第49話 天神様と魔の森④
お待たせ致しましたー
「はぁああああ!!」
「炎の渦!!」
前は、ケインにトビト。
後方はディアナ。
私とフータは、リクターと左右を。
どんどん湧いてくるように、私達を狙う魔物を討伐していく。キリがないくらい相手にしていたが……終わりはいつか迎えるもの。
矢が尽きる前に、ブーツでの蹴り技に切り替えたのだが。数体倒したところで……フータの氷魔法に合わせて、ディアナの氷魔法が辺りを包み込むと。
さすがの魔物らも、怖気づいたのか逃げていったのだ。
「……深追いしないでおこうぜ」
返り血をたっぷり浴びたケインもだが……トビトも少々不気味な仕上がりになっていたよ。魔物の血だから、赤ではなく紫や青だからね?
「……二人、こっち来て」
リクターに呼ばれ、ケインは疑問に思っているトビトの肩を掴み……引きずるようにこちらに連れて来てくれた。
リクターは、メイスと言う武器にも魔法の杖にもなる道具を掲げ……魔力を流したのか、先端の金属部分が光り出した。
「……む?」
トビトが驚いている間に……魔物の血もだが、軽い切り傷に服の破れや汚れなどが、元通りと言うくらい綺麗になったよ。
「…………むぅ。ちょっと、使える程度」
どうやら、回復魔法が効きにくいとは言っていたが……全く使えないわけではないようだ。
「十分だとは思いますが」
「……時間、かかる」
「森に入る前は、一瞬で治せたからなあ?」
「そうなんですね?」
私の方はわからないが……フータが使えると進言してくれたし、そちらを優先しよう。
『マスター、ぼ……く、頑張った』
ぴょんぴょんと私のところに来てくれたフータは、特に外傷などは見られなかった。
「お疲れ様。よく頑張ったよ」
『……えへへ』
抱き上げて撫でてやれば……嬉しいのか手に擦り寄ってくれたよ。
「んー。ミザネを真似するわけじゃないけどー」
ディアナが魔物の死体らを見ると、私達に少し離れるように言い……自分の杖を、死体らに振り上げたのだ。
(何をするのかな?)
大体の予想をしてみたが、ディアナは戦闘に使っていた炎ではなく……何かを呼び出すのか、聞き取りにくい祝詞のような言葉を唱え出した。
「来れ! ビックスライム!!」
上から……フータ以上に大きく、青色の大福とゼリーを合わせたような魔物が落ちてきたのだ!?
「む?」
「大丈夫だ。ディアナが使役してるスライムだ」
「……ただの魔物ではないのか?」
「おう。安心しな」
トビトがすぐに斬りかかりそうになったのを見て……申し訳ない、と私は止めてくれたケインに腰を折ったよ。
次回はまた明日〜




