【ヒロインレース結果】
ヒロインレース結果発表にかこつけた設定置き場です。
特に重要なことは何ひとつ書いてないので適当に読み飛ばして下さい。
奴隷少女ちゃんの設定部分に、頂いたファンアートを置いてあります! とてもかわいいイラストです!
・レン
お前、ミュリナの何が不満なの系主人公。
展開に応じて、ぽーんとあがったらと思ったらどーんと下がる。異世界にも重力はあるんだよなぁということを語らずとも分からせてくれる主人公である。
天然たらし、スポンジ主人公、もげろたわし、感想欄が望んだハーレムの剣を引き抜いて勇者になれ、などなど感想欄でいろいろ言われたがハーレム主人公ではない。なろうの読者様はハーレムがお嫌い、ワタし、シッテる、デス。
当初の傍観系主人公とかいうコンセプトが見事に消え失せて鈍感系になりかけていたが、そんなものは許さんとばかりに女魔術師に告白された。さあ悩め、もっと悩め主人公。どうだうちの子はかわいいだろう、うちの子め。
冒険者になって、おおよそ半年ちょっとが経過した。徐々にパワーアップしている感じはすれど、まだまだである。
成長速度がどんなものか、周りと比べるのは秘密。
・フーユラシアート・ハーバリア四世
奴隷少女ちゃん。
フーユラシアート・ハーバリアはハーバリア皇国で初めて女性として皇帝になった人の名前で、その名前を冠された四人目ということで、四世。名前自体に特に意味はない。奴隷少女ちゃんは奴隷少女ちゃんである。
途中で行ったヒロインレース、堂々の一位。さすがはタイトルに存在を刻むヒロイン兼もう一人の主人公。得票率47%の359票!
とはいえ、正直この子への投票率が50%を切るとは思わなかった。
女魔術師のターンだったので、出番は控えめ。女魔術師の四日間を経てなお残った奴隷少女ちゃん派の読者様は精鋭の近衛兵である。
公園広場でプラカードを掲げ、貫頭衣を纏っている彼女の正体は、前皇帝。どこぞのびっくり仰天レンの助とは関係ないところで正体が明示。レンたちが甘々いちゃいちゃしている時に、もう一人の主人公兼ヒロインは裏社会の頂点でラスボスムーブをしていた。
作中チートキャラの一角。
能力だけで強いタイプ。支配者の玉音は至高の秘蹟であって、他者に対して絶対的な命令権を確約する。皇帝の言葉は確定した現象に等しく、通常では実現し得ないような奇跡すら他人に強制して実現できる。精神的な従属を強いるだけではなく、召喚を唱えれば空間をねじ伏せ眼前に参じさせ、伝えたい知識を植えつけることも可能であり、むろんイーズ・アンの聖句ばりに他人を強化することもできる。
Fate風に言うと、彼女は国民すべてに対して無制限に令呪を使える。ひどいチートだな、おい……。
聖剣がなければこの国で彼女に敵うものなどなく、あのイーズ・アンですら例外になりえない。玉音に逆らうには、相応の奇跡が必要となる。
十七代目であった彼女の在位は皇国史上最悪の時代であり、この世界で最も自国民を犠牲にした支配者だった。
即位、三歳。廃位、十一歳。
彼女が八歳の時に革命が起こり、およそ三年の争いの後に打倒された。
彼女の資料はなぜかすべて焼き払われており、治世を行うには明らかに幼過ぎる年齢は知られていない。
ハーバリア皇帝は玉音を持つため、直接臣下に命を下すことはめったにない。勅命を除き、必ず伝令官を通して臣下と意思を疎通する。彼女の在位はそれが顕著で、臣下の前に顔を出したことがなかった。
間違いなく歴代で最も無能で、無策で――無垢な皇帝だった。
*ショウリュウ様@kaikaiseisei888よりファンアートを頂きました!
