パレードの夜には何かが起こる!
皆が遊園地へ集合した
「ごめーん!ちょっと遅くなっちゃった!」
「す、すみません!」
森崎と栗原が少し遅れて来たがこれで全員揃った。
森崎の私服は普通にお洒落だったが、気を使ってかそこまで気合いを入れたようではなかった。
「よっしゃ!入ろうぜ!!」
「入ろー入ろー!!」
竹田と真里ちゃんはかなり楽しみにしていたっぽい。
ここで真里ちゃんが提案を出す。
「男女3人ずつなんだし、手繋いで歩こうよ!なんてったってここは夢の国だよー!」
「ふっ夢の国か…懐かしいな…あの頃を思い出す…。」
メガネスイッチ入りましたー!
俺は渋々手を森崎と繋いだ。
あいつら絶対自分たちが堂々と手繋ぎたいだけだろ!!
「失礼します。」
「なにそれー?変なの!」
「う、うるせーな!」
森崎は強引に俺の手を引っ張って手を繋いだ。
「りっちゃん達の為だよ!」
「お、おう」
「い、良いのか?栗原。」
「う、うん。皆手繋いでるし…」
おっ!なんか良い感じでね?
「じゃ私とメガネはあっちで乗りたいのあるからー!また後でね!」
お前らもう帰ってくんじゃねぇー!!
俺達は結局4人で行動する羽目に。
こうやって遊園地なんかで遊ぶのは俺は初めてだった。思っていたより楽しんでしまった。
「ジェットコースター最高!!」
「相田っち疲れないの…?私は酔ったよ…」
「美沙ちゃん私も少し…」
「おい、大丈夫かよ?あっちで休憩しよーぜ!飲み物買ってくっから!相田行くぞ!」
俺と竹田は飲み物を買いに行き、これまでの事を考えたら異色の2人がジュースを買っているのをクラスメイトが見でもしたらどう思うのだろう。
「めっちゃ楽しいぜ相田!」
「俺も遊園地なんて初めてだからかなり楽しんでいる。」
「あの、あれだ今日はサンキューな!」
「おい、まだ終わってねーからな!」
「だなぁ。なんか緊張して来たぜ。」
俺はポンッと竹田の腰を叩いた。
「待たせたな!ジュースで良かったか?」
「あ、ありがとヒロくん。」
「次はゆっくりしたの乗ろうよ!観覧車とか!ね相田っち!」
森崎はウインクして合図を送ってきた。
「そうだな!それが良いな。」
俺達はジュースを飲み干し別々に観覧車へと乗り込んだ。
「何喋ってるんだろーね!」
「そーだな。」
「ねぇ相田っちは好きな人居るの?」
「は?別にいねーよ!お前はどうなんだよ!」
「いるよ」
「へ、へぇ〜まぁ俺には関係ねぇし!」
「関係無い事は無いかな〜?」
俺は強く森崎の手を握ってしまった。
「あ、相田っち?」
「俺、高所恐怖症なんだ!!たけー!」
「バカ…」
一方竹田は会話が弾まず沈黙が続いていた。
「景色良いな。」
「うん、そうだねぇ…」
「………。」
高所恐怖症の俺には観覧車の一周は長すぎた。
「あー怖かった!」
「ダッサい相田っち!」
「竹田どうだったよ?」
「緊張して喋れなかった…」
「もうあんま時間ねーぞ。」
「あぁ分かってる…」
「おーい!」
真里ちゃんとメガネがやっと帰ってきた。
「なんすかその格好は!」
ネズミの耳のような帽子にサングラスを掛けて戻ってきた。
こいつらはしゃぎ過ぎだろ!!
「あの2人に良いとこ無いかずっと探してたんだよねー!ね、メガネ!」
コクリ
「真里ちゃんメガネ…俺知ってっからね?2人が…」
「え、な、なにが!」
ギクリ
「また今度説教な。」
「相田っちパレードしてる!行こう!」
「おい、竹田達も行くぞ!」
「あれ、りっちゃんは?」
「あれ!?」
栗原は知らないうちに俺達とはぐれてしまっていた。
遊園地はパレードも始まり人が増えてきている。
「俺が探してくるから、みんなはパレード見ててくれ!もしかしたら戻ってくるかもしれないし!」
「わ、分かった。戻ってきたら連絡するから!」
竹田は走り栗原を探した
「くっそ!やっぱり俺は安藤が居なきゃ何もできねーのかよ!」
その時ナンパをされている栗原をようやく見つけ出した。
「やめてください!」
「遊ぼうぜ!君可愛いよね!」
「おいゴラァ!人のツレに何してくれてんだ!」
「なんだよ男居んのかよ!先に言えよな。行こうぜ。」
「栗原大丈夫か??」
「ヒロくんありがと…はぐれちゃってごめんなさい…」
「無事で良かったよ。手離してごめんな。みんなの所に戻ろう!」
「うん!」
栗原は泣きながらも笑顔だった
竹田からは無事に見つけたと連絡があった。
「綺麗だねー相田っち!」
「あ、あぁ。」
「竹田くん告白出来たのかな?」
「どうだろうな。」
竹田達とも合流し最後の花火を皆で見終えた。
「じゃ今日はおつかれさーん!私メガネに送ってもらうからじゃーねぇ!」
あいつら遊んだだけじゃねぇかよ。
「じゃあ俺達も帰ろうか!竹田、俺栗原送って帰っから森崎送ってやってくれよ。」
「お、おー。」
「じゃあ帰ろー相田っち!」
「竹田くん頑張ってるじゃん。」
「だな。またヒヨらなければ良いけどな!」
「相田っち手繋いで良い?」
「やだよ!もう遊園地じゃねーし!」
「バカ!!」
「ヒロくん、今日はありがとう!すごく楽しかった!」
「お、おう!俺もだ!……あのよぉ…」
「ん?」
皆が協力してくれたんだ!ここで言わなきゃ漢じゃねぇ!
「俺は…栗原の事が好きだ!」
「は、はい!」
「よかったら付き合って欲しい!」
「はい。…私もずっとヒロくんの事好きだったんだよ。」
「ほ、本当か!?」
「はい。こんな私で良ければお願いします!」
「もちろんだ!」