ききたいことがあります
「ききたいことがあります」
「何を聞きたいのかな?」
今日も可愛い妹がキリッとしてるつもりだろう丸いベビーフェイスをこっちに向けてくる。
ああ、ほっぺプニプニしたい。でも、今やったら怒るから話を聞いた後でプニプニしよう
「きょうおともだちからダンクロジャーっていうのをききました」
「ダンクロジャー?」
何?海賊王がバスケでダンクでも決めるの?
「そうです。おともだちがいうにはとってもすごいものらしいです」
「とっても凄いものかー」
「はい、それのためならおかたずけもおてつだいでもなんでもできるそうなんです」
「ほうほう」
片づけやお手伝いもやっちゃう位にお子様が欲しいモノか。
モンスターをハンターするゲームの獲物っぽい名前のくせいしてお子様に人気とは生意気な
「でもそれがなんなのかおともだちはおしえてくれませんでした。あたしにはまだはやいって」
「なるほど」
うん、面倒事の臭いがプンプンする。
「でもあたし、きになります」
ほら来た。
「つまりそれが何なのかお姉ちゃんも一緒に考えればいいの?」
「はい!」
良いお返事。
でもなぁ、それが日曜アニメの何かとかだとお姉ちゃんさっぱりだからなー。
とりあえずヒントがないとどうしよもないなー。
「じゃあ一緒に考えてみようか。ダンクロジャーっていうのはまずなんだと考えてますか?」
「あたしはね、きっとおいしいものだとおもうのです」
「おいしいものですか」
「はい、きっとおともだちはおいしいものをひとりじめしたくてかくしたんだとおもいます」
おいしいもの、お菓子とかか。
うん、我が妹ながら着眼点がいいかもしれない。
確かに外国のお菓子とかは技名とか怪獣名っぽいのも多いし、ダンクロジャーなんて名前のお菓子もあるかもだし。
「おねえちゃんはどうかんがえますか?」
「おねえちゃんはそうだなぁ、玩具かもって思うなー」
変形合体ダンクロジャー!って語呂良くない?
「んー、ちがうとおもいます」
「え?ちがう?」
「はい」
断言された……
え、玩具って発想そんなに駄目だった?
「なんでそう思うの?」
「だっておいしいものならがんばろうってなるけど、おもちゃじゃならないからです」
「いや、お友達は玩具でそうなるかもだよ?」
「おいしいものよりおもちゃがすきってこはいません」
そっかー、そーなのかー。
「じゃあ私達も美味しいモノを食べようか。おばさんから貰ったお菓子があるから」
「食べる!」
「じゃあちょっと待っててね」
ニッコニコ笑顔の妹を残してお菓子を用意しに台所に行く途中、スマフォで『ダンクロジャー』について検索してみるけど、テニスの神様とか映画監督とかしかでない。
溜息をついてスマフォを閉まって、台所で夕飯の用意をしてるお母さんに声をかける。
「お母さーん、お菓子持ってくねー」
「いいわよー」
ポヨポヨとして声音で許可が下りたので、おばさんから貰ったお菓子の箱からチョコやラングドシャを数個お盆に乗っけて妹の方に持って行く。
にしてもマジでなんなんだろダンクロジャー?