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第93話 従者の無力
お待たせ致しましたー
───────……なんだ、あれは?
あれは……主、か?
我らが……主?
いびつな、邪鬼以上に恐ろしいお姿。
何故……あのように!?
何があったと言うのだ!?
我は……我は、どうしたら良いかわからぬ!
主が、『レイン』と言う狐の獣人とやらが……聖樹石に向かっていると告げてくださり、我やフータも飛翔で追いかけたのだが。
何故……このような、事態に?
レイン自身は、聖樹石の前で気を失っているだけ。
我は……変貌している主の前で、ただ惚けることしか出来なかった。
どのようにすれば。
何をすれば。
主は、元のあのお優しい少年の姿に戻られるのだ!?
わからぬ……わからぬ。
なんて、無力。
術の種類が増えただけの我では、対処できぬ。
そうして、拳を強く握ったのだが。
横で泣いていた、フータが主の元へ飛びついたのだ。
何を……と、我は手を伸ばしたが間に合わず。
フータが主に触れる手前で。
聖樹石や、世界樹様が起こす赤紫の光と同じものが……部屋を包み込んだのだ!?
次回はまた明日〜




