11.冒険者
戦闘シーンの描写がむずかしいですね。
内容に矛盾やおかしいところがあれば是非教えてください。
すみません、イリアの名前がイリアだったり、イリナだったりとミスがあったのをイリアに統一しました。
「トオル…お腹すいた。」
「さっき食べたはずなんだが…。」
「…気のせい。」
「んなわけあるか、また魔物出てきたら食わせてやるから待ってろ。」
お気づきの通りイリアの食欲が半端ない。
普通の人が1日3食のところイリアは6〜7食だ、と言ってもそれもあてにはならないんだがな。
何はともあれ今は大きな街につければと思ってひたすら移動中だ、村の人には方向だけ聞いたから都市の場所が分からないのが非常につらい。
俺とイリアが道を歩いていると、森の中からいかにも山賊といった格好の男達が5人ほど出てきて、持っていた剣をこちらに向けて言ってくる。
「ようよう旅人さんや、持ってるもん全て置いてきな、そしたら命だけは助けてやるぜ。あぁ、そっちのかわい子ちゃんは俺らが可愛がってやるから安心しな。」
で、でたー。伝説の山賊のセリフ。でも俺何も持ってないんだよな、服すら無いレベル。
「あんたらには悪いんだがマジでなにも持ってないんだ。」
「んじゃあ、てめえはいいよ、そっちの女こっちに来い。おめえは俺らのもんだ。」
俺はもうどうでもいいようでイリアに話しかける山賊。
「…やだ。」
さすがイリアよく言った、俺はもう感動と嬉しさで涙が出そうだ。
「なら仕方ねえな、力づくで連れてくしかねえな。お前らやるぞ!」
山賊達と対峙する。
「まぁ、人のもの奪うつもりなら、奪われる覚悟もしてるよな。」
「あ?なんだって?」
俺は身体強化の魔法を使い一瞬で山賊のリーダーの後ろに回り込みリーダーの持っていた剣を奪いそのまま首を斬った。
「なっ、マジかよ。」
他の奴らが驚いているうちに1人を残して同じように首を飛ばしていく。
そして残った1人に話しかける。
「なぁあんた、近くに街はあるか?」
あの後残った1人から話を聞いたところ、もう少しいったところに割と大きな街があるらしい、聞けてよかった、山賊に襲われたのはある意味運が良かった。
俺は死んだ山賊の奴らの服でサイズがあったものを剥ぎ取って着ている、だいぶ嫌だったが、街に入るのに大事なところがモヤモヤしている男なんて不審者以外の何者でも無いからな。ついでにリーダーの持っていた剣も貰っておいた、朧紅月は人が多いところではあまり出したく無いからな。
「トオル…人って…食べれるのかな。」
「てめっ恐ろしいこと聞くなおい!」
「ヒッ」
イリアは相当お腹ぎ空いているようで、先程から山賊のことを食事を前にした獣のような目で見ている。食べれるか聞かれたので、恐らくまだ人間を食べたことは無いのだろうが…どうにかしなければいつか恐ろしいことが起こってしまいそうだ。
「み、見えてきましたぜ。あそこでさぁ。」
「おぉ、結構でかいな。」
「…食べ物。」
山賊に案内され森を抜けると少し先の方に街があるのが見える、壁に周りを囲まれているが、相当の大きさだ。
「じゃ、じゃあ、わいはこれで…」
さりげなく逃げようとする山賊を逃さ無いよう捕まえる。
「逃がすわけ無いだろう。」
「そ、そんなぁ。」
「…お肉。」
イリアは食べ物のことしか頭に無いようだ。
街の入り口の大きな門にやって来た、街に入るために身分証明などがいるのだろう。
「えーと、次の方、身分証明書かギルドカードを見せてください。」
もちろんそんなものは持ってい無いので言い訳発動。
「すみません、実はダンジョンに入っていたのですがトラップにかかってしまったみたいでここらの森に飛ばされてしまって、何も持って無いんですよ。」
「あぁ、そうでしたか、ではこちらで仮の身分証明書を発行するので、一週間以内にギルドカードなど持ってきてください。」
「はい、ありがとうございます。」
どうだ、完璧だろう。ここに来るまでにこの世界のある程度のことについてはこの山賊に聞いたから、冒険者になる方法も分かった。
「あ、すみません、こいつ山賊だったようで捕まえたのですが、どうすれば?」
「山賊ですか、強いんですね。それはありがとうございます。こちらで身柄を預からせていただきます。」
