14話
前回から間があいてしまいすみません……。待っていてくださった方、ありがとうございます。
「……あーあーあー」
「お嬢様、あなたはなんてことを……」
ですよね。私もそう思うもの。
ししょーの農場にハナも連れて来て、ミリーを紹介してみたのだ。
「いや、ね? 私も気付いてはいたし、もしかしたら彼女にも気に入られるかもなー、くらいには思っていたんだけどね」
ししょーはへへ、と笑いながらミリーに目をやった。はぁ、とししょーとハナはため息をついて、私に目を向ける。
「まぁ、魔王討伐の戦力にはなるかな……って」
「それはそうですけれど! 精霊の力を得たい者どもに利用されかねないのですよ!」
ハナがミリーを指差した。
「わらわがそうさせはせぬよ」
指をさされたミリーが心外そうに肩を竦めて私の頭をうりうりする。私はその手を払って、ミリーを睨んだ。
「いい、ミリー。私はまだ貴女を信用したわけではないのだから!」
「わらわたち精霊は、嘘など吐かぬよ。嘘は穢れを生み出すであろう? 一度わらわを信用して、利用してみるのもよいと思うぞ」
私に怒鳴られても動じずに飄々と言ってのける。
あぁ! ムカつくわ! いいように手のひらで転がされている気がするんだもの!
「だいたいねぇ! 私より魔力の高い子どもだっているでしょう!」
「純度の問題じゃよ。魔力が高くても純度が低ければわらわたち精霊は好かぬし、高等の魔法も使えないであろう」
ミリーがそう言うと、何故かししょーがうんうんと頷き始めた。
「たしかに、お嬢ちゃんの魔力は余計な邪気が無いもんね。たった一個の目的のために練り上げられた魔力、って言うか」
「そうじゃ! そなたも分かるな? 精霊の血が入っているのだから」
「……あー、そうだねぇ」
ししょーは苦笑を浮かべて頷いたけれど、ちょっと待って!
「精霊…………?」
「うん、そう。私のおじいちゃんが精霊なんだよね。あんまり言うもんじゃないと思って言ってなかったけど」
ししょーは困ったように眉を下げながら、ちょっと笑う。
「にしても、人の子と結婚するなど珍しいの」
ミリーは腕を組んで、首をかしげた。私も一緒に首をかしげる。
「精霊に好かれる人だっているでしょう? だからこそ精霊は人間と契約するんじゃない」
「人間との子を生めば、精霊の血が薄まってしまうからのぉ」
精霊としては、メリットが無いということらしい。
「んー、じいちゃんはばあちゃんのこと大好きだからねぇ」
ししょーはふふ、と笑う。
「でも、隔世遺伝って言うのかな。私にもじいちゃんの力が受け継がれてるんだよね」
「ふむ、興味深いことじゃ。わらわの周りにも人間と結ばれた者など居らぬしな」
ししょーは私の魔法の練習に使う的を設置しながら、二度頷く。人の形に作られた的をペシペシと叩いた。
「でも、これは秘密にしてね? 知られると結構面倒くさいしさぁ」
「もちろん言わないわ。ミリーのことまでバレそうなんだもの」
お父様にバレたらそれはもう地獄よね。屋敷に閉じ込められてもおかしくないくらいよ。
ししょーは話を止めて、地面に固定した的から離れた。
「ハイ、いつも通りの練習だよ。そうだな、今日は水魔法でこの的を狙ってみて」
この的の練習は集中力が必要になる。私はまだコントロールが上手いわけではないのだから。
的から二十メートルくらい離れてから、じっと狙う。
……あ、外した。まだまだ練習を積まないと。
私が何度か水を放出させるのを見ていたミリーは、口を開いた。
「自分で狙うというより、相手に吸い込まれていくようなイメージをすると当たるんじゃ、これが」
私の横に立って、腕を突きだす。
「……ほらの」
よろよろとした弾が的のど真ん中にぺしょ、と当たる。次は腕を振る。
「勢いの強いものはコントロールが難しいがなぁ、イメージが大切なんじゃ……」
とんでもない勢いで飛び出した弾も、マネキンの胸の当たりに命中する。
「吸い込まれる……」
私もマネキンの胸辺りを見て、力を込めた。
ぺちゃ……草に落ちてしまう。
「最初は当たらんでも大丈夫じゃ。そのうち意識せずとも当たるようになる」
ミリーの言うように意識してみれば、前よりも的中率は上がった。けれどまだまだ完璧じゃないもの。もっと練習が必要だわ。
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