設定
・レン
主人公。
ふらレン太郎にして、幼女に優しいロリレンコン。切ったら穴が空いてそうですね。からしでも詰めるといいと思う。てんぷらにしてもおいしいと思います。
今回レン君まさかのさらわれのお姫様役とかいうヒロインムーブ。奴隷少女ちゃんみたく、主人公兼ヒロインになるのかお前は……とか思いきや、さりげなくナデポ習得という主人公らしさを見せ始めた。
ハーレムって、主人公が複数の女性との付き合いを許容し始めたらハーレムだと思ったんですけど、創作的の定義的には主人公が複数の女性から恋愛矢印向けられた時点でハーレムなんですね……。つまりこの小説はイチキがレンに矢印を向けた時点でハーレムになったのだった。これ以降、作者はハーレム小説を書き、読者の皆様はハーレム小説を読むことになるんだよ!
しかしハーレムエンドはNG。作者がなんとしても阻止する所存です。分裂の未来はシュレディンガー! まだまだ未観測の事象である。
・奴隷少女ちゃん
今作のヒロイン兼主人公。
他のヒロインに話がよると出番が減る。公園の全肯定と全否定が減る……! 本当に申し訳ないと思ってます。
主人公に告白されて、特に事情も葛藤も照れもなく、好感度が足りないという至極当然の理由で普通に袖にした。まあしかし、告白された事自体はまんざらでもない……のかもしれない。
だがそろそろ過去編! 奴隷少女ちゃんが主役と言っても過言ではない過去編!! でもほとんど全肯定も全否定もない……! なぜならば、過去編だからまだ全肯定奴隷少女ちゃんじゃないのだ!
過去編はロリ皇帝奴隷少女の話だぁ!
・ミュリナ
正面戦闘でリンリーと戦った場合は、十回に十回勝てる。
ミュリナだって十分、世代のトップを張れる有望な人材である。国一番の学院を飛び級で卒業ですよ? 間違いなく天才。イチキが世界のトップなだけで、ミュリナも十分天才。
ただしイチキとの正面戦闘したら勝ち目ゼロ。勝ち筋が一切ない。
ただ恋愛偏差値は負けていないはずなので、闘争の勝率はこれからである。
・スノウ・アルト
勇者パーティーのメイン盾。
悪運極振りの騎士。いや、普通に他のスペックも高いんですけどね。
無能な有能。自己解釈が激しいので、彼女には何かを頼むということをしないほうがいい。簡単なお使いを頼んでも、よくわからない結果がかえって来ること請け合いである。
ただし彼女は頭が悪いだけであって、基本スペックが非常に高くて死なないので、本当に何も考えさせずに余計な情報も与えずたった一人で言われた通りの任務をこなさせる人材としては、非常に優秀。
東国清華でオユンに使われていた時は、人生に疲れて自発的な思考と行動をしていなかったので彼女史上最高の有能ぶりを発揮していた。
・ボルケーノ
スノウをウィトンに押し付ければ、ウィトンが過労死しないかなと画策している。
・ウィトン・バロウ
アルテナさんと婚約したての時期なのに、教会に呼び出されて気持ち悪い老人の相手をさせられていたので機嫌が悪かった。
とうとう聖剣が消失したので勇者ではなくなった。
新たな聖剣がどうなるのか、それは神のみぞ知る。
・リンリー
東国において、官僚一族である知恵の家系の宝と呼ばれた天才児っ。なんと驚けッ、十歳にしてミュリナにやや劣る程度の戦力を誇る! 紛れもない天才! 将来が有望過ぎる幼女ッ! でもイチキは五歳の時にはいまのミュリナより強かったぞ!! 頑張れリンリー! 負けるなリンリー! あざとさは遊びじゃないっ。生き残るための武器なのだ!
自分が生き残るためにあっさりオユンを見捨てるあたり、オユンの妹だなって感じである。まあ、オユンはオユンでさっさとリンリーを捨てて国元に逃げ帰ったので、お互い様。
・イチキ
身内には優しいが、血縁は死ねばいいんじゃないかな程度の扱いしかしない少女。十歳の時には、祭具込みで救国の勇者と互角以上に戦えた。この子も大概、この子以上がいないというレベルである。
もしオユンがイチキのことを売り飛ばしていなければ、早々と官僚になったイチキが王朝を立て直してそもそも仙人が生まれなかったかもしれないし、あるいは仙人を取り込んで沈みかけの国を盛り返して繁栄させていたかもしれないし、最低でも一族は助かっていた。
けれどもそんな未来はもうない。
彼女は身内にはなにがあっても尽くすけれども、同時になにがあっても裏切らないことを求めている。
だから裏切られたと知れば、尽くした分、酷薄になる。レンの未来ですか? さあ?
