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最終回 少年跳躍

ええー、やだなぁ。



確かにその3択であれば、

「右脚グニャグニャマン」

かなぁとも思う。


でもそれならいっその事、

「ゾンビマン」

の方が良いな。




そう思った瞬間、目の前が真っ黒になった…





…気が付くと、俺は真っ黒な空間の中に居た。

そして目の前には禍々しいオーラを放つ、一人の男が立っていた。


初めての空間。

初めての体験。

しかし俺はその男に見覚えがあった。



ハイチで会った、あの司祭だ。



身構える俺を制止し、

男は語り出した…



「これで私が死者の王だ。

お前はついに私の物になったのだ!」



要は、コイツはゾンビを使って世界征服しようとしてるんだけども、ゾンビ王の正統な血族である俺が邪魔だったと。

記憶も含め、親父から俺に力が継承される前に、俺の体を乗っ取ろうと思っていたけど上手く行かなかったって事ね。

でも俺が"自分がゾンビである事"を認めてしまったから、この体を自分の物に出来たんだぞ、と。


はぁ?


何だそれ。


何かムカつくな。

俺の体は俺のものだ!

お前なんかにやるものか!


その瞬間、その空間は砕け散り、

俺は俺の体を取り戻した。



"そんな…バカな…"



頭の片隅で声が聞こえたが、

そんな事、どうでも良かった。


俺の意識が飛んでいる間に、機内は地獄と化していた。

あのツルツルも含め、沢山のゾンビ達が乗客に襲い掛かっていたのだ。

今はこの機内を何とかしなければ。


でも大丈夫だ。

もう何をすれば良いのか分かってる。

俺は小さく

"すまない"

と呟き、寝ているヒロシの腕に噛み付いた。




俺の本能は最初から感じていたのだ。

この飛行機がたどる「墜落」の運命を。

俺の本能が言っていたのだ。

「死」の運命からヒロシを救えと。




俺は全てを理解した。

王たる俺だけに与えられた力を。

俺に噛まれた者はゾンビになってしまう。

しかし、人間としての魂と人格を失う事は無い。


俺はヒロシを食いたかったのでは無かった。

ヒロシを噛む事で、ヒロシを救いたかったのだ。




立ち上がるヒロシ。


「先輩、カンベンして下さいよ。」


軽口を叩きながら、

しかし一瞬で視界からヒロシが消えた。


全てのリミッターを外されたその体は、凄まじかった。


それはたった10秒間の、一方的な殺戮。


跳弾の様に壁から壁へと跳ね回るヒロシは、

まるで雑草でも摘み取るかのように40体全てのゾンビの首を引きちぎっていた。







もうこの飛行機が助かる見込みは無い。

操縦室からは、何かを壊す音が聞こえ続けている。


機内のモニターは、ゾンビによる世界の危機を伝え、

揺れる機内では、乗客達のすすり泣く声が聞こえている。


可哀想だが、乗客に残された選択肢は、

1つしか無かった。




俺は絶対に許さない。


世界征服なんてつまらない目的の為に、人々の命を奪うお前を。


世界征服なんてつまらない目的の為に、ブードゥーの神聖なる儀式を汚したお前を。


俺達は、

今から墜落で死ぬだろう。

でも、死んでも必ずお前を追い詰めてやる。

待っていろ!




俺達の戦いはこれからだ!!






ご愛読ありがとうございました。

やたら先生の次回作にご期待下さい。


いかがでしたでしょうか。


某少年誌の

ギャグ漫画→路線変更で戦闘物→いきなり打ち切り

までの感じがやりたかったのですが、

やはりウンコにこだわり過ぎましたかね。

自分では、かなり気に入ってるくだりなのですが。


最後までくだらない感じでしたが、

最後まで読んでいただきまして本当にありがとうございました。


もしお時間頂けるようでしたら、

「封鎖完了」

もよろしくお願いします。


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