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真祖の生まれ変わり?  作者: 八咫烏
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8.誰だよバラしたの!

読みにくいところなどかあればアドバイスなどよろしくお願いします。

訓練を始めた日から一週間ほどたった。魔力操作などはもうだいぶできる、先日身体強化も教えてもらった。そのときに知って大変驚いた事なんだが、なんと無属性魔法…身体強化くらいしか魔法がないという。


なんでも属性とは付いているが魔力操作の延長でしかないらしく、できる事は身体強化や魔力弾を撃つ事くらいらしい。


クラスには無属性しか持っていない奴はいなかったらしいので良かったが、そんな奴がいたら可哀想すぎる。


…融合する前は無属性だけだった事は実に恐ろしい記憶だ。


話を戻そう、取り敢えず俺を含めクラスの皆も基本的な事はできるようになり、自分の力をほとんど使いこなせるようになった。


召喚された時よりも落ち着いてきたという事で明日、この間は纏まらなかったこれからの事についての話し合いがある。


そしてその話し合いの前に弘樹と三島、霧島に俺の秘密を話す事に決めた。もうそろそろ俺の部屋に来る頃だろう。










扉が開いて3人が入ってくる、少し緊張してきた。実はこの3人に受け入れられるかものすごい不安だ、ただこれから一緒に冒険する仲間にあまり嘘はつきたくないからな。これでもし受け入れられなければその時はその時だ。


「よう弘樹、大事な話てなんや?恋の相談か?」


そんな事ではないと言うのは分かっているだろうに…弘樹らしい。


「まぁ、取り敢えず座ってくれ。」


3人に椅子に座ってもらう、俺はベッドに腰掛けている。


「それで話ってなんなの?」


三島が聞いてくる、1度深く深呼吸をしてゆっくりと話しだす。


「俺は実は吸血鬼なんだ。」


「「「は?」」」


ミスった…。もう少し何か前置き入れて話せよ俺。急にこんな事言われたら誰も理解できねーよ。


「悪い、もう少しちゃんと説明する。俺は地球にいる時から吸血鬼なんだ…。」


「透くん、それさっきの説明とほとんど一緒だよ。」


「…いや、こんなはずじゃ無かったんだが。何も説明が出てこない…、考え方を変えよう。俺が吸血鬼と聞いて質問はあるか?」


いや、本当にこんなはずじゃ無かった。もっとスマートに綺麗に説明して、弘樹達がどう思うかをじっくりと聞くつもりだったのだが、これでは説明からして駄目じゃないか。


「あー、吸血鬼…か、俺のイメージじゃ吸血鬼ってのは悪い奴なんやけど、吸血鬼ってどんな生き物なん?実際。」


「うちのイメージもそんな感じやわ。」


「き、吸血鬼ってあ、あれだよね⁉︎血吸う人!私はかっこいいと思うな!あーゆーの。」


なんか桐島さんのフォローがすごい…血を吸うのがかっこいいってなんだよ、照れるじゃねえか。


「吸血鬼ってのは…。」




それから俺はみんなに吸血鬼っていうものがどういうものなのかを説明した。質問があればその度に答えて…全部を聞き終わった後みんなは。


「ほーん、なら吸血鬼って言うても、透は全然ええやつやっちゅう事やな。せやたら俺は何も言うことあらへん。」


「それよりも吸血鬼ってハンパないわ、もう不死身やんそんなん。」


「凄いな〜、透くんておじいさんなんだね。」


グフッ!おじいさん…確かに、確かにそうだが随分と心にくる言葉を…。


「葵…かげっちえらいダメージ受けてんで、そんな事言うたらあかんやん…おじいさんとか。」


「ぷっ、笑かすなや咲、透が…透がおじいさんとか、腹痛なるて。」


「お前ら…。」


こいつら俺の事を馬鹿にしてきやがる、でも俺が吸血鬼って事を聞いてもいつもと変わらない接し方でいてくれる。その事が…とても嬉しい。


「お前らありがとう、俺を受け入れてくれて。」


「そんなんで受け入れへんなんてことないわ。」


「そうやで。」


「そーだよ。」


本当に良かった…、こいつらの事は何があっても守ろう。


















「じゃあ今からこれからのことについての話し合いを始めたいと思う。俺からの意見だが、みんなで一緒にダンジョンを一つ一つ確実に攻略して行くのが一番無難で一番有効だと思う。どうだろか?」