山賊を預けて俺とイリアは街の中に入る、街は結構賑やかで、露店なんかも結構出ている。イリアが焼き鳥の様なものに目を輝かせているが、俺たちに金はないので手を掴み行かせないようにする。
山賊たちからお金を奪おうと思ったのだが、奴ら金を全く持っていなかったんだ、よくある隠れ家的なものもなかったし、よくこれまで生きてこれたと思う。
俺たちは街を歩き1つの建物にたどり着く、その大きな建物には剣を交差させているデザインの看板がかかっている。そう、ここは冒険者ギルド…無駄にテンションが上がってしまう例の場所だ。
とりあえず扉を開けて中に入る、時間帯が昼間だからなのか、中にいる冒険者はあまり多くはないが、皆前にいる俺を見て、次にその後ろのイリアを見て目を見開いてそのあとに俺を睨む。睨んできたやつにはドヤ顔で返す、優越感が半端ない。
まぁ、とりあえずは冒険者にならないといけないので受付のところに向かう。担当してくれるのは可愛い受付嬢…ではなくベテランのおじさんだ。ちなみに他にも受付のカウンターはあるが人がいないので、まだ可愛い受付嬢がいないと決まったわけではない。
「要件はなんでしょうか。」
「冒険者になりたいんだ、彼女と俺の2人で。」
「冒険者登録ですね、かしこまりました。ではこちらの書類に記入が出来ましたら、渡してください。」
そう言って紙を渡される、記入事項は、名前、年齢、レベル、のたった3つだけだった。そして最後の部分には冒険者のして仕事をして何が起こっても責任は取りません、と書いてある。
俺は名前の欄にトオル、年齢に17、そしてレベルはなんとなく本当のを教えるのが嫌なので嘘をついて25と書いて最後の部分にサインをして受付に渡す。
イリアは年齢16、とりあえずレベル10でいいか、実はまだイリアのステータスを教えてもらっていない。なんというか、タイミングを逃して聞くに聞けなくなってしまった。近いうちにさりげなく聞いておこう。
「はい、お預かりしますね、えーと、レベル25ですか、これまでは何かやられていたのですか?」
「えっと、村の周りの魔物を間引いてて。」
「なるほど、ではこれで仮登録となりますので、1つDランクのクエストを達成していただくと、正式に登録完了となります。レベルが25もあるのでどれを選んでもすぐに終わると思いますけどね。」
「分かりました。それでどれを受ければ?」
「その前に冒険者ギルドの説明をさせていただきますね。」
「あっ、はい、よろしくお願いします。」
そうして受付おじさんから聞いた話は
まず冒険者ギルドは魔物の討伐、ダンジョンの攻略などがメインで、他にも採取など色々とやっているギルドであるということ。
ランクはSからDまであり、ギルドへの貢献具合と人間性、実力などによってランクアップが可能だということ。またBランクからは特典などもあるそうだ。
そして冒険者間でのトラブルには関与しないなどである。
といった具合で特に難しいことはない、なのでまずはここらで旅の資金などを手に入れようと思っている。
イリアに出会った場所からここまではそんなに距離は無かったが、これからは長い旅になるかもしれないので、色々と必要なものが出てくるだろうし。
「ではまずはDランク向けのこの中から1つクエストを選んでください。」
そう言って見せられた何枚かの紙には、
・ゴブリン3匹の討伐
・薬草採取
・フットラビット5匹の討伐
など、あと何枚かあるが似たようなものが書いてある。ただ紙によってはレベル10以上などと制限があるものもある。
とりあえず俺たちは食べれる魔物ということでフットラビットを選んだ、おそらく道中にも何回か遭遇した蹴りをかましてくるやつだろう。あの肉は割とイリアも気に入っていたからな。
「よし、イリア行くぞ。俺らの飯が待っている。」
「…うん。」
魔物がいるのは近くの森なのでそこに向かっていく。
森に入って少し歩くと早速魔物に遭遇した、出てきたのはフットラビットではなく角の生えたイノシシ、これまでも何回も遭遇してきた、こいつはこいつで美味しいから、倒さないなんて選択肢はない。
俺が剣を抜く前にイリアが飛び出て部分的に獣化した手でイノシシを殺す、そしてイノシシを無造作に掴み俺に持ってくる。
「…食べる。」
「そうだな、俺もそろそろ限界だし食べようか。」
俺はイリアからイノシシを受け取り首をはねて血抜きを行う、あまりそこらへんの知識に詳しいわけではないが、血抜きは必要らしいので行う。