・ミュリナ・バロウ。
女魔術師。やっと名前が出たヒロイン十六歳、恋する乙女。
ヒロインレース二位。得票率39%の298票! 話が進むごとに伸びる票の猛追は目を見張るものがあった。
特に意味はないけど、かわいい響きを意識して名づけ。ちなみにこれからは地の文でもミュリナ表記。ぐっばい女魔術師。これからはミュリナの時代。
勇者の妹。久しぶりにお兄ちゃんと呼んだ兄は、とても良いサンドバックだったらしい。
勇者の身内というだけで母親を殺害された過去があったので、勇者の妹だということは隠されていた。もちろん、苗字も基本は名乗らない。
恋愛偏差値底辺とはいったい何だったのか。たったの四日間でぐんぐんと恋愛偏差値を伸ばして、終いには意識的に主人公を誘惑し始めた。恋愛は告白してからだよね、とかいう強メンタル。
レンに対して「冒険者やめれば」とか言ってた当初からは信じられないデレっぷりなような気がしますが、元来ツンデレとはそういうものであって、照れ隠しにツンツンするわけではなくて、素でツンツンしていたのが次第に照れてデレデレするもんなんですよ!
パジャマはキャミパン。冬に肩まるだしのキャミと太ももむき出しのショートパンツはねーわと思ってはいたのだが、エプロンをやりたいがために敢行してしまった。寒そう。こういうのが作者の都合で捻じ曲げられるご都合主義というやつである。奴隷少女ちゃんパート以外は季節感ない小説だしと見苦しい言い訳を脳内でしながら真冬の朝の擬似裸エプロンを書いていた。すげー寒そう。
告白される、意識する、好きになる、自覚する、告白しようとして、その前に勘違いが発覚するけど次の日に告白してフラれて、諦めない宣言などなど、レンで思春期の恋愛を一通り学んだ。そんな彼女が選んだ恋愛手法は、『汝、勇猛たれ』。照れはすれども隠しはしない。勘違いさせられたぶんだけ背負わせる。むしろ自分の人生全部を背負わせる。命みじかし恋せよ乙女。
これからはツンツンしていたのが嘘みたいにデレデレする予定。チョロインの立場を返上し、無自覚からあざとい系誘惑ヒロインに昇格である。
ちなみに34話以降は押し倒されても文句は言えねーぞおめーという感じで、えっちく書いた。エロくじゃなく、えっちぃというさじ加減。ジャンプで言えば、とらぶるじゃなくて僕たちは勉強ができない。伝われこの思い。
女魔術師のターンなのでもう女魔術師でいいじゃんと言われるように全力を注いだ。
いまはどうレンに押し倒されるかの誘い受け計画を練り上げ中。当然、責任はとらせる。
信じられないかもしれないけどまだ作者の中でどっちのヒロインルートか決まってないので、正ヒロインとかサブヒロインとかのくくりはない。こんないい子にひどいことする作者の顔なんて見たくないからこれから毎朝鏡割ります。
雀鷲ちゅん様@j_vopok_dolからファンアートを頂きました!
・イチキ
戦闘、芸事、家事、相談。なんでもござれの万能少女。
ヒロインレースの得票率5%の38票。ヒロインレース中にこの子の回をつくってやれなくてすまぬ、すまぬぅ……。
名前の由来は『古事記』の剣から生まれた神様。
本人の言う通り天才であって、いまだ伸びしろが残されている彼女の才気には普通では決して並び立てない。距離や認識を歪め、擬似消失現象なんてことを引き起こすようなチートのそしりを免れない能力を誇るが、この作品には上がいるのでセーフ。
主に祭具を使っての強力な魔術を用いる。戦闘モードのイメージが鬼な感じで怖い子。
祭具は自作。素材収集も自力なので、実は結構大変。祭具が尽きるとできることがガクンと減って、本当に勇者と五分五分くらいの実力になる。ただ四次元ソケットと化している袖口には多種多様の祭具をそろえているので、そうそう尽きたりはしない。
イチキの結界へっぽこ疑惑が持ち上がったので、そんなことはないぞ、と女魔術師を助ける時に結界連打。公園広場の結界は姉の要望で効果を緩めているし、イーズ・アンの時はイーズ・アンがおかしかっただけである。
実のところイーズ・アンと戦う場合、閉じ込めるという対処は最も理が適っている。問題は閉じ込める方法がほとんどないことである。ただ、それ以上にイーズ・アンを傷つけることができる手段がないので、まだ閉じ込めようと努力するほうがまし。
生まれたお国柄、族誅思想がちょっと入ってるので敵認定スイッチ入ると本当に容赦がなくなる。具体的に言うと、世間には秘されている勇者の家族構成をきっちり調べ上げていたくらいには容赦がない。勇者の妹がミュリナじゃなかったら、相当危ないことになっていた可能性がある。ちなみにイーズ・アンにはびっくりするぐらい親近者が皆無だった。常連のシスターさん? ……傍から見たら全然分かんないんですよ、イーズ・アンの好感度って。
