【ここまでの設定らしきもの】
明日の更新から最終章始動なので、ここまでの設定らしきものを置いておきます。
本編を読む際に影響はないので、読まなくても大丈夫です。
・レン
過去編にお前の席ねーから状態。主人公なのに。主人公なのに!
宣言通り、過去編に入るまでの現行時系列で本当にラブコメしかしていなかった。でもしかたない。過去編時系列のレンは、本気で特に何もしていなかったただの子供だったので、奴隷少女ちゃんの話に入れる余地が一片もなかった。
これから頑張れレンの助。最終章で、お前が主人公だということを読者さまにわからせろ! ……か、勘違いしないでよね! フラグじゃないんだから!
・奴隷少女ちゃん
名前のない女の子。
今作の主人公にしてヒロイン。ぼちぼち、ヒロインとしての転換点が来るのか……来ないのか……たぶん、来るはず……! 次が最終章だぞ! ヒロインしなかったらただの主人公だぞ!?
前述していたとおり、この子の過去編は大概暗い上に誰一人として幸せにならない話なので、さくっと短めに終わらせたかった。
暗いだけの過去編ではあるけど、物語上、奴隷少女ちゃんを人にして、全肯定奴隷少女にするためには避けては通れないというジレンマ。
実は過去編では奴隷少女ちゃんたちを中核にしたストリートチルドレン集団結成で海外マフィアとのドンパチみたいな構想もあったけど、思いのほか長くなりそうでお蔵入り。その内容だと、ただのイチキ無双にしかならんぞ。
・ミュリナ・バロウ
ヒロイン。
親友のイチキがライバルヒロインになったことで熱を出したりもしたけど、今日も彼女は元気です。
ミュリナの過去編はミュリナの章で終わっているので、特別語ることもなかった。
現行時系列ではいろいろと経験と失敗を経て、一時よりラブコメの攻勢が落ちついてきた。慌てずさわがず、腰を据えてるなぁという感じ。ミュリナが無理に詰めてこないので、レンも引く必要性がなくて関係性が自然になっている。
ミュリナは相手に逃げることを忘れさせる術を覚えた。
あとは気がつかれないうちに包囲殲滅するだけである。
・イチキ
ヒロイン。
ミュリナがガンガン攻めるタイプならば、イチキはぐいぐい引き寄せるタイプ。愛するより愛されたい。相手の足元を泥沼にすることに、割と躊躇がないタイプ。
奴隷少女ちゃんと初対面時の幼いイチキは、性格にちょっとだけリンリーの姉でオユンの妹だなぁという部分が垣間見える。自尊心が高いのは血筋なのでしょう。
過去編では十歳になるかならないかなのに、この時点ですでに万能かつ勇者パーティーとバチバチやりあっている。天才というにもおかしいレベルであることは間違いない。
・リンリー
ヒロイン……というには、まだちょっと子供。作者ロリコンじゃないからね。ホントだよ。
十一歳という幼さでありながら、国一番のアカデミーを飛び級卒業するほど優秀なミュリナとばちばちやれてる! 明らかに天才! 疑いようもない麒麟児! でも放っておいたら十五で秀才、二十歳過ぎたらただの人になりかねないぞ! 頑張れリンリー!
ミュリナに負けて以来、イチキから修験僧の荒行を課せられている。魔術の性質としてはリンリーの才能とこの上なく合致しているのだが、リンリーの気質からすると水と油な修業なのでとても辛い。
ラブコメブレイカーとしてとても優秀なあざと子狐。
・ファーン
過去編でも今と変わらず、特別な力など持っていない普通の人。常連のシスターさんになる前の若い頃のファーンさん。……いまでも十分お若いです!
市長さんの娘といういいところのお嬢さんだったが、勘当されて以来、実家にはまったく顔を出していない。家族の縁は切られたはずなのだが、ファーンが修道女になって以来、市長個人から教会への寄付金が明らかに増えているのを知っている。そこらへんは複雑な心中を抱えつつ、見て見ぬふりをしている。
この人いなかったらイーズ・アンは原理主義テロリスト真っ直線であり、全肯定奴隷少女ちゃんに至っては存在しなかった疑惑がある。
レン君が主人公として存在感を示すにはファーンさんを超えないといけない気がするのだが、レン君この人の功績に勝てるの……?
