【キャラ設定】
奴隷少女ちゃんに怒られたので番外編を書きます……あ、このページはいつもの読み飛ばしていいキャラ設定です。
せっかくなので頂いたファンアートや描いて頂いたイラストもまとめて置きます。
それはそれとして、GA文庫から著者作の『処刑少女の生きる道』8巻が発売されたよ! 書店で見かけたら手にとってね!
……アニメ化からもう一年。あまりにも早すぎて時の流れが怖い。
・レン
主人公。
読者の反発を生まない男主人公を目標としたキャラクター像。
嫌味な主人公にならなかったという点では、そこそこ成功したのだが……押しが弱い。ラブコメでこう、主人公が押し強くいかなきゃいけないところでうまく男気が出せないというか『なんか違う』ってなる。ヘタレになり過ぎた……? やはり主人公を書くのは難しい。
最終決戦ではレンが個人の実力で奴隷少女ちゃんの問題を解決するのではなく、あくまでみなさまの思いを届ける役となった。奴隷少女ちゃんが救われるという結果は覆しようもない(逆張りしても逆張り以上のものにならない)ので、ならば『どうやって?』というところで予想を外して読者様を巻き込む展開にした。といか、作中キャラクターを救うという点でファーンさんがあまりにも上手くやりすぎたので、奴隷少女ちゃんをレンがただ救うだけだと肩透かしになるのは確定的に明らかだった……!
その結果が作中設定と合わせて誕生した『読者の思いでできた聖剣』です。メタネタの使い道はギャグだけじゃないんだよ!! あとはせっかくのウェブ小説なのでウェブでしかできない手法を使ってみたかったのです。
それはそれとして、最後に奴隷少女ちゃんにしていたレンの振る舞いは彼女持ちが他の女の子にやっていいもんじゃねーよなぁ?
・名前の付いた少女(全肯定奴隷少女ちゃん)
主人公にしてヒロイン。
彼女のキャラが最初にできたことで作者の中でこの物語は始まりました。名前は番外編で明かします。本編を彼女の名前で締めるには、あまりにも『奴隷少女ちゃん』の存在が大きかった。
ヒロインとしての創作目標は、プラトニックヒロイン。えっちなのはいけないと思います!
クーデレとツンデレの差も難しくて、クーデレ書いてるつもりが「これ、ただのツンデレでは……?」となることがよくある。もしやクーデレってクールのままデレている状態であって、主人公に対してツンツンしちゃだめなのでは? つまり常連シスターさんに対するイーズ・アンがクーデレなのでは? ということに気が付いたのは終盤である。
皇帝という概念から解放されたこと、そのための尽力をしてくれた少年にちょっぴりドキドキして助けられた時のことを思い出して枕を抱きしめてジタバタしたりしているが、割と手遅れ感がある。
作者の力不足を承知で言い訳すると、思ったより構想が長くなったのでヒロインするターンが遅くなり過ぎた。
『全肯定奴隷少女』は終わらどころが三段階くらいあって、まず日刊ランキングに載らなければ『レンの全肯定』、もしくは『奴隷少女の全肯定』で区切りよく終了。そして書籍化しなかったら『ゆるしの全肯定』の後、十話以内に奴隷少女ちゃんの救済をして終わらせていた。たぶんその場合だと、この子がヒロインになっていた可能性が高かったりもする。
そんなこんなで彼女のヒロイン事情は、なろうタイトル風に例えるならば『何度も俺を振ってきたクール風ぽんこつヒロインが今更アタックしてきたが、すでに隣には俺にデレデレの愛する彼女ができているから、もう遅い』みたいな感じになってしまった。何様だよレン太郎。
事件後は、イチキ随伴でレンパーティーに入って冒険を満喫している。『玉音』は失ったが、全肯定少女としてのお仕事も趣味で続けている。番外編での三人目はこの子かイーズ・アンかで感想欄が割れていたけど、この子ですということを明記しておきます。
……えッ、そんな! ここから入れるラブコメ保険が!?
