第46話 天神様と魔の森②
お待たせ致しましたー
「……この『魔の森』には、特殊な魔力が広がってるって有名なんだ」
ケイン達から、酒を分けてもらったので……それを飲みながら、彼らから情報を共有することになったよ。
「特殊な……ですか?」
「ああ。と言っても、毒とか変に状態異常になるもんじゃないらしい。個人差はあるが……一部の魔力を封じられるとかだ」
「一部の魔力?」
「簡単なとこだと回復魔法だな」
なるほど……それで、私達の『飛翔』が今はほとんど扱えないと言うわけか。
その特殊な魔力の根源は何か……彼らは知っているだろうか?
「……僕らは今のところ大丈夫ですが。皆さんは?」
「リクターが回復魔法担当だかんな? だから……高ランクのやつが効きにくくなってる」
「……うん」
てっきり、ディアナだと思ったら……回復担当はリクターのようだ。見かけだけで判断してはいけないねぇ?
『ぼ……く、だ……じょぶ』
とここで、私に抱えられているフータが話に入ってきた。
「フータ?」
『……つか、える。か……い、ふく』
「え? フータ、回復魔法使えるの?」
『お……ぼ、えた』
いつどこで? と全員で聞いてしまうが、フータはわからないと体を揺らすだけだった。
「んじゃ、何かあった時は平気ってか? 精霊でも中級とくりゃ……ここの魔力もあんま効きにくいのか?」
『う……うん』
「え、違うの?」
『と……べ、ない』
私やトビトは黙っておくが、フータは中級精霊だから飛翔のことを多少話しておいても大丈夫だろう。……と思ったが、ケインらは口をあんぐり開けていたね?
「ひ、飛行を可能? その図体で?」
「……知らないだけで、精霊ってなんでも有り?」
「…………かも」
私やトビトまで精霊だと打ち明けたら……これ以上に驚くだろうね? よっぽどのことがない限り言わないでおくが。
「あの……皆さんは、どうしてこの森に?」
とりあえず、話題を変えてみよう!
私が質問すると、ディアナがすぐに我に返ってくれた。
「え……えーっと、一応依頼よ。ケルピーって魔物が棲息してる地域で……ちょっと難しいけど、触角の採取」
「ケルピー?」
「聞いたことない? 幻獣種とも言われているので……個体差はあるけど、フータのように対話も可能とする知能の高いやつらしいわ」
「……話せる魔物」
それは実に興味深いね?
もし……話せる個体に出会えれば。
聖樹石の存在する場所を……知っているかもしれない!
次にすべき事が、ひとつ見つかった気がしたよ!!
「……来る?」
リクターには、私の顔に決意が出ていたのかすぐにわかってしまい。
トビトに私は目配せすると……彼は異論がないように頷いてくれた。
「……足手まといになるかもしれませんが、僕らも一緒に行っていいですか!」
決めたら……動くしかない!
次回はまた明日〜