・オユン
もしかしたら信じられないかもしれないけど、普通に優秀な人。戦ったことがないのに自分を強いと思っていただけであって、目的達成のために能動的に動ける使える人である。ただ手段を択ばなすぎる気質なので、格上を相手取ると取り返しのつかない失敗をする。戦闘力は官僚の割には高くて、普段で二流冒険者くらい。レンと戦ったら普通に負ける。祖霊降霊をすればミュリナとそこそこ勝負できるかな?くらい。いや、かなり優秀なんですよ、この世界基準では。
学者肌ですらなく、政治のための政治が好きな上昇志向官僚。一族の後ろ盾もあって、官僚政治の立ち回りは優秀だった。
彼女が十五歳くらいの頃、幼少のイチキが精いっぱい自分のレベルを引き下げて懐いていたのだが、ぎりぎり目いっぱい下げられたイチキの知識レベルを見て「こいつはやばい。自分の将来的な地位を揺るがすかも」と思って幼いイチキをだまくらかしてして売り飛ばした。十年たって記憶は都合よく改ざんされて、自分が西国に送り込んだ手札、になった。自己記憶改ざん怖い。
リンリーは特に自重とかしなかったので、自分のことをぎりぎり目いっぱい下げて報告していたイチキよりかは才能があるように見えた。オユンも二十超えていたので、手元に置いて利用する方針に。
仙人のおかげでぎりぎりイーズ・アンの聖句を回避したが、イチキが十分くらいで抜け出したあれに閉じ込められたらオユンでは死んでもでてこれない。まあ、仙人に寄生されている状態とどっちが幸福かと言われれば、微妙な線である。
・イーズ・アン
もの静かなふりして、実は台詞の量めっちゃ多い聖女様。下手したら、奴隷少女ちゃんの次に台詞量多いんじゃなかろうか。
国際の理念に意義が見いだせない原典主義者人類回帰論者に国際問題とか言っても無駄である。
教えある限り、国の枠組みなど不要と信じて疑わない。そもそも彼女は人類の回帰こそを目指しており、現行人類の繁栄を望んでいない。なぜこの聖女様は国際的テロリストになっていないのだろうか……。不思議。
彼女の信仰が一種独特なのは、彼女の体験が根幹となっているからである。理性的でも論理的でもなく、自分が確かに体験したからという頑迷で感情的な信仰。多少の矛盾があろうと、彼女にとってはどうでもいいことでしかなく、論破するということ自体に意味がない。
人が信じる奇跡というものは、主観による体験的なものでしかないからである。
・常連シスターさん
いい人。教会の良心。イーズ・アンの外付け常識回路と言っても過言ではないほどのお人である。
・タータ
修道院出の少女。
少し前はイーズ・アンのお食事係だった。いまは教会の受付業務に励んでいる。
将来はイーズ・アン様のような聖職者になりたいですと言ってはばからない敬虔な少女だが、何をどう間違ってもああはなれないので安心してください。
・教皇
神の見えざる目。
聖人の死にぞこない。
その昔に、この世は見るに耐えないと自分の両目を自分でくり抜いた結果、誰よりもよく世界が見えるようになった。
なんか意味深な登場したけど、本編に絡むことはないはずである。
・仙人
イーズ・アンの同類かつ同格の存在で、歴史の必然で発生する。
一神教宗教圏内では教えによって『聖人』として生まれるが、東国では部族、民族単位での闘争が激しく、宗教観の統一に強い忌避感があるので、国の共通理念に近い『自然と世俗』により『仙人』として生まれる。
基本的に教会に属するようになる聖人とは違い、仙人は自然と世俗を反映している。だから国を滅ぼすこともあるし、国を繁栄させることもあるし、秘境で釣りして一生を終える場合もある。
最終的には自然に戻り、解脱による星との同一を果たす。
今代の仙人は、銅鉱山のふもと下流域の山村にいた少年である。鉱山開発が進むとともに流行りの病(清華王朝公式発表)で滅んだ、よくある村の一つ。鉱毒なんてなかったらしいし直訴なんて知らないとは、とある中央官僚の主張である。ちなみ村はまだ生きていた病人も含めて丸ごと埋められた。