公式表紙奴隷少女ちゃん
ショウリュウ様@kaikaiseisei888より頂いたファンアート。
・ミュリナ
ヒロインにして勝ちヒロイン!
ヒロインとしての創作目標は、えっちなラブコメヒロイン。
だいたい少年漫画のヒロインを参考にしている。ラッキースケベとかはほぼほぼ起こさなかったけど、自ら積極的なえっちな雰囲気に持ち込んでいる。恋する乙女は強いなぁと実感した。
実を言うと途中まで正ヒロインは普通に奴隷少女ちゃんだよなと思って当たり前のように負けヒロインの立ち位置だったんだけど、書いているうちにこれはミュリナでしょとなった。レンはもちろんのこと、作者がミュリナの積極性に屈して負けた。
自意識の強い子を書くの大好き。一回キャラの心を折ってから自意識を再構成させる覚醒シーンが好きで小説書いているといっても過言ではないので、ミュリナの失恋シーンとかノリノリで書いてた。そして恋愛覚醒してレンに迫るシーンを何度か書いているうちに「私、もしかしたらエロ小説書けるのでは……?」と作者に思わせしめたヒロインである。
ちなみに作者の手元にはその時の勢いで書いた自作のレンミュリナ初夜エロ小説がある。これ書いたせいでミュリナが正ヒロインになったまである……公開? 嫌ですよ恥ずかしい。石油王から出資されても公開しませんね。
私の心の強さを証明したいので、誰か石油王からの出資でアニメ化取り付けてみてくださいよ。
その時は、喜んで公開することをお約束します!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
……冗談はさておき、レンとミュリナの初夜っクスはそのうち公開すると思います。有料で。有料……権利関係でダメな気がしてきた。できなかったらごめんね?
ショウリュウ様@kaikaiseisei888より頂いたファンアート。
雀鷲ちゅん様@j_vopok_dolから頂いたファンアート。
この二人はもちん、書籍に載っている公式ミュリナも可愛い。特に最後のイラストめちゃくちゃきゃわわ。
・イチキ
チート一歩手前の万能少女。
ヒロインとしての創作目標は、官能的ヒロイン。
ミュリナのアタックが少年誌だったら、イチキの誘惑の仕方は青年誌なのだろう……18禁ではないはず。ないよね?
物語的な勝ちヒロインはミュリナなんだけど、リアルだと十年後くらいには最終的にレンとくっついてそうな怖い雰囲気がある。しかもミュリナとは仲がいいままに。お手紙を手渡しするだけで真っ赤になっていたぴゅあっぴゅあなイチキはもうどこにもいないんですね……。
初期の構成だと、イチキはほんとーにレンと絡む予定がなかった。イチキ編がないまま最後の章をやって御終い、という流れだったので、オユンは当然リンリーやスノウとかも存在しなかった。あそこらへんのタイミングで書籍化が決まったのでテンションが上がってヒロインに昇格した子。イチキ編が好きな人は書籍化を崇めよ。凪白みと先生のイチキイラストかわいい!
