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第19話 天神様と初めての討伐②

お待たせ致しましたー


『す……ごい……!』


「……うん」



 武器を扱うのも、殺生をするのも初めてだと言うのに。


 元からが人間でなかったと言うこともあるからか、殺生にためらいがないのだろう。


 私はと言えば……平安の世でも、特に狩りに参加することもなかった学者でしかない。


 怨嗟の塊にもなったことはあったが……一度だけ、罪を犯したな。



(……呪って、呪って……人を殺めたな)



 私を貶めたと決めつけただけで……その魂を絡め取った。二度と浄土へなどと行かせぬように……と。


 なのに、あれは許され……私も天神と言う道を歩むことに。


 であれば……さらに転生を成した今でもきっと殺生にためらいはないだろう。



『マスター……何か、ひかっ、た……』


「ん?」



 考え事をしているとフータがそう教えてくれたので、懐に入れていたものを探ってみた。


 白く光っていたのは、クエスト用紙。


 採取の時とは違い……討伐をしたことで、たしかカウントと言うものを教えてくれると狐耳の男性が言っていたような。


 どのような仕組みかはわからないが、いちいち数えるのも面倒なのでこれは有り難い。


 今で二体だったので、数字には同じ数が刻まれていた。


 討伐目標は五なので……あと三体。


 奥を見ても、これ以上湧いてくる気配はないが油断は出来ない。


 トビトに後始末の方法はきちんとしようと、やり方を教えることにした。



「……埋没、ですか?」


「素材というのも馬鹿に出来ないらしいし、解体もね?」



 討伐の証拠品としては、小鬼(ゴブリン)は持つ小さな角があればいいようだ。数はできるだけ正確に。あの用紙があっても必要最低限の証拠品は持ち帰るようにと言われたのだが。


 残ったものを、放置ではなく土の中に埋めるのをトビトは手伝いながらも不思議そうにしていた。



『マスター……こ、れで……いい?』



 フータも手足はないものの、魔法を使って似たことをしてくれていた。


 魔法というものは、神道や陰陽道とは違い色々便利だ。


 あの冷たいエールも格別だからね? 今晩は、宿屋で女将だと教えてくれたあの女性らが振る舞ってくれるようだが。



「ああ。ありがとう」



 そして……私は、元神としての癖もあるからか。


 こちらの都合で討伐してしまったこともあり、簡易的ではあるが……言祝ぎの祝詞を、土に埋まった彼らに贈った。



「……かしこみ、かしこみ……申す」



 少しでも、彼らの魂が……こちらでもあるような浄土へと近づいてくれると良い。


 自分勝手で、愚かな考えではあれど。



『……き、れ……!』



 終わったと同時に、フータは何かを見つけたのか。


 ひとりで、奥に身体を跳ねて行ってしまったのだ!?

次回はまた明日〜

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