第26話 天神様と街中②
お待たせ致しましたー
「防具……ですか」
トビトにも話すと……自分の恰好を見てから頷いてくれた。
やはり、私達に今必要なのは……それだと。
目的が決まったのであれば、市場の中を見回ったのだが……それらしい店は見当たらない。こう言う場所にないとすれば、店の方だろうか?
「防具とかの店なら、もっと商業区に近い方だね?」
串焼きを買うついでに、店主に情報を聞くと……快く教えてくれた。
特別腹が減っていたわけではないが……醤油に似た味わいの串焼きの匂いに釣られてしまってね?
味もまずまず……串を返してから、私は彼に礼を告げた。
「んじゃ、行こう!」
防具となれば……鎧。
平安の武士らが身につけていた……細工が美しいあれなどは流石にないとは思うが。
皮か金属か。
金は多少融通はきくものの……いきなり、すべてを使うわけにはいかない。あの宿にはまだまだ泊まるつもりでいるからね?
美味しくなった冷たいエールをもっと飲みたい。
三人でしばらく商業区とやらを目指して歩いていると……途中から、建物の壁に看板がかかっているのが見えた。
最初はこちらの字だったのが、ぶれて私には馴染み深い日本語が表示された。
転生特典? と言うのかな?
非常に便利で助かるね。
それを見ながら、私達は防具屋らしい建物の前に着いたのだが……少し、暗い印象を受けた。
邪気ほどではないが……何か気配が暗かったのだ。
「……我が先に」
「ううん、僕が行くよ」
トビトの体格で相手がびっくりしてもおかしくはないからね?
多少の緩和剤になるような……子供くらいの私の方がいいだろう。
扉を開けてはみたが、やはり中もどんよりとした空気のような……気配が漂っていた。
「……………………いらっしゃい」
暗い。
店主らしいが、かなり暗い雰囲気を出していた。
一応、接客をしてくれるようだが……大丈夫かと心配になった。
「……あの。僕ら、防具が欲しくて」
「…………冒険者、か?」
店主が奥の影から出てくると……かなり小柄の男が出てきた。
壮年の貫禄はあるのだが……背丈が小さい。
たしか……ファンタジーの世界とやらでは、定番の種族のひとつ。エディトのエルフ並みに有名だった種族だ。
「はい。僕らまだ駆け出しですけど……」
店主が私の前に立ったが、やはり私の腰より少し上程度しかない。トビトだと腰より下くらい。
フータは興味があるのか、私の腕の中で体を揺らしていた。
「……中級精霊?」
『う、ん!』
店主もフータに興味を持ったのか……暗い表情にほんの少し光が見えた気がした。
「……そーかそーか! 駆け出しとは言え、中級精霊を使役するたぁ……俺もまだまだ運が尽きてないな!!」
そして、少しずつ言の葉に気力が満ちてきたのか。
店主の表情は完全に日の光のようだった。
次回はまた明日〜




