第37話 慣れては……ダメ
お待たせ致しましたー
シトゥリから離れて……幾日か経った後。
私達は今日も今日とて、討伐に精を出していたよ。
「「はぁあ!!」」
トビトと狼のような魔物……ワーウルフという二足歩行する摩訶不思議な獣と遭遇し。フータの協力も得て、真っ二つにするなどして屠っていく。
討伐するのに、私もだいぶ慣れたせいか……最初の頃のようなためらいは薄れていた。が、薄れているだけで『良い』ものとは相変わらず思わないけれど。
(……呼吸をするように、殺す事を慣れてしまったら)
それはもう、現世で言うところの快楽を覚えた存在と変わりないかもしれない。そのような愚かな存在にはなりたくないので……討伐証拠を取った以外は、丁寧に火葬するようにしていくのを習慣づけていった。
これが……私也の誠意だと自分に言い聞かせるためもあるのだ。
「……森まで、もうまもなくですな」
トビトが周囲を警戒している間、彼の目の届く範囲に『魔の森』の入り口が見えたらしい。
「トビトとしては、どのくらいで着く予定?」
「……そうですな。飛翔すれば、半日程度かと」
「うーん。食料とかも特に減っていないし……行ってみようか?」
『う、ん!』
「承知」
きちんと後片付けをして……周囲に人影がないか、トビトと確認し合ってから。私達は念を込めるようにして……宙に身体を浮かせた。
「よーし!」
現世で言うところの、漫画やらアニメやらを真似するような芸当だが……他に参考出来るものがないからね?
背負った弓を落とさぬように、トビトらとそのまま目的地まで飛翔していく。
誰とも出会わず……そのまま、突入しようと思って……いたのだが。
『マ、スター』
フータが、途中で私の服の裾を引っ張ったのだ。
「どうしたの?」
『ヒ……ト、困って……』
「「ヒト??」」
『あ、そこ……』
フータが言っている場所を見ると……ちょうど、森らしい暗い場所の手前で、ひとりの冒険者らしい少女が……ワーウルフに囲まれていたのだ。
「……ミザネ殿」
「うん、行くよ!」
このままだと、あの子は対処出来ずに殺されてしまうだろう。見たところ……気迫も何もなく、ワーウルフらに怯えている感じ。
私達よりも、駆け出しの冒険者かもしれない。
聖樹石のこともあるが……このような危機を助けないのは人……いいや、元神としても見過ごせないのだ。
トビトと頷き合い、飛翔を少し手前で解いてから……彼を先に速足で向かわせて、私はフータと共に後に続いた。
「はぁああ!!」
あと少しで追いつく時には、トビトが愛用の武器である苦無で次々と屠っていたよ。
少女の方は……いきなりの乱入に、惚けたような表情になっていたがね?
次回はまた明日〜




