13.かみ
「わっ…!」
「あ、紙が…」
紙は、宙を浮いて洞穴から出ていった。
え、これ追いかけないとダメ?
えぇ…めんどくさ…。
立ち上がり洞穴の外に出ると
「あ、あった…」
紙は、宙に浮いたまま止まっていた。まだ光っている。
「な、何……」
「あ、ちょっと待って…!待って…!今、忙しいから…!ちょっとそこで待ってて…!」
え……?誰…?
ハナとトウマを振り替えって、指差す。
_君たち?
_違う違う
手をぶんぶん振られた。どうやら違うらしい…。
なんとなく、話してはいけないと思ってたけど…別に話してもよかったな…、そう思っていると何かガサゴソという音が聞こえた。…そのあとによいしょ…という声も。
「ごめんねー。ちょっと、ペットがうるさくて…。まあ、とにかく自己紹介だね。はい、こんばんは。神様です。」
『……』
完全に紙から声が聞こえる。
陽気な青年みたいな声だ。神様…?
「…え?あれ、信じていいの?」
「…新米のユーチューバーとかじゃない?」
「…でも、私が転生前に聞いた声と同じかも…。」
「ちょっとちょっと。神様!神様だから!信じて?」
えぇ…、すごい焦ってる様子だけどこれ本当に大丈夫…?新しい詐欺とか…?かみかみ詐欺…?
私達が集まってこそこそと話していると
「いや、だって紙から普通、声しないでしょ!?というか、手紙の時点で分かってるよね!?」
「…紙だから…紙様なの…?」
トウマのその一言に、私とハナは紙の方を向いて
「え、ダサァ……。」
「何で!?そんなこと一言も言ってないよね!?神だから!紙じゃないから!紙で話してるけど!」
すごい忙しなく光っている。
とにかく、話してみなければ進展しないので座って聞くことにした。
…きっとユーチューバーの成れの果てだろう。
「と、とにかく…。紙に書いてあった通り話し合ってもらいたい!そして僕はそれを聞いて分かりたいんだ。」
「何をですか…?」
不信そうにハナが聞く。一番警戒心が強そう。
「ほら、書いただろう?思春期の少年少女の思いが分からないと。それを分かりたいんだ。」
「でも、何でそんなこと…。」
「まあ、それを話すと長くなるんだが…」
「あ、じゃあいいです。」
「え!?聞いてくれないの!?」
すごい残念そうな声を出した。
なんかこういう人って、いじりたくなるよね。ちょっと心理は分からないけど。
…まあ、そろそろ可哀想なので聞いてあげることにしよう。
「あ、聞いてくれるの?あ~、よかった~!これ、言わないとなんかむず痒くて…。」
「じゃあ、普通に話しなよ。」
「あ、ごめんねー。やっぱ、神様だしさ……って敬語使って!?これでも、神様だよ!?」
トウマが厳しく当たる。はやく洞穴に戻りたいようだ。
なんか近所に住む大学生のお兄さんに思えてきた。ユーチューバーから近所のお兄さんへ格下げだ。格下げ。
「えっとね…まず神様事情から話そう。」
「さっさとしてくださいね。」
「はやくしてー。」
「30文字に収めてください。」
「当たり方、直そうか!?」
ちょっとうざい親戚の叔父さんに格下げ。
読んでいただきありがとうございます。
3月までには、終えたい…です…。




