8話
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また、私は行き詰まっている。
もう! マキアさんはあんなことを言ったけれど、嘘なんじゃないかしら! 能力があれば、中級魔法なんて簡単にできるはずだもの!
「ハナ、マキアさんのところに行くわよ!」
「……はい」
仕方なさそうに頷いて、私を連れて外へと繰り出した。
「マキアさん!」
私は大きく手を振って、牛の世話をしていたマキアさんのもとに走る。
「あ、お嬢ちゃん」
顔を上げて、私に手を振ってくれる。
「魔法の修行?」
「えぇ! お願いします!」
「あはは、私師匠だー」
「よろしくお願いします、ししょー!」
私の声に満足げな笑みを浮かべて、ししょーは頷いた。
「まず、お嬢ちゃんは魔法をどの程度使える?」
「中級で行き詰まってしまって……。中級魔法の練習をし始めたのだけれど……」
驚いたのは何故かハナだった。何か言おうとしたのをししょーは制止して、パチ、と指を鳴らした。土の初級魔法だ。
「これと全く同じ土塊を作ってみて」
足元に現れた小さな土塊を指差してししょーは言う。
私も同じく指を鳴らして土塊を作ってみる。私としてはいい感じに見えたのだけれど、ししょーから見ると駄目らしかった。
「んー、まず、微妙に大きさが違う。まずはそれを直してみて」
もう一度指を鳴らしてみたけれど、思うようにはいかない。ししょーが作った土塊よりも少し大きいのだ。
ふふん、とししょーは指を立てて説明する。
「これはね、魔力のコントロールの練習。お嬢ちゃんはまだ幼いから、コントロールをしっかり練習しないと」
ハナはもう全てを諦めて、牛の柵の上に座っている。ししょーはその隣に立って、私の様子を眺めていた。
私はハナに時間だと呼ばれるまで指を鳴らして土塊を作り続けたのだけれど、上手く作れたものはなかった。
「あ、そうだ。帰る前に一個。お嬢ちゃんは自分の適正魔法は調べた?」
「いいえ。できれば知りたいけれど、オールラウンダーを目指しているから後回しにしていて……」
ほんとは知りたかったのだけれどね。
ししょーは指で輪っかを作って、それを目に当てて私を覗いた。
「んー……。お嬢ちゃんの適正は……赤! 家で魔法の練習をするときは、赤系の魔法を練習するのが効率いいと思うよ!」
その輪っかを外して、ニコッと笑ってくれる。私も真剣に頷いて、お礼を言った。
「えぇ、分かったわ。今日はありがとう」
「うんうん、またいつでもおいでー」
ハナは私と手を繋ぎながら、元の道を辿る。
「お嬢様、今日はどうでしたか」
「難しかったわ。思うようにはいかないものよね。……ねぇ、ししょーって、優秀なひとなの?」
私はふと思い出して聞いてみる。
「……何故そうお思いに?」
私は顎に手を当てて、首を捻った。
「うーん、ハナが許すほどだから、優秀で、よほど私を危険に晒さない保障があるひとなのかなって思ったのよ」
ハナはちら、と私を見て微笑んだ。ハナはいつも無表情のときが多いから、珍しい表情だ。
「えぇ、彼女は優秀な女性です」
「やっぱり、そうなのね」
私はハナの微笑みに驚きながらも、自分の考えが正しかったことに少し満足する。




