不吉なスキル
神父は人差し指を立てて十時に動かし呪文の様な言葉をつぶやいた。
バシュ!!
神父の前に金色の扉が現れた。
この城の扉も大きいがそれと同等の大きさで、キラキラと光り輝いている。
神父「この運命の扉を開き己のスキルを知るのだ。」
「さぁ勇者よ扉を開くのだ。」
僕はこの魔法の扉に見入っていたが、促され扉を開けることにした。
重い扉を開ける、中は真っ暗。顔を突っ込んでみる。
暗くて何も見えない。
少し目が慣れてきた。ん?これは鏡か?
目の前に鏡には僕が写っている。
スキルってどこに書いてあるんだ??
その時鏡に写る僕の口が動いた。
いや僕は動かしていない。勝手に鏡の自分だけが口を動かした。
その口は声は発さないが言った言葉はわかった。
「妄想だよ」
にこっと笑ってその、僕は消えた。
どう言うことだ?妄想だよって。
スキルが妄想ってこと?
ただでさえこの世界に来て混乱しっぱなしの僕をさらに混乱させるのか、、、。
扉を閉めて居合わせるみんなに顔を向けた。
「どうであった??」王様が言った。
「どうせたいしたスキルじゃないよ」暴力お嬢様はバカにした様に言った。
「えーっとスキルは妄想みたいです、、、。」
僕が言うとみんな何とも言えない顔をしていた。
「神父様、妄想というスキルってどんなものですか?珍しいのですか?」
僕は神父に尋ねた。
「そもそもスキルとは例えば火属性の魔法、回復魔法、など戦いや戦闘補助になる様なものが多い。
剣術、体術など技術を習得し才能によって開花するものはスキルとは言わない。
サニー王は太陽のスキルを持って攻撃、回復共に高レベルのスキルをもっている。
今は先の戦闘で傷を負ってしまわれたので前線では戦えないが、、、。
勇者様にもサニー王同等かそれ以上のスキルを期待してしまったのだ。
妄想というスキルは聞いたことがない。
日常の考え事をスキルとは言えないが、何故運命の扉は妄想と伝えたのか、、、。
これには深く意味があるのか、、、。」
アリアが言った。
「使えるかどうか、私が判断してあげるわ!誰かこの俺に剣を!」
「待ちなさいアリア!危険すぎます!」
クラウディア王妃が言ったがアリアは聞かない。
「使えるか使えないか知るためにも、手合わせの許可を!お父様!」
サニー王はため息をついて、頭を縦に振った。
兵士に剣を渡された。
え?本物?刃物感がすごい。
これは絶対殺される。
どうにかこの場を乗り切る事を考えないと!