7.ユニークスキル
週一の更新なのでできるだけ文字数を多くしたいのですが、少なくてすみません。
たぶん、もうみんな寝ているよな?本当は部屋に来てすぐにやりたかったんだが、弘樹達が遊びに来て随分と話し込んでしまって出来なかった。
取り敢えずやろうか…どうやるんだ?
口に出して言えばいいのか?
「召喚」
その言葉を発すると体から力が抜けていく感覚とともに俺の目の前の床に直径2メートル程の黒い魔法陣が現れる。
「おぉ…。」
そして魔法陣の上が黒い膜で覆われる。数十秒程のして膜が消えるとそこには転生する前の俺の体が横たわっていた。
「久しぶりに見たな…自分の体。」
もう見ることはないと思っていたから少し感慨深くなってしまう。
近づいてみると、やはり死んでいるわけではないようで顔の色も普通で体温も暖かかった。
自分が2人いるというのは、変な気分だな。
融合もしておこう。
「融合」
先程と同じように体から力が抜ける感覚とともに、俺の真下と横たわっている俺の体の下に魔法陣が現れる。そして倒れている俺の体が黒色に光り小さく収縮され真っ黒な球になると、その球が浮き上がり俺の方まで浮遊してくる。今度は俺の真下の魔法陣が光り…そのまま俺は意識を失った。
だんだんと意識が覚醒してくる、まさか意識を失うとは思っていなかった、誰も来てねないよな?
立ち上がると明らかに先程までとは違うことか分かる。さっきまでは全身に重りをつけていたのかと思うくらいに今は体が軽い。体の底から力も湧いてくるように感じるくらいだ。
ステータスを確認してみよう。
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名前 影山透 かげやまとおる
性別 男
年齢 17
種族 吸血鬼(真祖)
Lv. 1
HP 1800/1800
MP 3000/3000
攻撃力 2300
防御力 1650
敏捷性 3000
精神力 1500
器用 1800
-スキル-
【異世界言語】Lv.-【経験値UP】Lv.1【魔力感知】Lv.1
-種族固有スキル-
【吸血】【再生】【影霧】【影移動】
【眷属契約】【眷属召喚】
-ユニークスキル-
【朧紅月】
-属性-
紅黒・無
-称号-
【真祖】【異世界人】【勇者】
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これは…もう1/10じゃなくなってるし、なんかスキルも増えてるし…詳しく見てみよう。
魔力感知:魔力を感知できる。
朧紅月:何百万年をも越える年月を生きる吸血鬼の魂から漏れ続けた力が結晶になり現れたもの。現れる形は千差万別だがそれがどのような形にしろ力は強大。
紅黒:魔力の流し方により性質をかえふ真祖のみが扱える魔法属性、ただし無以外の属性が全く扱えなくなる。
魔力感知は恐らく召喚と融合使った時に体から魔力が抜けた時に取得したのだろう。スキルは割と取得しやすいようだ。俺の魔法属性、無だけだったから少し落ち込んでいたんだが、紅黒…これはまたチートだな、使ってみないとわからないけど。
それよりも朧紅月だ…まだ試してないから分からないがとんでもなく強いであろうことだけは分かる。俺の場合およそ800万年もの間漏れ続けたものが結晶化しているのだ、半端なものではないはずだ。
少しだけ試してみよう…使い方はなんとなく分かる。
俺が朧紅月を試してみると俺の体から赤黒い光が漏れ出しそれが右手に集まり刀の形を作った。
見た感じは黒い日本刀といった感じだが、少し違う、まず鐔が無い代わりに少し刃側と棟側に膨らんでいる。また刃文は美しい深紅となっている。柄は柄巻なく、少し形が独特だが手から落としてしまう想像すら出来ないほど手にあっている。
それにこの刀は魔力を使って出しているわけではないようだ、ただ刀に魔力自体はこめれるようで、魔力を込めると刀全体が薄く紅く光る。とんでもなく切れ味が良さそうだ。どこにも当て無いようにそっとしまおう。
朧紅月を消そうと意識するとパッと赤黒い光に戻り体に入っていった。
今日はこんなものでいいか、明日は午後から訓練とやらもあるようだし。
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日の光が窓から入ってくるくらいに目が覚めた。今の時間は分からないが、弘樹たちとこれからのことについて色々と相談しておきたい…俺が真祖だということも話すか決めないといけない。
「透達はこれからどうするべきやと思う?」
今は弘樹の部屋に集まってこれからのことを相談している。
「俺は取り敢えず訓練を一通り終えた後にどこかで力をつけるべきだと思う…ただ、弘樹は戦闘系ではないからその辺りをどうするか決めないと。」
「すまんなぁ、俺も色々考えてはいるんやけど。」
「弘樹!あんたがしっかりしないでどーすんのよ、そんなんじゃ、かげっちが安心してダンジョン攻略できひんやないの。」
さすが三島、幼馴染みなだけあってズバッと言うな。
「さ、咲ちゃん…言いすぎだよ。弘樹くんも色々考えているんだから。」
「そーやそーや、桐島もっと言うたれ。」
弘樹は全然気にしてなさそうだな。
「弘樹、お前はどうしたいんだ?」
「そやな〜、俺もみんなと一緒に戦いたいんやけど、それは無理そうやしな。考えとるんは、俺のスキルでみんなのサポートしたいと考えとる。」
「そのスキルがどこまでできるか分からないが、それがいいか。」
「あんたの事はうちが守ったるわ、うち結界張れるようやし。」
「咲ちゃんやっぱり山本くんの事心配なんだね。」
流石幼馴染み、絆の深さが半端ない。
「そんなんちゃうわ。」
俺はすごいお似合いだと思うけどな。