血抜きが終わればだいたいでさばいていき数個の肉塊に分け、そこから一口大の大きさにカットして枝を加工して串にしたものに刺していき、火で焼けば完成。
ちなみに捌くのに使っているナイフは山賊から奪ったものだ、これまでは捌くためだけに朧紅月を使っていたのだが、あれは精神的に辛くなるのでナイフが手に入ってよかった。
ちなみに翼を生やすときの応用でナイフのようなものを作れることに後で気付いた、紅黒魔法が便利過ぎて怖い。
「ほら、イリア、肉だ。」
焼けた肉をイリアに渡すと、味付けなんて何もしていないのにとても美味しそうに食べてくれるので嬉しい、さらに食べているときの顔はとても可愛いので2倍嬉しい。
俺も肉を食べて、結局イノシシを丸一匹2人で食べきってしまった、8割イリアだったけどな。
食事が終わったのでフットラビットを探すために立ち上がり辺りを見渡すと、匂いにつられてきたのかフットラビットが木の陰からこちらをギラギラとした目で見ている。
フットラビットはこちらに攻撃するタイミングをうかがっているようだが、その前に俺は隠れているフットラビットに向けて紅黒い雷の矢を飛ばして倒す。
魔物は全て体の中に魔石を持つそうで、魔石は魔道具や武器の強化など、多くのところで活躍するらしい。俺もそれを聞いてからは毎回魔物から魔石を取っている、大きさは強さに比例するようで、フットラビットなんかは1センチあるかないかという大きさだ、それでも一応金になるらしい。
フットラビットは全部で7匹いたようで、これでクエストは完了となる、討伐証明は魔石を持っていけばいいそうなので、他の部位は帰る前に食べておこう。
「はい、これで登録完了です。こちらがギルドカードになります。紛失すると再発行にお金がかかるので気をつけてくださいね。」
「ありがとうございます、それで魔石などを売りたいのですがここで売れますか?」
「はい、大丈夫ですよ。それでは魔石を出してください。」
受付にこれまで貯めた魔石を渡し、金を受け取る、割と数が多かったので3,000エルとそれなりの金額になった。
ちなみにこの世界でのお金の通貨は世界共通でエルという通貨らしい、石貨1枚10エル、銅貨1枚100エル、大銅貨1枚1000エル、銀貨1枚1万エル、大銀貨1枚10万エル、金貨1枚100万エル、そしてほとんどの人が目にすることがないが白金貨1枚1,000万エルという感じになっている。
大変わかりやすく、1エルが日本での1円の価値と同じだと思えばいいだろう。ただ物価がやすいので、3,000エルあれば1週間は2人でも余裕で暮らせるくらいの金額だ。
ギルドで宿の場所を聞いて街にある宿の一つにやってきた。宿の名前は『やすらぎ亭』実にシンプルだが、変なところよりは全然いいだろう。
宿に入るとカウンターには恰幅のいいおばちゃんがいた。
「いらっしゃい、泊まりなら1泊1部屋朝の食事付きで500エル、長い期間なら少しやすくなるよ。」
「なら3日ほど、1部屋2人でもいけますか?」
「大丈夫だよ、2人なら3日で1600エルだよ。朝は6時から9時までの間に飯食べに来ないと別料金だよ。」
俺はおばちゃんに金を払い鍵を貰って部屋にいく、もちろんイリアも一緒だ。バラバラに部屋を借りるなんてバカな選択肢は誰も選ばない。
ちなみにこの世界には時計が普通に流通している、ただあまり質が良くないのが多いらしいが、時間を厳守する人も少ないので質がいいものを使うのは貴族くらいらしい。
「イリア、明日からは金を稼いぐためにクエストしていくから、よろしくな。」
「…ご飯よろしく。」
「そこは任せなさい。あ、ちなみにエンドリアの方にいる俺の仲間に会えば俺のより何倍も上手い飯が食えるぞ?」
「…エンドリア…早く行こう。」
「準備ができたらな、んじゃあ寝ようか。」
2つあるベッドの片方に俺は入る、イリアもベッドに入る…俺のベッドに。
「…イリア?なんでこっちにいるんだ?」
「…何が?」
「いや、何もない。むしろ全然いい。」
イリアはここら辺が少しずれているので、こういうことが結構起こる。
イリアの体温を感じながら思う…マジ最高。
読んでくれてありがとうございます。
イリアともっとイチャイチャさせたいんですが、むずかしいですね。
これからもよろしくお願いします。




