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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
全ての陰謀を終わらせる陰謀
145/289

RANK:3 速度自在VSRANK:4 磁力自在

所詮こう言うものさ。そういう投げやりな言葉が聞こえそうな展開だ。人工脳髄に全ての超能力制御を任せた上に人間機能すらも任せている。過熱により停止する程度の物に生命装置を預けている自体が、イリイチの敗因の遠因だ。

「シックス・センスも大したことないわ。でもこの屍の妹を殺らなきゃ意味がない。早いとこやってしまった方がいいわね…。」

彼女の電話先に居る面子は、学園横浜の最も危惧する「段階4同士の結託」をそのまま記しているようであった。彼らも愚直ではない以上、目的であるシックス・センスを持った兄妹抹殺をすぐさま成し遂げるだろう。

「……あら、こんな暗い夜になんの用?」

電話先の人間ではないことに気がついた彼女は、死に絶えたイリイチを見られた以上は生かして返す訳にも行かないことを決め、引き寄せによる暴力にて片をつける用意を済ます。

「なんの用って?そこにいるロシア人にちょっと恩があるものでね?だからさ…。ここは1つ穏便n…!」

戯言が通る訳もない。マグネターに喩えられるほどの引き寄せ能力は、彼の身体を引き寄せる。ここまでは既定路線だった。

「…!」

彼女の計算に狂いが生じるのは珍しいどころか今までなかった。彼を引き寄せる際の速度は、普通の人間が引き寄せられる速度と比べて遥かに速い。アクセルを掛けて加速したかのように。

「穏便じゃないな…!だったらよ…。自分の超能力に過信したことを恨め!」

加速は引き寄せにより更に強くなる。彼女のか細い右腕では制御不能なほどに。その勢いを利用した蹴りは、そのまま彼女の股間部分を直撃する。

「ったく。分かったか?序列第4位、神里海里さんよォ!」

実に勤勉な男だった。優希への思いがそれを昇華させたのか、自分の超能力を有効活用して、雲の上の存在である海里にも一矢報いることが出来た。

「PKDI、RANK3に速度量を自在に変更出来る超能力者が居た…。っ!」

高木昴、イリイチが彼を高く買っていた理由は、RANK4に指定される理由の1つ、「現象を自在に操る」を知り尽くした上で使いこなせるからだったのだ。

「あァ。それが俺。加速、減速は自由自在に変更出来る。本来ならここまで加速は出来ないんだがな、ま、相性がいいな。俺とお前。」

地面を蹴り、今度は超能力による人間引き寄せを使っていない海里に詰め寄る。泥臭い殴り合いになってしまえば体格の差により確実に海里は負ける。

「この間合いまで引き寄せないで入られたのはいつ以来だ?俺は女だろうと容赦しねェぞ?」

表情を変えることなく、言葉通り躊躇のない握り拳による暴力を加え入れる。最前のイリイチを再現するように、海里は鼻血を垂らし、膝から倒れ込む。

「おっと!磁力を滅茶苦茶に増やして細胞破壊しようだなんて思うなよ!」

マグネターの異名を持つからには最終手段として、磁力増大による人間の細胞破壊を行うことも不可能ではない。その奥の手を封じるように、昴はトドメの一撃を海里に喰らわせる。

「イリイチ、これで貸し借りなしでいいか?」

気絶に陥った序列第4位の息の根を止めるほどに外道の道を歩んでいない彼は、イリイチを抱え、学園横浜内の病院に運んでいくのであった。


多分理屈は滅茶苦茶です。

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