「取り敢えずクラスのみんなとも相談せんとな。もしかしたら戦闘系やない人が俺の他にもおるかもしれんしな。」
「だ〜か〜ら〜、みんな俺の言う通りに動けっていってんだよ、俺は真の勇者、お前らただの勇者。俺に従っとけよカスどもが。」
「だから!その考え方は間違っている!君が真の勇者だからといって君一人で全てが決まるわけじゃないんだ!みんなの意見も大切だろ⁉︎」
今はクラスで集まって今後の事を相談しているんだが、貫田が暴走しているお陰で話が纏まらない。取り敢えず今日の訓練を終えてから、また今後の事は話すことになった
「ほな次俺からええかな、ちょっと聞きたい事あるんやけど、戦闘系じゃ無い奴おらんか?俺戦闘系じゃなさそうやねんけど。」
次は弘樹が戦闘系じゃない奴がいないかの確認をしている。
「あ、私も戦闘系じゃなさそうなんだけど。」
「じ、実は僕も」
「おっ、マジか、良かったわ、一人だけかと思ってちと心細かってん。」
おぉ、やっぱり一人だけじゃなかったみたいだ。良かった弘樹一人だけだとどうしようかと思っていた。しかし、一人だけではないと思っていたが他に2人もいるとは思っていなかった。
そろそろ昼だな、驚いた事にここの食事は日本と比べても優劣がつけ難いくらい美味しいから楽しみだ。
「それでは今からこの国の騎士が勇者達一人一人について訓練を行う、事前に聞いていたステータスなどから一番相性のいい騎士をつけている。訓練の内容は自分の担当の騎士に教えてもらってくれ。それでは各自訓練を始めれくれ。」
「よろしく、君の訓練の担当になった、ルイス=トレーンだよ。君は何かに特化したステータスでは無かったようだから、まずは魔力の操作と無属性魔法の戦闘に役立つものから訓練していこう。」
異世界だから担当騎士は女性だと何故か思っていた。
召喚された日に俺はこの国には嘘のステータスとしてこう伝えた。
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名前 影山透 かげやまとおる
性別 男
年齢 17
種族 人間
Lv. 1
HP 900/900
MP 900/900
攻撃力 800
防御力 800
敏捷性 800
精神力 700
器用 600
-スキル-
【異世界言語】Lv.-【経験値UP】Lv.1
-ユニークスキル-
【影霧】
-属性-
無
-称号-
【異世界人】【勇者】
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スキルに関して誤魔化して使えなかったら困るから、それ以外のステータスを平均より高めであろう数値に変えておいた。ユニークスキルは影霧だ、おそらくあれは吸血鬼特有だからバレないだろう。
この国はこのステータスが俺のだと思っているから、これにあった訓練を考えてくれているはずだ。どのみち本当のステータスを国に伝える訳にもいかないから、このまま訓練を受けよう。
「じゃあまずはこれを使って体に流れる魔力を感じれるようになろう。ここに手を当ててくれ。」
そう言ってルイスが取り出したのはダンベルの両端がソフトボールくらいの大きさになった魔道具らしきものだった。あれでどうやら魔力感じれるらしい、ただ俺はある程度はスキルで分かっているからすぐに上達できるだろう。
取り敢えず手を置いて…と。
「よし、なら今から僕がこの玉に魔力を流すよ、僕の魔力が君の体の中にも流れ出すと魔力の流れを感じることができるはずだよ。」
おぉ⁉︎これがそうか。
「どうやら感じ取れたみたいだね、自分の体に流れる魔力は、血液が流れているのを感じとれないみたいに、流れていることを感じとれないから、人の魔力を流してもらって感じとるんだよ。魔力操作が抜群に上手くなれば道具を使わなくても人に魔力を流せるんだけど、僕はそんなに上手くなくてね。」
「人に魔力が流せる人はどれくらいいるんだ?」
「うーん、いるにはいると思うよ。ただこの国で流せる人は2人くらいかな、魔力を人に流すのはとても難しいからね。」
なるほど、案外少ないんだな。
「なら次は僕が魔力を流すのをやめるから、自分の魔力が体の中を流れているのを感じとってみて。ただこれはすぐにできる人とできない人がいるからね、これができたら次の訓練に行くけど、できなかったらまた明日も感じとる訓練だよ。取り敢えずさっきの感覚を思い出しながら魔力の流れを感じとってね、魔力を流して欲しければ言ってくれればまた流すよ。それじゃあ、頑張って!」
なるほど魔力…あれ?結構難しいなこれ。すぐにできると思ったんだが。これは結構時間かかるかな?
「うん、お疲れ様。結構早い方だね。できない子は一週間かかる子もいるからね。」
結局俺は二時間ほどで魔力を感じとることができた。遅い子でも一週間あれば感じとることが出来るとは驚いた。
「よし、今日はあとは魔力操作を少しやって終わりにしようか。次はこれを使うよ、はいこれ持って。」
そう言って渡されたのは小型扇風機のような魔道具、次はこれを使うらしい。
「これは魔力操作の練習をするための魔道具だよ、この魔道具を握って魔力を流し込めばこの部分が回転するようになっているんだ。魔力を上手く流し込めるかで回る速さが変わるよ、今日は部屋にこれを持って帰ってもいいから練習頑張って。これができたら明日は無属性魔法だよ。じゃあまた明日も頑張ろう。」
そう言ってルイスはどこかへ行ってしまった。取り敢えずこれに魔力を流してみよう、魔力は体全体を隅々まで流れている。その魔力を上手くこの魔道具に流し込めば…おぉ!少しだけ回っている、これをもっと速く回せるように今日は練習するか。
読んでくれてありがとうございました。