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1枚のカード  作者: スノーフレーク
5/5

二回戦から決勝へ

二回戦までの一週間は、流れる川のように早く過ぎていった。

そして二回戦。

またもや夕と当たってしまった。

読み手が札を読む。読み手の声が決まり字に到達するのと同時に、夕の綺麗な白い手が札を捕らえ、札は弧を描くように舞い上がる。

「やっぱり…、強い…。」

私はそう呟いた。

読み手の、

「静かに」

という凛とした声が響き渡る。

場が静まり返ったのを見計らい、読み手は次の札を読んだ。

「いにしえの」

パシッ。

小気味良い音が響き渡り、札は宙を舞う。

畳の上には、札を弾き飛ばした私の右手が残っていた。

夕は、一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに楽しそうに微笑んだ。

「山川に」

パシッ。

今度も私が取れた。

夕相手にまさか2回も連続で取れるとは。

とても嬉しい。

でも、これが最後の札だったので、結局負けてしまった。悔しいけど、夕と戦えて良かった。

そう、心から思った。

夕は、すれ違いざま、

「今日は楽しかったよ。ありがとう」

そう言って微笑んだ。



決勝戦は二回戦と同じ日に行われた。

二回戦で負けた私は、強制的に家に帰らされた。さくらは、二回戦に勝ち残って、決勝戦で夕と当たり、惜しくも二枚差で負けたらしい。

私は、気落ちしている妹に、

「準優勝おめでとう」

と声をかけた。

さくらは、たちまち笑顔になった。

明日、学校で、夕にも

「優勝おめでとう」

と声をかけよう。

夕とも仲良くなれたら良いなぁ。


更新遅れてすみません。

これが最終話となりました。

今まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。

また次の作品で会いましょう。

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