第1魔王災害
初投稿です。モチベの続く限り。
失踪確率は高めです。
ある国、ある酒場で、1人の詩人が琴を片手に物語を綴る。
『はるか昔、王国成立の少し前。そこにはグラグ帝国という国があった。
帝国の皇帝は国教であるアストラ教を軽んじ、道楽で民を、人を殺している、愚かな皇帝であった。
そんな皇帝の元へ、一人の使者がやってくる。協会からの使者であった。
使者は言った。
「皇帝陛下、魔が急激に拡大しております。これを放置すれば、国は滅ぼされてしまいます」
しかし、皇帝は言った。
「よくそのような嘘を言えたものだ。この無礼者の首を落とせ!」
そして、皇帝を恐れた信徒と臣下たちは皆、口を開くことは無くなった。
それから、20年の後。
第一魔王災害と言い伝えられる魔物の大襲来があった。
城壁を破られ、民家を破壊され、多くの民が死ぬことになった。
そこで、誰かが言った。
「あの時、皇帝が使者を斬り捨てていなければ」と。
皇帝の愚行を知った人々は怒った。
「皇帝が正しい判断をしていれば」と。
勇敢な若者と光る剣によって、辛うじて魔王は討伐された。
しかし、民の怒りは収まらなかった。
ついには愚帝を処刑するとともに、魔王を討滅した勇ましき者を新たな王として迎え入れた。ここに革命が起こり、王国は成立した』
それ以来、
魔物の王―――魔王が、時たま世界に生まれ落ちることがある。
魔王は魔物を統べ、組織的に人を襲う。
時を同じくして、人の中に勇者が生まれる。
勇者は、熱を帯び光を放つ聖剣を行使し、魔を払う。
王国歴381年、また1つ、魔の王が生まれ落ちた―――
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