紙飛行機
少年は言った。
「あまりに授業がつまらないから。」
教卓に立って白墨(チョーク)を握り締め、黙々と黒板に文字を書く先生が心無しか、後ろを振り向いた気がした。
桜の蕾が窓の外に顔を出し、
微かに春の香りが立ちこめる教室。
そんな中、二人の少年があどけない笑顔を交わしている。
「…よし、出来た。」
少年は満足そうに言った。
授業がつまらない、とぼやいた少年の手にあったものは、手のひらほどの紙飛行機だった。
それを見た隣の席の少年は一目で、
数学のプリントだと見抜いた。
「さぁ、どこまで飛べるかな?」
そう言った少年は、まるで紙飛行機を、巣立つ雛鳥であるかのように
優しく教室の中へ放った。
紙飛行機は緩やかに飛び、
やがて開いた窓から外へと飛び立っていった。
するとさっきまで静かだった教室に
小さな歓声が上がった。
それを見ていた先生。
少年は怒られることを確信した。が、予想は外れて、先生もまた小さな歓声を上げた後、
少年にふっと笑みを零した。
先生に怒られなかったのが余程意外だったのか、
少年は少しの間あっけに取られていたが、
すぐに視線を紙飛行機へ戻した。
隣の少年もつられるようにして
紙飛行機を見届ける。
「飛んだな。」
誰にというわけでもなく、
二人は呟いた。
授業終了の鐘(チャイム)が鳴った。
号令をかけた後、みんな思い思いの場所へと散らばっていく。
そんな中、隣の少年は言った。
「あの数学のプリント、次の授業の時間に提出するやつだよ。」
少年はびっくりして、手に持っていた教科書を落としかけた。
「それ、本当?なんで早く言わないんだよ。」
少年は慌てて教室を飛び出した。
隣にいた少年も、笑いながら後を追った。
今度は教室に、沢山の笑みが溢れた。
表現が一定で面白さに欠けていたかもしれませんが...
最後まで読んで頂き、ありがとうございました^^*