書いてるうちに設定全般が一番変わったキャラでもある。もともとはダンジョンで生まれた魔物と人間との間で生まれた少女という、いわゆる半妖設定だったりする。跡形もない。本気戦闘の時に角が生えていたりした設定があったこともあった。本当に跡形もない。
イーズ・アンに負け越してしまったので、誰かと戦って勝つという場面が少なくなってしまった。というかイーズ・アン以外とはほとんど勝負にならないほど隔絶しているので、遭遇した瞬間に勝利しているみたいな感じになっている。
イチキは能力的に概念的な領域にいるので、彼女の設定シーンは現象としての描写じゃなくて設定をつらつら並び立てることになりがち。魔術理論をつらつらと描きまくるのは作者的には楽しいのだけど、ああいうのは大体読み飛ばされるものだということを前提に書いている。いや、読み込んでくれる人は読み込んでくれるってわかってるけど、ほんとは良くないんですよね。特に最終決戦の魔術戦など、ほぼただの設定開陳である。作者は楽しいから別にいいのだ。
異世界もので多神教の実在する神の名前や宗派を明記すると微妙に世界観が歪むので、塩梅が難しい。異世界で一神教をキ●スト教と言わないのと同じで、異世界の多神教で仏教と同じ神様の名前があるのはおかしいのだが、正直、いちいち多神教でオリジナル神様の名前つくって並べても魔術設定の根拠にするのも、地に足がつかない感覚がするのでいかんともしがたい。
ヒロインとしての性格はミュリナとは正反対で、嫉妬とか独占欲というものをまるで見せなかった。それでいながら愛と懐の深さと、どろどろした部分が強い。あと多分、イチキはミュリナことレンと同じくらい大好きなんだと思う。ミュリナと会う前にレンと出会っていたらまた違う展開が繰り広げられたのかもしれない。
・リンリー
あざと媚び媚びロリっ子。
私ロリコンじゃないのでロリの可愛さがよくわからないというか、子供的なかわいさじゃない萌ロリをうまく書ける自信がなかったので個人的には実験キャラだったりする。
言うまでもなく『メスガキ』やら『わからせ』要素をラノベに落しこんだロリキャラ。調子に乗らせて突き落とすのが楽しくて楽しくて、調子に乗らせて突き落としまくった。自分がかわいいことに自覚的なあざとい子はとても好きなので、そういう意味では媚び媚びしている描写は書いててとても楽しかったりする。
イチキ編同様、書籍化しなければというか凪白みと先生がイラストレーターになってなければ狐ケモ耳ケモ尻尾ロリっ子なんてあざとさの塊のキャラは書かなかったと思うのでリンリー好きな人は凪白みと先生を崇めよ。
だって作者が異種族に感じるロマンは造形の魅力、人種差から来る文化差異や差別感情などから発生する人間ドラマなので、ケモ耳スキーはいまいちピンとこない。
ピンと来ないので、読者様は ぼし様@bo_si_18 に描いて頂いたケモ耳リンリー(追い詰められてハイライトが消えている状態)を見てご自分の嗜好を確認してください。
・タータ
資本主義に餌付けされている修道女。
上手く書けたリンリーに味をしめて生真面目ロリっ子を書きたかったのだが、キャラをちゃんとつかんだとはいいがたいのが残念。あんまりロリ感ないよね……キャラづけの仕方がまだまだ未熟で申し訳ない。リンリーと仲良くきゃっきゃしているところや、生真面目な信仰と俗な欲求に揺れる辺りを書くのは楽しかった。たぶんこの子のキャラ性は真面目っ子なところではなく、俗な欲求によだれを垂らすようになってからだったのだと思う。
地頭がよくて実はリンリーレベルに非凡な子なのだが、秘蹟使いに向いた才能ではない。完全なる魔術師向き。でも、教会の教えで育った彼女が魔術師に転向することはないので、ちょっと出来のいい子止まりで一生を終えると思われる。才能なんてそんなものである。
それでも努力に見合う成果により教会で頭角を現して世界各地を旅するようになることは間違いない。そのうちに宣教師にでもなって、リンリーに東方の案内をさせて一緒に旅をするのかもしれない。
・イーズ・アン
狂信者キャラ。
私が戦闘ものファンタジー書く時は宗教組織が物理的につよつよになる傾向が多いので狂信者キャラは結構書くんだけど、この子みたいな狂信タイプは初めて書いた。発狂しない盲信を強く見せるという点では成功した。まったく関係ないけど商業作家になって以来、『狂』の文字を避けるようになってるから狂信者って使えなく微妙につらい。
この子の救済のため、最終決戦で一番文字数を食った。ミュリナとスノウで7500字、レンと奴隷少女ちゃんが1万字、イーズ・アンは3万字を超えている。もー! 手間かけさせおって、もー!
