第63話 天神様と温泉①
お待たせ致しましたー
とは言っても、素肌のまま入浴する方法ではなく。
「はい! お兄さん二人には、『湯着』を購入していただきますよ!!」
受付の青年曰く……平安の世でもあったような、単衣か何かを着て入浴する方法が一般的らしい。
ただ、見本を見せてもらった時には……単衣ではないとわかったが。
「こちらが湯着です!! シャツとズボンの要領で着てくださーい!!」
「わかりましたー」
『ぼ……く、は?』
「あはは〜、精霊は人型じゃなきゃ問題ないですよー?」
「だって。フータはそのままでいいみたい」
私とトビトは精霊でも人のフリをしている人型だからね?
必要なのは仕方がないだろう。……フータのように姿を変えれるか気になったが、まあ良い。
今は温泉が私を待っている!!
料金は宿代をあとで支払う時に一緒に精算することになったので、だいたいの服の大きさを青年が見繕ってくれることに。
脱衣所があるそうなので、行き先を教えてもらえば……まだ時間が早いからか、何人かの男性が着替えなどをしてたりタオルで濡れていた体を拭ったりしていた。
『な……に?』
「ここで僕とトビトが湯着に着替えて……温泉のある湯船に行くんだよ」
「……湯につかるとやらは、そのように良いものですかな?」
「とってもいいよー」
私が下級貴族だった頃は……いささか粗末なものではあったが。あれはあれで乙なものだった。宮司らの風呂事情や、テレビで観た範囲では……現世はかなり発展していたけれど。
であれば、異世界の温泉にも興味が湧くものだ!!
「ふむ。まずは今の服を脱ぐのですな」
トビトは防具を外し……他の客の真似をするように服を脱ぐと。
なんともまあ……素晴らしい男性の肉体が顕になったね。振り返る視線が凄いよ。
(……うーん? 私はこちらでは成人でもまだ身体は子供だから)
同じように脱いでみても、少し肉の凹凸があるだけで普通の子供の肉体。
少々……トビトのような体つきに憧れるが、悔いても仕方がない。
世界樹……いいや、この場合はこちらの神か?
何故、この年頃の身体へと私を転生させたのだろう?
とりあえず……今度は湯着をしっかり着てから。フータを抱え、トビトと浴槽のある扉へと向かうことにした!!
「「……おぉ」」
『わー!』
温泉……と受付の青年が言っていたように。
身体を清める場所以外に……岩で出来た湯船がいくつも存在していたのだ。
客は何人か居て……どの人間や獣人らも気持ちよさそうに入っていたね?
だが……入るにはまず、洗髪をしなくてはと。
入浴自体が初めてのトビトを洗うべく……洗い場へと向かい。
木で出来た椅子に、彼を座らせることにしたよ。
「……ミザネ殿。何を?」
「温泉への作法だよ」
私も他人を洗うのは、天神であった頃もないが……やれるだけやってみよう!
次回はまた明日〜