初めての友達に嬉しいのといろいろ複雑。
今後の身の振り方を、真剣に検討中。
・イーズ・アン
普段は本を背負った修道女、二宮金次郎スタイル。原典は一言一句装飾の柄まで記憶しているが、肌身離さず持ち歩きたいらしい。
洗礼名が『イーズ』で、『アン』が本名。
大した設定でもないが、洗礼名は真ん中に『ー』が付くようにしている。神の恩寵が名前に宿るように境に空白を設け、そこに一滴の恩寵が天より糸を引いて宿った形。『ジーク』や『ファーン』もそれにのっとっている。
だからボルケーノのアニキさんみたいな普通の名前に『ー』が入っている人には、聖職者は嫌な顔をする。貴族や皇族、あるいは真逆で反社会的な系譜だと、好んで名前に『ー』をいれる。すげーどうでもいいですね。もちろんこれも後付けですよ。
普通の秘蹟使いや聖職者は洗礼名のみを名乗るが、イーズ・アンは唯一無二とされる聖人なので、洗礼名と本名を合わせて名乗る。
いままで出番はそんなにないし(登場回数4回)、これからも出番はそんなにないのに、作者の中でとめどなく設定だけが増えていく狂信者シスター。常連シスターさんの上司が禿げているのは、確実にこの子がいるストレスのせいである。
極端な性格なだけあってか、謎の人気を獲得している。
そして作中チートキャラの一角。
前皇帝やらイーズ・アンくらいになると才能とか努力とかいう問題じゃなくて、『この世界の環境』レベル。火山が噴火したー、とか、台風がやってくるー、みたいな感じ。
荒川アンダーブリッジのシスターさんで想像されている方がいらっしゃったのですが、残念なことに作中で最も小柄で最も育っていない。色っぽさは皆無の人形チックな二十代半ば。
遺伝的には育つ余地があったんだけど、成長期が『皇国最悪の十年』の初期と被さって食糧事情が恐ろしく悪かったことが遠因で全然育たなかった。この子の過去は、基本的に昔の出来事でいいことがないこの作品の中でも屈指に最悪の環境。死んでもおかしくないというか、死ななきゃおかしいような状況を最も経験したうえで生き残った。
その過程で奇跡と認定されるほどの秘蹟を得たイーズ・アンを再現しようと教会が彼女の過去を参考に同様の環境を数度用意してみたが、実験対象となった村は例外なく全滅した。
『奇跡』の認定は「同じ条件が揃っても余人では同様の現象が起こせず、奇跡が宿った本人には恒常的に操れる」こと。それゆえに、イーズ・アンは聖人として認定するか正式に議論が始まった。
彼女がそもそも人間であるかどうかも含めた議論の末に行われた審判の結果「現状教会が持ちうるおおよその手段で殺害しえない」と判断された。ぶっちゃけただの処刑だったはずの試練をイーズ・アンが無傷で潜り抜けてしまった上に、普通の人間だと殺しようもなく、イーズ・アン的な他の狂信者が彼女を殺す理由もなかったので聖人判定。のちの『聖女』となる。
彼女の認定された奇跡は『神の泥』と名づけられた。詳細は不明。
現状でも最大限、常連シスターさんにデレてる。
レンに興味を示したように見える場面もあるが、別にレンがどうこうではなく常連シスターさんが連れて来た相手だからいいところを見せようと張り切っていたらしい。
彼女の認識において、この世界では人間はほとんど平坦な存在で、多少隆起が見える相手が聖職者か信徒、秘蹟使い。異教徒は世界に穴が開いているように見えるから、信仰で埋めなきゃとなるらしい。
顔と名前が彼女の認識に映る人間は、本当に数少ない。少なくとも、彼女がレンの名前を覚えることは永遠にない。本名を捨てて洗礼名を得れば、名前くらいは覚えてもらえる可能性がある。
そんなイーズ・アンだが、昔はただのイーズと洗礼名だけを名乗って父子で小さな村の教会を営む、ちょっと堅物でささやかな信仰心を宿す普通な修道女だった。
ただいま絶食期間、八年目に突入。
・ファーン
常連シスターさん。
自分のことはさておきレンの相談に乗ってくれる優しいお姉さん。ヒロインレース得票率で9%の69票。思った以上に人気だった。
自分のお仕事をこなしつつも、珍しく奴隷少女ちゃんが連休を取ったので、やや心配。ついでに叫びたいことがたまっている。
・勇者
ウィトン・バロウ
理想が昆虫の人。スイッチ理論は元から持っていたが、イーズ・アンとかと一緒にいたストレスでさらなる洗練を遂げた彼なりの処世術である。
まるで善人のような面をしつつ感情を消そうなどという発言、これは二十四時間が三十六時間になっている刺しビン待ったなしである……もるるぅ。
