ファーストミッション開始!
後日、再び招集がかけられた事は言うまでもない。
「ようやく集まったな。では、君達にファーストミッションをお願いする。」
そう言うと雫は軍手とゴミ袋を取り出した。
俺達にゴミ拾いをしろと言うのだ。
「なんでだよー。」
「最初の依頼だから優しい奴を選んきてあげたのだぞ?それに、最近学校の周りにポイ捨てをする輩が増えている!調べた所によると校内で販売されているパンやジュースのゴミがほとんどだった。うちの生徒がポイ捨てしているのは間違いない。」
「なんで私達が拾わなくちゃいけないんですか?捨てた人探して拾わせれば良いじゃないですかぁ!」
よーし良く言った真里ちゃん!そーだそーだその通りだ。
「お前達は部が出来たとき何も反論しなかっただろう?
あの時議論でもして条件などを付けていたのなら話は別だったのかもしれないなぁ〜。
ここはボランティ部だ。正式に部になったのだから潔く引き受けてもらうぞ。」
半ば強制的に地下労働をさせられる羽目に。
学校の近くにある土手の辺りを重点的に掃除するよう言われた。
「さぁ世界を平和に!行きたまえ三銃士よ!!」
今日は燦々と太陽が昇っていた。
なにが世界平和だよ。
確かに土手には多くのゴミが捨てられている。
「今日の…日差しは濁っているわ。」
「あぁ…土や草木も泣いている。」
真里ちゃんメガネ!?
スイッチ入ったの!?
俺も参加しとくべき??
やっとくか
「風も語り掛けてくる…この、蝕まれた世界を救って…と。」
「えぇ….聞こえる。妖精達が泣いているわ!」
「僕達がやらなきゃ。僕達の手で救おう!そして、あの憎っくきデビルズデーモンを倒すっ!」
オホホホメガネめっちゃノリノリですやん。
「….………やりますか。」
ゴミをただひたすらにかき集めた。
「終わんねーマヂどんだけあんだよ!」
「手動かしなさいよ!」
「真里ちゃんはなんで雫先輩に目つけられたの?」
「あんた真里ちゃんとか言うけど私とメガネは1つ上よ!礼儀を知らんのか!」
「え、そーなの?ごめん。で?なんで?」
「私の……だから…。」
「え?」
「私のマスターだからよ!マスターには逆らえないの。マスターのお仕置きは世界を破滅にまで…」
「あ、もういいです。なんか言いそうな事大体分かるし。メガネは?」
メガネはコクリと頷く。そう、メガネは中二スイッチが入った時にしか声を出さない。
なにかしら弱みを握られてるんだろうな。
「雫先輩も大概に中二だよなぁー」
「あれは仮の姿よ。生徒会という秘密結社に入ってからは本性を隠しているの。」
「あーはいはい」
「なによ。あんたはどうなのよ?」
俺は全てを教えた。
なんせもう恐いものなんてないのだから。
「あんたも大変ね。さっ早くおわらせよ!」
黙々とゴミを片付け早1時間が経った。
「終わりが見えてきたぞ!」
「おーい!相田っちーなにしてんのー?」
「げっ森崎!うるせー部活だよ部活!」
土手の上から森崎が声をかけてきた。どこにでも現れやがる。
「何部ー?そんな事する部活なんてあったっけー?」
「帰れよ!うるさい!」
「頑張ってねバイバーイ!」
ちっ騒がしいやつだ。
「メガネー見た?こいつ、リア充じゃんね。」
コクリ
「裏切り者よ。いちいち見せつけてさ」
「友達が居ないとか嘘よ。飛んだホラ吹き野郎ぬね」
コクリ
真里ちゃんとメガネの冷ややかな目は俺の心を串刺しにした。
「ち、違うよ〜あいつはさ〜」
「うるせ!爆発しろ!」
俺のハートは砂のように粉々に粉砕された。
違うんだ見捨てないでくれよ部活の先輩だろ。
怒りと悲しみが交差する中なんとか清掃活動を終えたのだった。
「大したもんだな!ここまで綺麗になるとは思っても見なかったぞ!これで私達の世界も1つ救われたな。
あっ…聞こえる…土や草木の喜びの音色…風が運んで来る妖精達の感謝の言葉.…三銃士諸君ありがとう!報酬だ。飲みたまえエクスポーションだ」
「ありがとうございます。」
普通のサイダーだったが一汗掻いた後の炭酸は格別で身体に染み渡るようだ。
少し働くのも悪くないと思った相田だった。