委員長こと草薙の意見にクラスの多くは賛成のようだ、ただ貫田の元々つるんでいた奴や、異世界に来てから貫田の真の勇者の肩書きに惹かれたのか貫田に取り入っている奴らは、草薙の意見には賛成ではないようだ。


他にも非戦闘系の人も少し困った顔をしている。


「草薙、ちょっとええか?」


弘樹が草薙に意見する、おそらく非戦闘系についてのことだろう。


「あぁ、意見があるならどんどん言ってくれ。」


「ほな、非戦闘系の俺らはやねんけど、皆と行くのは厳しいのがあるから何人かを俺らにつけてほしいねん。俺らは近くのダンジョン…魔王のダンジョンでも違うダンジョンでもええねんけど、そこで色々出来ることを試しながらレベル上げとかをしときたいから。なんかサポート出来ることが発見できたりしたら皆と攻略出来るようになるかもしれへんし。」


「分かった、誰か非戦闘系の人達についてくれる人はいないか?なら、取り敢えずその四人でいいか?よし、決まりだな。」


草薙がついてくれる人を聞いたときに立候補したのは、俺と三島に桐島、あと朝霧さんともう1人。


それにしても朝霧さんがついてくれるのは意外だったな、おそらく何か考えがあってのことだろう。あっ、目があった、こちらを見て軽く微笑んでくる、凄い絵になる微笑みだな。惚れてしまいそうになるからやめてほしい。



「俺らはお前らとなんか行かねえぞ!」


話がまとまりかけていたと思ったら突然貫田が大きな声でそう言った、取り巻きたちもウンウンと頷いている。


「どういうことだい?貫田君。」


「だから俺らはお前らとダンジョン攻略なんかしないって言ってんだよ!俺の言うことが聞けねぇ雑魚どもなんかと一緒に攻略なんて考えるだけでヘドが出る!」


「君が真の勇者だと言うならなおさら僕たちと一緒に行くべきじゃないか!」


「ハッ、馬鹿じゃねえの。あぁ女子ども、お前らが俺の女になるなら無条件で連れてってやるがどうする?」


貫田がそんなことを言うが誰もついて行く奴なんかいない、当たり前だろう。


「ケッ、誰もいねえのかよあとで後悔することになるぞ!」


「貫田!もういい分かった!なら君たちとは別行動だ!」


「最初っからそう言ってんだろうがカス。」


こうして俺たちのクラスは2つに分裂した。貫田を含む6人の男女と他のクラスメイト34人に。












「ほな非戦闘系作戦会を始めるで!」


なんだよ非戦闘系作戦会って…。


俺たちは今非戦闘系の人達とその付き添いのメンバーで集まっている。クラスの方針とは別にこちらでもある程度の方針を決めておこうというものだ。それに弘樹たちはどうか分からないが俺に関しては喋ったことすらない人もいるから、自己紹介なんかも兼ねている。


「取り敢えず知ってる人もいるかもしれんけど自己紹介から始めよか、俺は山本弘樹や。これからもよろしゅう。」


「うちは三島咲、皆でがんばろな。」


「桐島葵です、よろしく。」


「朝霧楓だ、よろしく頼む。」


「影山透だ、よろしく。」


ここまではみんな知っている、ただここからの人については名前くらいしか知らない。


「えと、川口美里です、よろしく。」


「芝陽大、よろしく。」


「ぼ、僕、木場正人です、よろしく。」


この3人は地球でも会話したことがない、これから頑張って話せるようになろう。


「よし、自己紹介終わったな。なら皆のこともいろいろ聞きつつこれからについて考えよか。」



そこから皆のステータスや、ユニークスキルなどについて話をして、これからのことをだいたい決定した。


その話で分かったことをまとめると。


まず川口さんと芝は付き合っているということ、これすごい大事。芝が付き添いに来た理由がこれなのだろう。


川口さんのユニークスキルは特殊調理、どうやら食べれるものはなんでも美味しく調理でき、さらにはその料理の素材によってはステータスが上がることや、耐性…例えば毒耐性のようなものがつくこともあるらしい。


