第48話 天神様と魔の森③
お待たせ致しましたー
ケインの職業は、戦士。
剣を使って、魔物を倒していくことが主だそうだ。
ディアナは魔法使い。戦闘方法は魔法。
リクターは、僧侶。光の魔法で回復や戦闘をこなすらしい。
その話を聞くと、ますますこちらが日本とは異なる世界だと思えるよ。
「僕は、精霊術師です。トビトはアサシンで」
「「せ、精霊術師!?」」
「……すごい」
私の職業については、やはりここでも驚かれてしまうようだ。
「え……と、そんなにも凄いんでしょうか?」
自覚が無い以前に、よく知っていないから……こんな返事になってしまうよ。
「凄いもんだぜ? 世界でも確認されてんのが……今でも、まだ十人程度。ミザネもその中の一人かもしんねーぞ!?」
「「うんうん」」
「えっと……まだ登録してひと月も経っていないので、それは無いと思いますが」
「……え? 新人? んで、中級精霊使役してんのか??」
「フータと出会ったのは偶然ですね?」
世界樹の導きがあったかもしれないが。
とりあえず、休息もぼちぼち出来たところで……まずはケルピーとやらの生息地に向かうことになった。
ケルピーとやらは……姿の説明をケインから受けたが、大型の馬の体格に触覚やら輝かしい立て髪などがあるのだとか。
小鬼やワーウルフのような魔物しか、まだ出会っていないので……そのような神秘的な獣に会えるかもと思うと、少し……いや、だいぶわくわくしてしまうね?
私は元神ではあるが……高位の神らの使役していたものらは、ほとんどヒトに似せたものばかりだったから。
とは言え……世界樹や聖樹石の思念体も大変美しかったが。
なんというか……現世風に言うと、『男のロマン』とやらが心をくすぐる感じがしたのだ。
「ケルピーは水場にいる可能性が高い。この魔の森だと……探索の魔法は弾き返されないらしいが、さっきも言った特殊な魔力のせいで妨害は多いんだと。だから……」
と、先頭を歩いていたケインが背負っていた剣を抜いたのだ。
その後に……奥から、小鬼の喚き声が聞こえてきたね?
「どこでも魔物だらけってわけよ!!」
ディアナも後ろを向くと……既に先制攻撃をしていたトビトを援護するように、杖を構えて魔法を繰り出していた。トビトとは別の小鬼に水の刃を放ったのだ。たしかに……魔法はすべて封じられてはいないようだね?
「……ミザネ、横」
すぐそばにいたリクターに言われると……横の茂みからもワーウルフ達が。
抱えていたフータが飛び降り、氷の魔法でかちんかちんに凍らせてくれたので……慌てずに矢を放てた。
結構な数だが……今回は火葬する余裕はないだろう。
ケインらにも、説明した時には少し不思議に思われたし……この数では、毎回毎回は大変そうだ。
次回はまた明日〜