・イーズ・アン
過去編では修道女イーズだった、アンという名前の少女。
聖人になってから延々とぶれないポジションにい続ける、皇帝絶許ウーマン。彼女は皇帝のやったことを許していないのではない。死生観の神秘領域に死後の国などというものを打ち立てている皇国主義の象徴を原典主義者が許せるはずがなく、彼女が聖人である限りただひたすらに皇帝の存在そのものを許容できないのである。
過去編だと終始被害者のポジションだけど、この都市に来る前には清貧の強要で修道院を一つ丸ごと餓死させかけている。被害者とはいったい……この世界の聖人には、人の心がわからぬのでしょう。
超強いので敵にいたら不安だし、超強いのに味方にいても不安といういい塩梅のチートキャラである。
・スノウ・アルト
彼女は彼女なりにいろいろ考えようとしているのだが、結果として『なにも考えないで陛下に仕えよ!』という結論に至る。
ちなみに彼女は個人として敗北することは都度あるが、彼女の属している組織が負けたことはない。無意識だが、沈む船からは必ず乗り換えているのも彼女の第六感の一部であり、イーズ・アン曰く『悪星の元に生まれた』と評される一端でもある。
・ボルケーノ
社会の最下層から、腕っぷしだけのし上がった男。
過去編では、一番立場が複雑だったであろうお人。彼の立場をもうちょっとうまく書けたらなァとは思っている。
・ウィトン
別に利用されたとかではなくて、本当に真実を知る者がほとんどいなかったし、本当に悪政で国が疲弊していた。
だから彼は、まぎれもない救国の勇者である。
・おにいちゃん
アニキは死んだ、もういない。だけど背中にこの胸に(以下略
ボーイソプラノの少年。この子の話を掘り下げると、ただでさえ暗いだけの過去編がカタルシスゼロのスーパーウルトラ暗黒面に陥る上に超絶長くなるので深く語るのはやめた。
一つだけ本編で語られなかった設定を告げると『声が甲高くて気味が悪いからという理由で、親に1000リンで売られた』少年。そのことについて、彼は最後まで妹たちに話すことはしなかった。
・教皇
西方教会の教典にて最も真摯にして共感される有名な一文『世界人類が平和でありますように、光あれ』という一文から生まれた、客観の聖人。
この理念を達成するか、己の信仰を打ち捨てるまで彼は現世から消え去れない。
信仰を否定もできず、理念を達することもできず、人類が滅ぶまで聖人の死にぞこないとして現世にとどまり続けることになる。
●設定メモ
・ダキニ天保
某FG○のほにゃらら院さんの流派と同系統。ちょっと調べるとわかるが、マイナー流派。狐由来で神格を調べて行くと稲荷神からダキニ天にたどり着く。
マイナーにはマイナーの良さがある。
名前がカッコいいマイナーは正義。小説に置いて語呂と字面の良さは、イラストにおける顔の良さに通じるものがある。ダキニ天保は、たぶん名前のカッコよさだけで歴史に残ったと思う。濁点ありのカタカナと漢字交じりでパッと見で邪道感があるの好き。
同人誌に便利すぎて陰陽的な意味での房中術な方面で有名だけど、そこら辺はえっちなことに厳しいイチキが再編の際にざっくり削ったのでリンリーが修行しているのはとても健全で厳しい修験僧じみた訓練のみである。
・転輪王優曇華
『三千年に一度だけ咲く優曇華の花が開く時、転輪王が降臨する』という伝承に基づいた魔術。
転輪王は地上を法で統治し、王に求められるすべての条件を備えるという概念的な存在。降臨するだけで四方を制圧すると言われている、なんかとにかくすごい存在である。
転輪王の降臨は隠しようもないイーズ・アンぶち切れ案件だしそもそも幼少のイチキでは不可能な領域なので、結界としてのみの機能を抽出して作用させた術。
『優曇華の花』という存在については伝説上の花、実在の花、昆虫の卵と花のつぼみの取り違えなど、同じ名称でもいくつか種類がある。
優曇華に詳しい人というのは仏陀経由のインド神話見識者か、東方ウサギほいほいにひっかかった人である。え? もう東方ウサギホイホイ自体が死語だって? えぇ……悲しい。
・清華
清華は設定上、アジア似の諸国を始祖『天帝』がまるっと平定して統一した超々巨大国家なので、中華的インド的日本的その他多種多様な民族文化が乱立している。……そんな国土を人類が三百年も運営できるわけないだろいい加減にしろ!
どうでもいいけど、イチキは日本名で、オユンがモンゴル名、リンリーは中国名である。魔術設定では最近、インド方面を掘り出し中。アジアの宗派を追うと、結構な確率でシルクロードにたどり着くからすごい。なんならヨーロッパの宗教もシルクロードには届いているからすごい。なにがすごいって、大陸を鍋にして宗教を混ぜてる感がすごい。
大陸宗教のごった煮感を見るに、神道って本当に日本の宗教なんだなと感じるしだいである。古事記にもそう書いてある。
・『皇国よ、永遠なれ』
魂魄武器はオタクの基礎教養、心象風景の具現化は中二病の必修単位。
玉音の真価にして、皇国の歴史の結晶。ハーバリア皇国歴代の王と臣民臣下のすべてがたどり着く場所である。
神秘領域を土台に形成された永遠の国家にして、生死の概念のない完全な無欠世界。他のすべてから隔絶された異界であり、ある種、出入り口が存在しないダンジョンであると言ってもいい。
そこにいる人々が当時の彼らを模したナニカなのか、本当に死後の霊魂がたどり着いたものなのか、それは不明である。
あらゆる概念から独立した神秘領域そのものなので、現世で使用できる秘蹟、魔術、そのほか概念領域を利用した技術はほぼ行使できない。ここに取り込まれると、イチキやイーズ・アンでもほとんど何も抵抗ができない。イーズ・アンの場合は体に『神の泥』を秘めているので死にはしないが、本当に死にはしないだけ。脱出は不可。
ただ、聖剣はハーバリア皇国の民が皇国打倒を願ってできた産物なので、ただそこにあるだけで常世の国を打ち破れる。本来ならば、この常世の国を破壊するために聖剣があった。
歴代皇帝の治世の数だけ常世の国は存在する。
ユーラシアート・ハーバリア四世になりすました皇帝の皇国も当然ある。
彼女の治世のために尽くした臣下は数多くとも、彼女が心をかわした臣下は一人だけだった。
ゆえに皇国最後の臣下臣民足りえるのは、伝令官ただ一人。
彼女の国には民も、騎士も、玉座もなく、絞首台にぶら下がる死体が一つ、さらされ続けるだけである。






