11.あった。
「ご、ごめんなさい。そ、そんなつもりで…。……言ったんですけど…。わぁぁっ…!ごめんなさいごめんなさい…。」
「……。」
「ハ、ハナ…それくらいで…。」
今、めちゃくちゃカオスやん…。
だって…
目力おば……ハナが
悪魔の……ショタを
睨みつけてる…。
すごい焦ってる悪魔の子可愛いけど…さすがにちょっと…同情…。
まあ、私もさっきの発言には絞め殺したいけれども。
「で、お前誰?背中に黒いの生えてるけど。」
「いや、それは悪魔だから…って、君たちこそ何なの!?」
ハナは、もう目から火花が散るんじゃないかっていうぐらい睨んでいる。…いや…火炎放射、かな…。
…というか、本当に悪魔の子可愛い。ショタ、めっっっちゃショタ。犯罪起こせるレベル。
「私は、ハナ。で、こっちはサチコ。」
「へ、へぇ…。僕は、トウマ。見ての通り悪魔だよ。」
トウマは、太陽に当たって反射する茶髪を揺らしながら怯えたような目で見下ろ…………。
え…?
トウマ…?
「え、待って。あんたって……もしかして、転生者…?」
「そう、だけど…。君たちも…?」
ゆっくりと翼をはばたかせ、地面に足をつけた。
言ってなかったけどこいつずっと飛んだままで私たちのこと見下ろしてたんだよね。許せない。だから可愛く見えなかったんだ。…別に、そこまで自意識過剰ではないけれど。
「マジか…。こんなとこで、転生者に会うとか…。しかもこんな非常識で馬鹿で盲目な奴なんて…。」
「そんな流れるように、馬鹿にしないで?俺だって、君たちみたいに可愛くな……」
「…殺すぞ。」
一向に会話が進まない。でも私はあえて会話に混ざらない。なぜなら…
コミュ障だから!!
…あえてでは、ないんですけどね…。
…はい…。すみません…。
「と、ところで何しに来たの…!?こんな辺境の地に来るとか何!?」
「探し物をしに来ただけ!」
もう二人が仲良くなることはないな……って、思うほど最後仲良くなるよね。
というか、自分で辺境の地って言ってて虚しくならないのかな…。ここトウマの家だよな…。
「何それ!そんなものここにあるはずないじゃん!」
「あるって情報が、あったの!光る紙のことなんか知らないの!?」
「ひかっ、光る紙って何…!」
噛んだな。
知ってるな。
ハナもそれが分かったのかニヤァと口角を上げた。
「へぇ…。本当にぃ?」
「ほ、本当だし…!と、というか、さっきからそこの…えっと…サチコちゃんは何でずっと突っ立ったままなの?」
「えっ…。」
うわぁ…。話、振られたぁ…。話題そらすためだろうけど…。コミュ障に振ったらいかんだろ。
というか、ちゃん付けなんだ。意外だな…。
で、なんだっけ。
「あ、え、と…。と、特に出る幕ないかなと…。」
「…あ、うん……。」
…
………
…これだから、コミュ障に話を振ったらダメなんだよ…。…くそっ…。
「で、紙。知ってるんだろ。」
「知らない、知らない!」
ぶんぶんと首を振る仕草は、本当に可愛い…。そう思って、なんとなく心の中で拝んでいると
「…?」
「話せよ。それ、探すためにこちとら五年かけてんだよ。」
「な、何で、口調変わってんだよ!キャラ、ぶれてんだよ…!」
ふわぁと光るものが洞穴の中に見えた。言い合いでまわりがそんなに見えていない二人には見えないくらいの明るさで、
光った。
目を凝らして、見ているとゆるく発行していた何かが一瞬止まった。
「…??」
「トウマが話さないからでしょ!?」
「そんなことで、キャラぶれるなんてやっぱ可愛くな…」
「あ゛?」
ちょっと近づいてみる。洞穴にはギリギリ入らない距離まで行くと
チカチカチカチカチカ
勢いよく光り出した。
なんとなく…だけれど…
気づいて欲しかったみたいな感じの光り方だな。
わからない?えーと、言葉で表すと…
『ねぇぇぇぇ…気づいてよぉぉ…』
これが微妙な明るさで光ったとき
『あっ!気づいた!』
これが私が見つけたとき
『ねぇねぇねぇねぇ!!見て!見て!見て見て見て!』
で、これがさっきチカチカ光だしたとき。
それで今が…
『というか、こっち来て!取って!はやく!はやく!はやく!』
ものすごい勢いと明るさで光ってる…。しょうがないなぁ…。行ってやるかぁ…。
何かは、わかんないけど。まあ、たぶん紙だろうけど。
「サチ?どこ行くの?」
「あっ!ちょっと!勝手に入んないでよ!プライバシーの侵害!」
私が近づいたときにはもう光るのはやめていた。
でも…これ…
「サチ…?どうしたの…?」
「あ!それ!」
私は洞穴から紙を一枚取って出てくる。
「それ、光る紙だよー。でもなんて書いてあるか分かんなくてー。」
「ちょっ!何で、そんな簡単にサチには言うくせに私には言わないの!?」
トウマがハナから離れて、飛んでくる。そのあとをハナが追いかけて近づいてきた。
「なんて書いてあるか分かってないの…?」
「そうそう。もうさ、どうしようか分かんなくて燃やそうとしても燃えなかったんだよねぇ。」
「は!?燃えなかったの!?何で!?」
喚くハナをよそに紙に書いてある文字を何度も読み返す。
そう、
なぜか
私は、読めた。
読んでいただきありがとうございます。
辻褄合わなくなりそうです。こわい。




