第90話 天神様と怒り④
お待たせ致しましたー
遅い?
遅いだと?
間に合わないのであれば……間に合わすまで。
幼い子供に……何をしたのだ?
『……愚弄者』
私の中から……淀みが生まれた。
かつて、藤原の者に……堕とされたことへの淀みと同じものだ。
今回は、私が貶されたわけではないが。
幼い子供を利用しようとするのは……許せない。
身体が、よくわからない音を立てていくが。
変化したとて……気にするつもりはない。
光が落ち着き……だんだんと見えてくる『存在』らが怯えていようが、気にしない。
レインは、気を失っているようだった。
『……レインを返せ』
さらに、声が低くなっていくが……私の中は、『怒り』であふれかえっていた。
幼い子供を、無垢とは言い難い感情から利用したことも。
聖樹石を……住処にしようとしていることも。
気に食わない。
聖樹石は、私の使命ではあるが。
幼い子供を巻き込むつもりは……なかった。
それが、知り合いなら尚更。
魔の森であった……ケインらのようにはさせたくない!!
『マスター!?』
『主!? その姿は!!』
トビトらも追いついたようだが……私が余程おかしな身体になってしまったのか。
手を見てみると……邪鬼らのような歪なものになってしまっていたよ。
次回はまた明日〜




