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「ーーーー、ーーー。」


話し声か?

誰かが喋ってる声が聞こえる……。


あれは、伊原と……誰だ?


こっそりと木の陰から覗くと

伊原 秋瀬とフードにマスクで顔を隠した

緑色のマントを纏った男が立っていた。


なんだか凄く怪しいというか

なんだあの男はまるでマンガから飛び出してきた

ようなその出で立ちに腰には西洋の剣がぶら下がっていた。

その怪しさ満点の男とさも当たり前のように

伊原が話をしている。

清司の言ってたことはあながち間違いじゃなかったのか。

伊原 秋瀬はオカルトチックな事をしている。


それにしてもなんの話をしているんだ?

まったく聞き取れないな……。


耳を澄ましてなんとか

会話を聞き取ろうとしたその時


轟音が夜の校舎を震動させた


その爆心地から広がる炎と

そこから吹き荒れる熱風は最早目を開けることも

困難な程だった。

上げそうになる声を必死に堪えて

歯を食い縛りその爆発が収まるのを待つ。


「下がれ!秋瀬!!」


叫んだフードの男は

その豪炎に怯むことなく近付いていく

そして5メートル程に距離を縮めると

炎が次第に小さくなっていき

爆心地から赤いスーツを着た男が露になった。


現れた男は無表情でその場にいるフードの男に

視線を向けた。


「オリジンで間違いないか?。」


赤いスーツの男がフードの男に言葉を投げ掛ける

その問いに対してフードの男は言葉を発した。


「へっ、オリジンに見えなきゃ

なんに見えるってんだよ?コスプレにでも

見えてんのか?。」


フードの男はその容姿には似合わないような

軽口を面白げに言った。


「ならば、……悪いが死んでもらう。」


スーツの男は何かを小さく呟くと

手から燃え盛る炎が現れた。


なん……なんだ一体何が起こってるんだ?

分からない、分からない

余りの現実からかけ離れた事象に

頭の中の整理が追い付かない。

そこに立ち尽くして事態の進行を

ただ唖然と見ているしかなかった。


「へへっ、手っ取り早くて良いね

そういうやつなら何の気兼ねもなく

武器を振るえるってもんだ。」


フードの男が腰の剣に手を掛け

それを一気に引き抜くと

刃物独特の摩擦音を夜の校舎に響かせる。


「ちょっと、待って!

まだ何の根源も使えないんでしょ!

そんな状態で戦うなんて無茶です!。」


今まで事の次第を黙って見ていた伊原が声を上げる。

そこで自分の意識も一気に戻ってくる。


伊原のやつこんな状況なのに全然

動じていない……

今の叫びは驚きというよりは

焦っているといった感じだった。


「まぁ、見てなってお嬢さん

呼び出した張本人なんだから

少しは俺の事を信頼してくれよ。」


そう言ってフードの男は破ぜたーーー!

そう破ぜたのだ、それしか思い浮かばないような

人間では有り得ないような推進

5メートルは離れていたスーツの男に

瞬きすら許さぬ速度で迫ってその剣を振るう

しかし、その剣は届くことはなかった。


「チッ!、おもしれぇ力を持ってるなお前。」


スーツの男は体を少しも動かすことなく

自身から発生した炎でフードの男の剣を受け流した

その炎はまるで意思を持っているかのように

フードの男に襲い掛かる。


「なめんじゃねぇよ、っッ!。」


フードの男は間一髪の所でその身を翻し

迫り来る炎を避けまた凄まじい速度で距離を取った。


なんだ……これ……。


最早言葉は出なかった

その異常に目を奪われ釘付けになっていた。

最初こそ驚きはしたが

今は何故か今は喜びすら感じる

この異常に、頭がおかしくなってしまったのか?

余りの緊張に身体は身動ぎ1つできない程に硬直し

思考が停止してなにも思い浮かばない。


「なんだ?。」


スーツの男が視線をフードの男から外す

瞬間スーツの男と自分の視線が重なる。


「ーーーっ!!。」


声を上げる事すら出来ずに身体を炎が包み込む

その刹那体に燃え移る炎

体を焦がし肉を焼く不快な音が耳に伝わる。


熱い!熱い!熱い!熱い!熱いーー!

全てを焼き付くすその炎は

思考を奪い感覚を奪い自身の全てを焦がしていく。

燃え盛る炎に包まれながら死を感じる


終わる……俺の人生が……こんな意味の分からない事で……


意識が……真っ暗な視界が一瞬で

真っ白に塗り潰される

悟る……、死を迎えるのだと

自分自身の生が終わりを迎えるのだと


「ーーーーー!、ーー。」


誰かの叫ぶ声が聞こえた気がした。

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