一連の事件を経て、ものすごく弱くなった。物語序盤ではイチキを圧倒していた彼女も、物語の結末の後ではイチキと互角程度の秘蹟使いになることができた。つまり、ぎりぎり人間の範疇。世界トップ10から世界トップ100くらいにまで格下げである。
原典派閥であることは変わらないものの、回帰派と原理主義からは脱却。彼女を聖人たらしめていた『神の泥』の秘蹟も失ったため、聖人指定を取り消すべきか否かの議論が交わされている。そのうち洗礼名の『イーズ』だけを名乗るようになるかもしれないが、いまの彼女にとってはどうでもいいことである。
彼女がこの街に赴任した采配に関しては教皇の指示。教皇はイーズ・アンが砂と崩れるところまでは視えていたが、その後は彼の予見の範囲外だった。
ちなみに彼女の宗教論理はユダヤキリストイスラムゾロアスター全部混ぜ合わせの作者が都合よく改変している聞きかじりですので、あしからず。魔術設定と同じで宗教論議つらつら書くのは楽しい。
冷静に考えてこの子の問題解決にレン君が貢献できることなど皆無なので、ほぼほぼ常連シスターが担当した。というかイーズ・アンは最初から最後まで徹頭徹尾ファーンさん預かりじゃい!
絶食もやめ、三食規則正しく摂取するようになったし、特に描写もしてなかったんですが八年ぶりに睡眠をとることもできるようになった。物腰も心なしか柔らかくなり、聖職者以外の人間の顔と名前も覚え始め、とっつきやすくなった気がしなくもないが違いが分かる人間はかなり少ない。
とあるシスターが「笑うとびっくりするくらい無邪気でかわいい」と主張しているものの、表情だけは依然変わらず誰がどう見ても揺るがぬ無表情のままなので、その訴えは一笑に付されている。
好きなものは、後輩と一緒に食べるホットケーキ。
ぼし@bo_si_18様に書いて頂いたイーズ・アン。
おねすと様@onest15より頂いたファンアート。
・ファーン
常識人お姉さんポジ。
最終決戦でファーンさんとイーズ・アンのくだりを書いてて作者はこう思いました。「あ、レンが作中でこの人超えるの無理だわ」と。
常連シスターさんにして、なんだかんだでレン君と双璧を成すような人たらし。ちなみにレン、奴隷少女ちゃんに続き、一話目で登場した数少ないキャラでもある。書籍化にちゃんとファーンさんのイラスト(カラー)あるぞい!
キャラとして特徴付けしていないわりには、最初から最後まで常識人のお姉さんとしてどんどん存在感は大きくなった。成長するまでもなく地に足ついている人なので、一番キャラブレせず、最初と最後で変化しているところがほぼほぼないという完成具合である。頼れるおねーさんキャラとして、いい塩梅に書けた満足しています。
聖人を人間に戻した修道女にして、前皇帝をこの世界に引き留めたお姉さん。
先天の秘蹟と後天の秘蹟、純粋な奇跡に近い秘蹟の二大頂点を救って人の世にとどめてみせた女性は史上で後にも先にもこの人だけで聖母かなみたいな感じだが、歴史には残らないし本人も別に大したことしてないと思っているので気にもしてない。結局レンはこの人を超えられなかったし、実は主人公よりもよっぽど世界を救っている疑惑もある。
日々愚痴を言いながらも教会勤めは続けている。とっくに新米を脱した年下冒険者の男の子との雑談で「先輩は笑うとびっくりするくらい無邪気でかわいい」という主張をし「まっさかぁ!」と笑われたのでほっぺたをつねってイジメてながら仲良くしていたら、なぜか突然割り込んできた先輩シスターがその少年の襟首をひっつかんで懺悔室まで連行していった。
好きな時間は、先輩と一緒に紅茶を飲むひと時。