一日目、二日目は女剣士のサンドバックになっていた。こう、剣が首筋をすれすれにかすめていったらしい。三日目でイチキにボロボロにされつつ実家に帰ったら結果的に女剣士と仲直り(意味深)をして許されたかなと思ったら、四日目で妹のサンドバックになった。とばっちりサンドバックになったことで、そろそろ許された感じがする。
勇者パーティーは、ジョブ的には勇者、シスター、盗賊、騎士の四人だった。盗賊が一番まともだったよ。もちろん一番おかしいのはシスターだよ。
・アルテナ
女剣士。
近い将来、名実ともに女魔術師のお義姉ちゃんになる。
・ジーク
秘蹟使いのリーダー。
勇者の帰還と同時になんかパーティーがごたごたしそうな気配を感じていて、ちょっと不安だった。それは解消されたっぽいから、一安心。
・ディック
いつも通り、彼には彼の世界がある。
・ボルケーノ
アニキさん。
出番がない……
・ストック
教育の結果だいぶまともになってきてる。
・騎士さん
勇者の訓練を受けつつも、頑張ってる。さすがに昆虫が理想はおかしいと、普通に技術だけはしっかり学び中。
・十リンの女の子
仲直りして仲良くなった男の子に告白されておろおろしてる。
・錬金術師の青年
歳の離れた妹から恋愛相談されて古傷をえぐられつつも「恋愛はコミュニケーション!」とどっかで聞いた言葉をそのまま助言に使ってる。
・一隔世壺世隠一
読み方は『いっかくよこよかくいつ』。パッと見でなんとなく意味が分かって対称っぽい非対称というところにこだわった。中二病は文字の見た目も大事。大事!
イチキのオリジナル結界術。元ネタはない。しいて言えば蠱毒が近いけど、まったくの別物。
隔世と隠世の結界の合わせ技。
隔世は物理障壁結界。隠世は距離を構築して『小さな世界』を内包した結界。両方とも極小の立方体で大量に用意して、隔世結界を隠世結界に吸い込ませて素通りさせることを繰り返して運動エネルギーを得て、高速回転させる。
回転する立方体となった隔世結界で対象を削って、削った分を『小さな世界』である隠世結界に収納することで消失するかのような現象が起こしている。
もともと、人間の体内にある悪性なものを除去するためにとイチキが開発しようとした治療用の結界。ただ消失速度の制御が困難だったために完成が間に合わず、救いたかった兄を救えなかったまま、攻勢結界へと転用された。
イチキが人体に精通していることもあって、使い方次第でとてもグロイことになる。
・汝、勇猛たれ
聖句。
常連のシスターさんが唱えると『頑張って! 応援してる!』となる。戦意の高揚、筋力の向上、加護による防護でのダメージ軽減などの効果がある。
イーズ・アンが唱えると『恐れなく神の尖兵として戦い抜け』となる。意識の混濁、リミッター解除、痛覚や疲労の自覚がなくなるなどの効果がある。
・強さの目安
冒険者初心者:常連シスターさん
三流冒険者:レン
二流冒険者:狂化レン、ストック
一流冒険者:ミュリナ、女剣士、リーダー、弓使いの先輩、奴隷少女ちゃん
超一流冒険者:ウィトン・バロウ、ボルケーノ
人類最高峰:イチキ
人間やめてる、人間じゃない:ぜんこうてい、イーズ・アン、聖剣
イーズ・アンはぜんこうていに勝てないし、ぜんこうていは聖剣に完封されるし、聖剣はイーズ・アンには特に何の効果もない。極端になればなるほど相性の問題になってくる。
・設定の作り方
基本的に、この作者は書きながら自分で引っかかったところの辻褄合わせるためだけに設定を作る。だから日常描写が一番困ったことになる。
例えば今回は、女魔術師が当たり前のように魚の照り焼きを作っていたが、ここで読者様は疑問を覚えるだろう。少なくとも作者は思った。
Q.ふーん。その前の日は牛肉を煮込んでいたよね。次は魚かぁ。随分と食料が豊富なことで。ていうか、香辛料と調味料も揃ってるなぁ。そもそも女魔術師は最初料理する気がなかったわけでしょう? レンも女魔術師が作ってくれると思ったから夕食の材料を買い込むはずないわけだ。それで、もう夜だから市場とか閉まってるよね? 常識的に二十四時間営業なんてありえないし。どっから材料出てきたの? しかも鮮魚ってお前……。干物とかなら保存性も考えて百歩譲れるけど、鮮魚は腐りやすいんだから、いくら冬でも用意なく夕方以降に出てこないだろう……。
A.そうだ冷蔵庫を作ろう。
こうして作者の頭の中でこの世界に冷蔵庫という概念が生まれるための設定がつくられるのであった。
ダンジョンの恩恵さえあれば何でもできる。現実にはない不思議空間のダンジョンには、断熱性が異様に高い素材があるに違いないし、周辺を冷やす不思議な素材があるに違いないのだ!
