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Keep Yourself Alive 第六感の場合  作者: 東山ルイ
グレート・ゲーム
120/289

超能力者の格

本校にて類を見ない超能力者による最終決戦が行われているころには、横浜における闘いも収まりを見せていた。大半が鎮圧され、残る戦闘は公正と岡本による「夜叉」同士の蹴りが着くだけとなっている。

「決め手は格の違い。結局はさ、虚空夜叉と天夜叉に分けられてるっのは、その間に格の違いがあっからだ。わかるか?」

「知ったような口叩くなや…。まだ負けた訳じゃねェ!」

大勢の決着はついていた。公正は初めて、虚空夜叉としての能力を完全に解放するまで追い込まれたものの、解放されてからというのは無残なものだった。攻撃は全て通り、防御は完璧、機動力は遥かに公正が上回っていた。

公正は深い溜息をつく。一撃で相手を粉砕するように、高威力な爆風を岡本に向けて放つ。それを避けることも出来ずにまともに喰らった岡本は難なく倒れた。殺さずに相手を無力化するというのはなかなか難儀なことなのさ、と思いながら、目的を達成した彼はそのまま生徒会本部に向かっていく。

本部は慌ただしかった。大智を見つけ、経緯を聞くことにした。

「高橋の記憶を奪おうとした不届き者が横浜に入り込んだ…らしい。どうも、そいつは逃亡中。変えようのない過去をほじくって精神的に苦痛を与えるとは、いかにもあのイングランド人らしい作戦だよ。反吐が出る。」

横浜の生徒は後ろめたい過去を持った者ばかりだ。確かにその記憶を呼び起こす超能力者が1人入り込めば、横浜の指示系統は崩壊する。

「いやなネズミだな。とりあえず、対策として現在生徒会に居る生徒は2人以上で行動することだな。わざわざ会長さんが1人の時を狙ったてことは、2人以上の記憶読み込みは出来ないんだろう。ま、そいつが空間移動を使えればより厄介だがな。」

「そのクソ野郎を除けば、横浜における戦闘は終結している。第2校も、()()()()()()()()()あとは…。」

「東京本校をイリイチがぶっ叩くだけだ。」

学園横浜は満身創痍であった。本校からの防衛だけでここまで消耗したからには、もう本校に送り込む兵隊は居ない。単身で向かっていったイリイチを見捨てると言うよりは、もうどうすることも出来ないという方が正しい言い方であろう。

「先輩大丈夫かな。ね、イリーナ。」

「嫌な予感以外何も感じない。」

深夜2時半、子どもが起きているには遅い時間に、12歳の男の子と女の子は起きていた。子どもの勘というものだろうか。それともシックス・センスによるものだろうか。どちらにしても、イリーナにとって不安の尽きないこの1ヶ月は、中々終わりが見えない。

「いざとなれば空間移動で本校に向かおうよ。」

12歳という割に幼い2人には、無邪気な感性に釣り合わないと言える強力な超能力を持っている。共通点の多さから、まだ横浜に来たばかりのイリーナが若葉を気に入るのは妥当なことではある。

「うん。」

その言葉は意味深長であった。

各国の蔑称というものは数多くありますが1番ひどいのは

「チーズ食って降伏する猿野郎ども」

じゃないでしょうかね?因みにフランスのことです。


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