次に木場のユニークスキルは転送、このスキルは転送用魔法陣があるところに自分を含む全てのものを転送できるスキル。


この転送用魔法陣は自身がマーキングとしてつけるものでその魔法陣の数の制限は今のところ2個らしいが後々増えるらしい。また、このマーキングは場所や人どこにでもつけられる。


ただ今のところはあまり距離は転移できないし回数もそこまでのようだ、ただレベルが上がれば長距離もできるようになるだろう。


また転移系の魔法についてだが、この世界の転移系の魔法は何から何まで手間がかかるようであまり多くはないそうだ。基本的に転移して欲しいときは大量の魔石を使うようで、費用もとんでもなくかかるとか。


芝のユニークスキルは忍者、隠密が得意のようだ、戦闘能力にも期待できるらしい。ユニークスキルの一部として忍者が使うようなスキルがいろいろあるらしい。


やはりユニークスキルというものは、戦闘、非戦闘は関係なくどれも役に立つものが多いようだ。



そしてこれからの方針としてはここから2番目に近い魔王のダンジョンでレベルを上げながら弘樹たちができることをいろいろと検証するというものだ。


これからの方針がひとまず決まったところで俺たちは解散した。










「影山様、少しよろしいですか?付いてきてください。」


皆との話し合いが終わって部屋に帰る途中にメイドに呼び止められ、どこかへ連れて行かれる。


「これはどこに向かっているんだ?」


「王様のところです。」


王様のところへ?俺何かしたか?何も身に覚えがないんだが。まぁ、行けばわかるか。


俺はメイドに連れられて地下に向かっている、地下に王様がいるのか…何かおかしいな。


メイドに案内され連れてこられたのは地下にあるただの壁の前、こんなところに王はいないだろ、普通。


「ここに王様が?」


「はい、少し待ってください。」


そう言ってメイドは目の前の壁の一つのブロックを押し込んだ、するとブロックの横の壁が開いた…隠し扉かよ。テンション上がるじゃねーか。


この時の俺は少し頭が働いていなかったのだろう、怪しさ満点のこの部屋に普通に入ってしまった。


部屋に入ると確かに部屋の奥に王様がいた。部屋の大きさは縦6m横4mほどで窓なんかは一切なく、光源はろうそくのみだ。


「よく来てくれた影山殿、最近の調子はどうだね、訓練も大変だろう。」


なぜここでそんな話をするんだ…。


「訓練は確かに大変ですが、仲間と一緒なので頑張れますよ。」


「そうか、それは良かった…ところで勇者の1人に聞いたんだがね。君が吸血鬼というのは本当かね?」


「ええ、確かに俺は吸け…はい?」


おい待て…あまりに急に話が変わったせいでごまかせなかったじゃないか。てか誰だよ俺の正体バラしたやつ、弘樹たちはバラさないから他のやつだろ。なんで知ってんだよ。


「やはりそうか…すまないね。私も本当はこんなことはしたくは無いのだが北のほうにある魔王化したダンジョンのダンジョンマスターが吸血鬼だそうでな。君をこのまま勇者としてここに置いておくわけにはいかないのだよ。」


王様がそう言うとともに俺の真下に魔法陣が現れ身体から魔力が大量に抜かれる感覚とともに俺は意識を失った。













目がさめてから周りを見渡してみると、あたり一面深い森だった…どこだよここ。


確か俺は王様に吸血鬼ってことがばれて…ここに飛ばされたのか。転移系の魔法は滅多にないんじゃなかったのか、木場…話が違うぞ。


そういえば転移する前に魔力が抜かれた感覚があったけど…。


魔力がさっきから0のまま回復しない、その他にもステータスに魔力自動回復が追加されている。木場の話の通り本来の転移には魔力を大量に使うというのは本当のようだ。0から回復しないのは何故なんだ…普通なら0のままというのはありえない気がするけど。



取り敢えずはこの森を抜けるか、弘樹たちの予定は分かっているからいずれ会えるだろう…あえるよね?



読んでくれてありがとうございます。

クラスの仲間を紹介しておいて、少しの間はでてきません、他に新キャラは出るので楽しみにしておいてください。

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