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絶滅危惧種は恋をする  作者: ななな
23/25

その後の話「猫っ毛 その1」

あの日の出来事から少したったある日のこと、伊織はずっとしたかった事があった─

「凜音君たっだいまぁ〜!!」

 と伊織が元気よく家のドアを開ける

 

 季節は夏の終わり

 伊織は凜音が引っ越して来た次の日には2週間の休暇が終わっていたので仕事へ行っていた

 しかしながら大学生の凜音はまだまだ夏休みがあるため毎日家の家事全般をやってくれていた

 

「おかえりなさい」

 と凜音がちょうどダイニングテーブルに食器を並べていた

「凜音君…今日の夕飯はなんですかっ?」

 と伊織が元気よく聞くと凜音は微笑いながら

「ハンバーグがメインです。あとはサラダに、」

 と言っていると伊織はハンバーグという単語に瞳を輝かせてダイニングへと走り出した

 

「…」

 

 凜音は唖然としていた。

 

 *****

 

「はぁーおいしかった…凜音君天才…」

 と幸せそうに食器を片付ける伊織

 凜音は苦笑いしながらテーブルに座っている

「凜音君先にお風呂入ってきちゃいなー」 

 と伊織は食器を洗い出した

 凜音は困ったように伊織の方を見て言う

「伊織さんが先ですよ…伊織さん疲れているんですから、食器洗いも僕やりますから…」

 しかし伊織は

「何いってんの〜、私が疲れて見える?…先入ってきなさい、ほらほら」

 と急かすように言うので(毎日のことだが)凜音は申し訳なさそうに返事をして入っていった

 

 *****

 

 凜音が風呂を終えてダイニングへ来ると、伊織が目の前でドライヤーを持って待ち構えていた

 

「…ぇ」

 

 と凜音が声を洩らしたときにはソファの上に連れてこられていた

「ずっと乾かしたいって思ってたので!乾かします!」

 と事後報告気味になりつつドライヤーのスイッチをオンにした

 

 凜音の髪の毛はされるがままに水滴を落した

 

 暫くすると伊織は嬉しそうに笑う

 

「凜音君の髪、猫の毛みたい」

 と言った

 そう言ってから凜音の返事がないので伊織は凜音の

 顔を横からのぞき込んだ

 

「…」

 

 伊織はその瞬間更に嬉しそうに微笑だした

 凜音が気持ちよさそうに瞳を閉じかけていたから

「凜音君…?気持ちいい?」

 と髪を梳きながらドライヤーの風を通す

「ん…」

 と目を瞑りながらリラックスしている凜音

 返事とも言えないような声を発して全てを伊織に委ねている様子だ

「髪とか触られるの好きなの?」

 優しい声で伊織は話しかける

 すると凜音は自分の髪に触れる伊織の手を優しく捕まえると伊織の方を向く

 

「伊織さんの手が優しいから、心地よくて眠くなります」

 と言って眠そうな顔で微笑んだ

 

 伊織は危うくドライヤーを落としそうになりながら、少しだけ頬を赤く染めて

 

「…はぁ…」

 謎のため息をつくばかりだった

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