こうして様々な効果を発揮する宝石を内包するクリスタルダンジョンが生まれ、女魔術師の遭難場所として選ばれた。物語にならない後付け設定とかただの粗大ゴミですからね。活用しないとね。
都市部はダンジョンの恩恵があるから冷蔵庫的なものが造れて、当然冷蔵という概念が生まれたのならば冷凍にも発展し、流通にも応用される。そうすると新鮮な食料が都市部の間で流通されることになる……! 冷蔵庫万歳! となる。
レン君レベルの家ですら置けるって、冷蔵のコストはどうなってんねん……。よっぽど冒険者が大量に発掘できる素材なんやろなぁ……。そもそも設定上、大人数を組めない冒険者でどうやってそんな大量に素材を発掘するんや……などなど疑問は尽きずに沸くから、モンスターを一掃した後には単純労働者がそこで採掘することにした。道中どうするって? 魔法でつなげればいいんだよ! イーズ・アン万歳!! あの子ならなにやってもおかしくないからなッ!!
これが後付け系作家の思考方法で、ちゃんとした人はそもそも文化の限度を事前に設定する。史実を元にした文化レベルに基づき風習を定め、主人公が住んでいる場所の地形も定めて季節感も考慮して、できることできないこと、ありえるものありえないものの線引きをはっきりさせる。
だから、ぽんと鮮魚を出したりせず、それが干物だったり、酢漬けだったりで文化の色となって作品としての味として昇華される。
ぶっちゃけ、魚どうこうだったら近所の人が川に釣りに行っておすそわけでもらいましたで済む話でもある。
都市部にだって川くらいあるさ。問題はそんなエピソードを前後に入れてないことだ。
・識字率
Q.田舎の村出身のレン君が当たり前のように本を読んでるよ。すごいね。識字率どうなってんの?
A.神秘領域の形成には人民の信仰心と共通認識が重要なので、各地の教会が聖典を読める程度の教育を超頑張ってます。
・宝石
文化のある場所に宝石あり。『宝石の国』は神作。
宝石は歴史。この世界観だったらダンジョンの中で宝石のダンジョンが生まれてもおかしくないと思わせるほど、史実でも業が深い。
ダイヤモンド市場の維持はマーケティングの極致。真珠養殖は日本が誇る一大功績。
採掘、加工、流通、販売、顧客の手に渡った後。どこをとっても混沌に満ちた面白い話でいっぱいである。
・クリスタルダンジョン
ダンジョン内にある、宝石思念が結晶化した洞窟。
表層は憧憬や好意などのきらびやかな感情の塊であることが多い。宝石の種類ごとに階層が分かれており、多様な恩恵がもたらされる。
深部に向かうごとに、分けられていた分類が混沌としていく。最深部に至っては欲望の渦と言ってもよく、宝石思念自体があからさまに人を殺しにかかってくるうえ、呪念を抱いた魔物が大量に徘徊している。
・料理
描写に野菜を出さないことを徹底した。旬じゃないとかあるからね、うん。玉ねぎはいいんだよ、玉ねぎは……。保存が利く品種も多いから……。






