4:go home
家に帰ります(グーグル先生)
「あれは、魔王様のところから離れて3日目のことだったんだ。
そのときの俺は、まだ馬とか牛とかを食べるのがあんまり慣れてなくて鶏を買っては、それを食べてた。
でも、やっぱり淫魔って女の人を…その、食べるじゃん。
なのに、俺は魔法で肉を食べれば生きていける体にしてるから…普通の人間より大量に食べないとダメなんだ。
でも、俺はそれを理解してなかった。
だから、お腹が空いた。
なんでもいいから食べたいと思ってた。飛ぶ気力もなくなって…危うく死にそうになってたんだ。
そのときにその馬が現れて、
食べてって言ったんだ。
俺は、躊躇したよ。
立派な鞍をつけてたから、飼い主がいるんだってことも分かってた。
理性が断ち切れそうになるのを、必死で抑えて俺はそこから離れようとした。
馬が美味しそうに見えたんだ。何も食べてないから、本能のまま動いたらそのままかぶりつくところだった。
そしたら、その馬…
自殺したいんだって言い出して…。
思わず振り返ったよ。
馬が!?って思ったし、何より俺にとって自殺ってワードは聞き捨てならないから。
その馬がさ…。もうこんな世界、生きていたくない…って言ったんだ。
何があったのかは、分からないけど不平等なこの世界でもう生きていきたくないって呟いてた。
だから、このまま意味もなく死ぬより俺に食べられて死んだ方がましだって言ったんだ。
俺も、もう限界が来てたから最後にいい?って聞いて、頷いたから…
…食べた。」
なんだか、すごい展開になってきてるけど…馬も自殺したがるんだな…。
そんなことをしみじみ思いながらイージョさんの方を見ると
「そ、そんな…。なぜ…。」
「それは、知らないけど…。でも、少なくともあの馬は俺に勝手に食べられた訳じゃないよ。」
だから俺のせいじゃないんだからね!と、言ってまた飛び回っている。
…すごいウザイ。一言余計だ。
すると、イージョさんがはっとしたように顔を上げた。
「そうか…。そういう…。」
「ど、どういうことですか…?」
さっきまで黙って聞いていたハナが、そのイージョさんの言葉に問いかけていた。
「いや…、あの頃受けていた仕事の依頼が少々酷なものでな…。
…今では、すっかりなくなっているのじゃが…。
魔力持ちの動物を人工的につくるということをしていたのだ。
ただことごとく失敗してな。
暴れて、その施設から逃げる動物が絶えなかった。
その施設も施設で、しっかりとした設備もないままやっていたのだ。
だからその逃げる動物たちを、街や国に入らぬうちに殺せという命令が下ったのじゃ。
…たぶん、それを見ているのが辛かったのじゃろう…。カルフィは、優しい奴だったからな…。」
そう言ってイージョさんは、立ち上がった。
「…すまないな。わしもあやつの気持ちを分かってやれていなかったのが悪い…。監督不行き届き、ということしてくれ。
…お嬢さん方も落ち着いたら荷物を取りに戻って来なさい。」
そう言って、馬に颯爽と乗って行ってしまった。
「…少し時間を置いてから、行こっか。」
「うん、そうだね…。」
ハナがその後ろ姿を見ながら、そう言った。
すると、トウマが降りてきた。
「はぁ…。本当に、疲れた…。」
ふぅと息を吐いてそう言った。
「あのおじいさん…鬼の形相で、追いかけて来てたからいつ殺されるか不安だった…。」
ハナが呆れた目で、トウマを見下ろしている。
うん、まあ…お前も悪いよな…。
「…そんで、今はどうしてんの?牛とか食べてるんでしょ?」
「あぁ、そうそう。これから、食べに行くのー。俺の牧場に。」
…え?
…はぁ……
………次から次へと、変なことに…。
帰りたーい。
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