その結果で発生した彼は、イーズ・アンよりずっとまともな人間のフリをするのが上手い。本質的には人間のことを生物と認識しているかどうかすら怪しい清華王朝ワクチン的な存在ではあるが、人間以外は虫の一匹だって殺さず花の一輪も手折らないとても心優しいショタ仙人である。
・三尸の理
『いわく、人の中には三匹の虫がいるという。
諸人の体内には、頭、腹、足にそれぞれ異なる虫がおり、人の悪徳を記憶している。九十日の内の一日、人の体内から抜け出し、寄生していた人間の悪行を天帝に報告し、人の寿命を減らす役目を担う。またこの虫は、寄生主が死ぬと自由になり、式として独立して動く』
大部分はウィキペディアから参照ごほんごほん。
かつてこの世界で実在した始祖天帝が東国平定の際に作り出した理。頭に潜むのは小人、腹の中にいるのは獣、膝に張り付くのは頭、合わせて三匹の虫である。始祖天帝没とともに実在は消え失せたが、民間に広く知られる逸話として残った概念領域を仙人が引きはがして現世に降臨させたもの。
イーズ・アンの聖句と同じく、知っているというだけで術の効果からは逃れられなくなる。つまり、三尸のことを知っている時点で、その人間は必ず三匹の虫に寄生されている。
オユンはこれを勘違いしていて、仙人が自分を中心に三尸をばらまいて感染寄生させていると思っていた。だから地方から遠くの中央にいた自分に三尸が潜んでいるとは夢にも思っていない。リンリーは不勉強で三尸を知らなかったので寄生されていないだけである。
とはいえ三尸は、きちんと三尸払いの術が確立されているので、事前に体内から払っておける。
ただ、そこまで知らないと、本当にどうしようもない。
生きている限りその人の情報は自覚なく抜き取られ、常に操身の恐れがあり、死んだ後は死者の体の右足、臓物、脳髄が『式』が自律するための媒体として使われる。
三尸払いの術が記された本は、もちろんかつてオユンたち知恵の一族の図書収集の中にもあった。イチキは幼少の頃、これに目を通し実践しているため、寄生されることはない。
しかし正式な払いの手順が載っている原本は、現在すべて仙人の手元にある。
・東国清華王朝
長く続いた国だけあって、官僚が腐っている。出世イコール政治闘争。他人の功績は自分のもの。自分の功績は自分のもの。自分の失態は他人のものである。
権威主義で時代にそぐわなかろうが前例踏襲が基本で、中央に行けば行くほど政治が政治のために存在している上に、旧ハーバリア皇国と違って先天の秘蹟を持っていた天帝も不在である。
滅ぶべくして滅びそうな王朝に対してようやく起こった反乱で楽勝かなと思っていたら、中央に嫌われて地方に飛ばされていた現場のレベルが異様に高く、特に鎮圧軍の武官の上澄みが三国志ドリームチームみたいな構成で、仙人もどうしようこれと困って正面撃破を諦め三尸のばらまきを開始した。
おかげさまで地方鎮圧軍は、延々と中央官僚から足を引っ張られる羽目になる。地方動乱の結果が出る前に、中央政府が陥落するほうが早いだろうという状況である。
ただし仙人とともに生まれた宝貝『化血刀』の持ち主がようやく現れたので、完全に戦力が反乱側に傾いた。清華王朝もお終いも本格的に近い。
・信仰の壁
敬虔な信者が得ることができる光の壁。
なぜ『盾』ではないかと言えば理由は簡単で、信仰の壁は必ずしも行使者の身を守る形で展開されるわけではないからである。秘蹟行使者が信仰の壁を顕現できる場所、枚数は本人でも指定できるものではなく、本人の信仰が色濃く反映されている。
スノウは利き手と逆の左腕に小さく一枚、レンは自分の前に大きく一枚。戦闘従事者は、自分や仲間を守る形になることが多い。
ファーンさんの場合、足元に二枚展開される。なにこれ役に立たないと本人は思っているが、彼女の信仰の壁は、どんな場所でも彼女が二本の足で立つ土台となる。
イーズ・アンの場合、己と他者を閉じ込めるように四方と上部に五枚展開される。本人がどのように思っているかは定かでないが、彼女の信仰の壁は、彼女や他者の身を守ることは決してなく、ただ行く先を閉ざす壁となる。