静まる街で
人びとが寝静まり、街の灯りも消え、夜を染めるのは、澄み渡った深い藍色の空に星が瞬く美しい空。
そこへ、サンタクロースを乗せたソリがたどり着き子供達へのプレゼントを届けます。奇跡の夜はトントゥ達が家に上がっても住人が起きる事もなく、プレゼントを置く事が出来る。特別な日なのです。
だから、みんな、大急ぎでプレゼントをそれぞれの家にいって、置くのです。夜が明けてしまう前に、全てのプレゼントを必要な子供達のもとに届けなくてはいけないのですから。
夜が明ける前に、全てのプレゼントを届けたトントゥ達は急いでソリに乗り込み、鈴の音を響かせ白みゆく空に姿を消して行きました。
帰れば、トントゥと、サンタクロースは皆で豪華な料理を囲み。今日の仕事を労い。その成果を肴に酒を飲み交わすのです。
夜が明け、一度帰ってきてしまえば、奇跡も役目を終え。
ソリもトナカイも雪の上にその重さをあずける。トントゥ達は各々片付けであったり、夕食の準備に取りかかります。
沢山の食事を皆で囲んで、準備は整いました。
「それでは、みなの頑張りで、今年も子供たちにプレゼントを届ける事が出来た。みな、お疲れ様。疲れた事だろうし、話しはこれぐらいにして、食事を始めようか。そして、お楽しみの、子供たちの笑顔を見ることにしよう!」
『おおっ』
「夢は満ち、奇跡の夜に贈った。我々の細やかな贈り物と子供たち映しておくれ」
そう、サンタクロースが唱えながらスノーボールをみんなが見える真ん中の位置に置くと。中の白い雪がチラチラと光り輝き、その輝きにプレゼントを前に喜ぶ子供達の姿が写し出されるのです。
沢山の子供達の笑顔を見ているうちに、ひとつの問題がありました。
プレゼントに喜ぶ子供達のなかに、仲間のトントゥが紛れていたのです。
それを見たサンタクロースやその場にいたトントゥたちは、ビックリして声をあげましたが、数年に一度起きる事なので、みんなで次のクリスマスに迎えに行く事を決め。そのまま、子供達の様子を見る事にしました。