激闘?
いやぁ、ドラゴンの肉はメチャクチャ美味かった。
こう、なんて言うかな。まぁとにかく美味かった。説明力がないのは許していただきたい。だって俺はあんまり説明したことがないしな。むしろ、説明してもらっていた。
「しっかし、いつになったら俺は強くなれるんだ?」
そう、俺はまだ成人の素人並みの強さしか持っていない。このまま復讐しようなんてまさに夢物語だ。このまま挑んだらまず1秒ももたない。瞬殺だ瞬殺。
「やっぱり、まずはレベル上げだな。これをしないと話にもならない」
問題は俺が倒せる奴がこのダンジョンでは少ないということだ。前のドラゴンだって、たまたまだったしな。
「ゴブリンでも殺してちまちま上げるしかないか」
でも、それじゃあ何年かかってもアイツらには勝てないしな。っていうか、このダンジョン強いやつと弱いやつの差が激しすぎるだろ!このせいで俺はまだゴブリンしか倒せる奴がいない。
「はぁ、それでもやらないよりかはマシか」
さて、気をとりなおしていこう。
数十分後.....
「だから、何で強いやつとの差が激しいんだよぉぉぉ!?」
「「「グォォォオ!!」」」
さて、ここで問題です。何に俺は追われているのでしょう?
正解はあのかの有名な3つの首を持った地獄の番人さんです。....ってそんなアホなこと考えてる場合じゃねぇぇぇえ!!
本当に何なんだよ! このダンジョンは⁉︎ マジで頭おかしいんじゃねぇの!?
「だっておかしいだろ! 探し始めてすぐケルベロスに会うとか!! クソ! この犬っころg「「「ガァァア!!」」」.....うぉ!? いや、すんません! もう、犬っころなんて言いませんからぁぁああ!!」
うぉぉぉお! こいつ人の言葉分かんのかよ! なんか急に速くなってるし!
約一時間後
「はぁ、はぁ。アイツ、しつこすぎるだろ......あんまりしつこすぎると「「「ガァ」」」...もて....ない.....よ?」
ダッ
「「「グォォォオ!!」」」
いや! なんで!? なんでまだこいついるの!? 絶対におかしいって!!
嘘だ! 誰か嘘っていってくれぇぇぇえ!!!!!
約3時間後
「もう、無理」
俺は仰向けに倒れながらそう呟いた。
「いくら俺が不死身だっていっても痛いもんは痛いんだよ」
そう愚痴りながら俺は逃げ切った喜びを噛み締めていた。
そう、俺はあのあと何時間にも及ぶ激闘?をしていた。誰かそんな俺を褒めて欲しい。だって普通あんなのと、誰も戦って勝てないんだぞ?それを逃げたとはいえ、生き残った俺は称えられるべきだ。
「はぁ、っていうか、ここ、何処だ?」
気づくと俺は見たこともないところにいた。そこで俺は冷や汗を1つ、流した。
「まさか、一個下の階なんてこと言わないよな?」
その可能性も無くはない。なぜなら俺は何も考えずに無我夢中で逃げ回ってたからな!
「しかもここら辺でスライムとかゴブリンとかを一切見てないからな」
そうここに来てからゴブリンなどをみかけていない。あぁ、嫌な予感がビンビンしてるぞ。それはもう、とびっきりなやつが。
「でも、今日はもう疲れたから、岩陰で寝るとするか」
しかし、何処で寝れば見つからないのだろうか。そうだなぁ。おっ、ここなんかは見つかりにくそうだ。俺が寝ると決めた場所は、大きな岩の裏だ。
「ここなら、流石に見つからないだろう。
この時、俺は知らなかった。いくら岩の裏でも、ドラゴンなどの大きい魔物からは丸見えだったということを。
そして......
「うぉぉぉぉ!!」
「ガァァア!!」
現在に至る。
「俺の馬鹿野郎!!!!!!」