ペンギン三兄弟 〜 12話 さあ、どこへ行こう の巻
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
前回、春のいたずらな風で
家の天井が落ちてしまった三兄弟。
仕方ないので、家を作ることにしました。
チャンは、ワラを使って 家を作りました。
ドンは、木の枝を集めて 家を作りました。
「そんな軽いもので作ったら、また風で飛んじゃうよ」
ゴンは、そう言って 無謀にもレンガの家を作ろうとしました。
チャン「ちょっと待った〜!それじゃ おバカなこぶたの話になっちゃうだろー」
ドン「そうそう、僕たちは、おバカなペンギン三兄弟」
チャン「だいたい、ゴンがレンガの家なんて
作れるわけありませんよ。恐ろしく不器用なんですから」
ドン「そのとおり!」
ゴン「ま、否定はしませんけどね」
というわけで、しばらく家が工事中なものですから、
三兄弟は、ちょっと旅にでも行ってみようか、って話になっていました。
ゴン「どこ行く?」
ドン「そうだ、京都行こう」
チャン「京都って何があるの?」
ゴン「お寺とか、神社とか」
チャン「えー、お寺なら この辺にもあるよ」
ドン「浅草とかねー」
ゴン「じゃあ、北海道行こう」
チャン「北海道って何があるの?」
ドン「うーん、海」
チャン「海なら、この辺にもあるよ」
ゴン「お台場とかねー」
ドン「じゃあ、長崎行こう」
チャン「長崎って何があるの?」
ゴン「教会とか」
チャン「教会なら、この辺にもあるよ」
ドン「明学にもあるねー」
「うーん」
3羽は、そろって頭をかかえてしまいました。
ゴン「じゃあ、どこ行く?」
チャン「とりあえず、あそこ行く?」
ドン「あそこってどこ?」
ゴン「あそこはあそこだよ」
ドン「あー、あそこね、いこいこ」
チャン「ほんとにわかってんのかなあ」
3羽は、チャンを先頭に、とりあえず歩き出しました。
そしてやってきたのは、ここ!
「氷豆」と書かれた看板の前です。
ドン「あー、ここね、ひょうまめ」
ゴン「ちがうよ、こおりまめ!」
チャン「そうだっけ?」
3羽は、ドアを開けました。
カラン、カラン、カランと
ドアのベルが響きます。
マスター「いらっしゃいませー」
チャン「マスター、いつもの!」
ドン「ぼくも、いつもの」
ゴン「おれも、いつもの」
マスター「かしこまりましたー」
ペンギン三兄弟、旅に出るのは
まだまだ先かな?
おわり