15歳の私と黒の侯爵家 2
完結するまで、コツコツ手直ししながら一歩進んで二歩下がり編集しながら投稿してます。2017.11.9
ーーーエステニアーーー
天地創造神、
女神エステニアが守護し、
人と魔法が共存する世界であり、
精霊と魔脈の恩恵により構築されし世界である。
女神エステニアは
人に大地を、、、
魔獣には魔脈地を敢え、、、
世界に秩序をもたらす。
本当にWeb小説のような夢だな・・・
ココはエステニアと言う世界らしい、
魔法があるんだ・・・へー、
「Webしょうせつってなぁに?」
ぅえっ!?
私の呟きに反応した弟くんに・・・
私の言葉も通じたと、(ビビリマシタ)
弟くんよ、いつ飲んだ、、、
あぁ、エステニアのくだりの時に、
お兄さん用と、用意されたのを奪ってましたね、、、
同じコップのお水を兄弟仲良くすすってました、、、
「申し訳ありません、
お嬢様の言葉がわからない、
と伺いましたので、
お飲み物へ翻訳薬を含ませた物を、
お出し致しました」
どうやら、
この国では他国との交渉時なんかで、
言葉の壁にぶつかる前に、
お互いにお薬を飲みかわして、
対話がスムーズになるように
しているようだ。
お互い、同じ液体から摂取する事で、
薬に含まれる成分と、
個人の持つ魔力同士?が反応して
体内で脳を刺激するとかで、
翻訳の作用を引き起こすとか?
そんなお薬があるなんてありがたいです。
「お体の心配はされなくても大丈夫ですよ。
効果は小一時間ほどの物を使用しましたから。
しかし何分。
当家に突如現れたお方という事でしたので、、、
そろそろお嬢様の事をお伺いしたいしたいのですが、、、よろしいですかな?
緊張は溶けてきましたでしょうか?」
と、エドワルドさん・・・
ニコニコされながら。
お嬢様は、
どのようにして
このお屋敷へ入られたのですか?
ご出身は何処でしょう?
旦那様と面識はおありですか?
次から次へと
ぐいぐい、間合いを詰めてきて、、、
エドワルドさん、、、
、、、怖いです。
先ほどまでの、紳士な対応が嘘のようです・・・
「っおと、失礼致しました。
当家の旦那様は高位の魔術師様でして、
たびたび召喚やら、魔法呪術の構築実験なる物を行って、
問題を起こしてくださる方なのです。
旦那様が今度はお嬢様のような幼い方を、
どこからか?
お連れしてしまったのかと、
心配のあまり、、、」
オロオロと、今度はエドワルドさんが慌ててしまった。
ここの、ご主人には前科があるようです、、、
誘拐犯になってしまわれたのかと?
エドワルドさんは心配しているんですね。
誘拐、、、
同じような状況だと思います。
まだ確証はないけれど、
状況的に間違いなく犯人は、
ご主人ですよ!
心のなかで、ツッコミ過ぎて疲れてきた、、、
「ねぇねぇ、おねぇーさんのお名前は、
何て言うんですか?」
気まずい中、
弟くんが声をかけてくれました。
ありがとう!
「エルデン!?
、、、お姉さんが驚いてる。
ボク達が、、先に挨拶しよう?
ボクはリンデル。
リンデル・ブロウ。
こっちは弟のエルデン。
ボクは5歳で、エルデンは3歳」
天使くん兄が、
自己紹介をしてくれました。
幼児らしい、タドタドした口調ではなく、
面倒くさそうな、不審者を見る目で、
”アンタ、怪しいんですけど?うちになんの様?”
って、感じでめっちゃ警戒してます・・・
パープルブルーの綺麗な瞳が、
気怠げでなんか残念です、、、;
どこか疲れている様な?
目元のクマが気になるけれど、、、聞きにくいわぁ・・・
子供らしい笑顔を見せていただきたいです、、、
いや、私も自分が怪しいって十分わかってますよ!?
でも、そんな目されると居たたまれない;
でも、リンデル君とエルデン君は兄弟なんだ。
思った通りで良かった、、、
同じ黒髪でも、
ストレートな髪質に光沢のある
さらさらヘアを一つに纏め、背中へ流しているリンデル君。
幼児特有の柔らかな髪質でストレートだ。
弟のエルデンは、
よく動き回るのか?少しはねている。
まだまだ、甘えたい盛りの
人懐っこさを感じる。
エルデン君の笑顔が本当に天使のようだ、、、
リンデル君も笑ってくれれば良いのに・・・
「そう、ボクが弟のエルデンだよ〜。
おねぇーさん、ボク達は天使じゃなくて、に・ん・げ・ん、だよ!」
そう言って、クスクス笑うエルデンに、
独り言が漏れていることに
気づきました。
恥ずかい、、、
「あの、えーと、挨拶が遅くなってしまって、ごめなさい。
私、、、すずです。
名をスズ、性をアサギリと言います。
地球の、、、日本というところから
やってきました。一般庶民で、15歳です。 なんで、こちらの、お宅に来てしまったのか、わかりません、、、
突然、目の前に魔法陣のようなものが
現れたと思ったら、
このお屋敷のお部屋に居たので、、、
帰りたいです、、、っ、、、
私、帰れるんでしょうか?
ご主人はどちらに
いらっしゃるんですか?」
なんでここにいるんだろっ、、、
わからない?
帰れるのかな?
自分の事を話し始めたら、
不安が止まらい。
「っふ、、、、っぅく」
帰りたい、
口に出しただけで、
また涙が出て来てしまった、、、
これは夢だ!
そうに決まってる!?
って、思いたいのに、
早く目覚めて、
いつもどおり授業に集中しなくちゃ、
って、思うのに、、、
手遊びしていた時の、
エルデンの手の温かさ、
飲み口の良い翻訳薬が、
夢でないことを物語っていて、、、
不安で、不安で、
涙が止まらない、、、
これから、私どうなっちゃうのかな?
本当に異世界に来ちゃったの!?
・・・お母さんっ、、、
不安に胸が押しつぶされる、、、怖い。
ただ、ただ、わからないと、
泣いている私に、
「泣かないで?おねぇさん、、、
きっと帰れるから!」
小さな手が、
私の頭を撫でながら、慰めてくれる
優しい声と、眼差しに、、、
3歳児の彼の優しさに素直に甘え、
気がすむまで泣かせてもらいました。