時の10分の1以下…。超能力者私設軍隊(ピースキーパー)は別の案件に縛られて横浜には殆ど派遣してこない…。」

「と、言うことだ。3流大学出の家柄以外に秀でたもののねェアホどもが、鈍い警察よりも俺たち超能力者の方が使えるとご判断成されたのだろう!」

「畏れ多くも下賜して下さったんだ!最高だぜ!全く!3流雑誌にインポだってことリークしたのを根に持ってるみてェだ!クソが!」

悪口大会となれば止まることを知らない。生徒会の大半は、報酬が低い上に、権威上昇にも繋がるわけでもなく、なまじな行動を移せば今度は警察機関との闘いになってしまうこの「命令」に嫌気以外に何も感じない。

「いつか(自主規制)大臣をぶち殺すの会、閉廷!」

「いやいや、(自主規制)のクソ野郎をぶっ殺すのはそのうちやるだろうが、テロ集団を放っておくのは不味いだろ。民間人に被害を及ぼすヤツらなら、俺たちが一肌脱いで潰すのもありだろ。」

会長代理は良識派であった。新興宗教をそのままテロ組織に繋げるほど無知ではない彼も、この宗教が如何に異常で如何に狂気じみたものかは理解していたのだ。

「じゃあ聞くケドォ!段階4の生徒粛清を主導したのはどこの誰かしらね?閉鎖空間が居ればヤツらを見つけ次第餓死させるんだけどなァ。」

美咲の嫌味たらしい口調に反論出来ないのが全てであった。本来なら、マグネターこと海里を粛清することに主眼を置かれた流れのはずが、彼女が生還して序列第3位と序列第1位と交友を持っているのは紛れもない失敗である。迂闊に手出しをすれば、学園横浜が2分割されてしまうのだ。

「電気量自在もそうよ?あと行方不明になってるけど心理的外傷巻き戻し(トラウマ・リプレイ)も死んでるわよね?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、何してくれたのかな?ん?」

「……そこまで言うか。国立指定学園横浜校生徒会会長、高橋美咲さんよ。だったらよ…。学園横浜総長の認可によって、強制権を持つ臨時的招集を段階4にかければいいんじゃあないのか?」

火の粉が飛んでくるのを防ぐために飛び出したリーコンの一言は、前例がないものの決定力はある命令を出すことだった。



※この小説はフィクションです

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