ゴブリンとの死闘?
あのあと、俺は本当に女になってしまったのかを確認してみたが、どうやらそういわけでもないらしい。分かりやすく言うとまず性器すらなかった。つまり中性。流石の俺もこの結果には少し泣いた。
「クソ! この鬱憤はスライムで晴らさせてもらおうか」
ここでゴブリンと言えないのちょっと悲しいところだな。
いや、まぁでも仕方ないよね?だって初期値が高くても、まだゴブリンほど強くないし、ゴブリンのランクはDで最弱の一角を担っているといっても、俺はそれより弱しな、今は。
「あぁ、この調子じゃ俺がアイツらに復讐する前にアイツらが寿命とかで死にそうだ」
そう、俺は悪魔なので寿命など無いに等しいのだが、アイツらは違う。人間なので寿命があるのだ。
まぁ、世界には寿命を延ばしているやつもいるらしいけどな。しかし、そういう奴は例外だ。
「はぁ久し振りにゴブリンと戦うか」
そうして、俺は魔物を探し始めた。
まぁ、正直に言うとゴブリンなんかハメ技を使わないと倒せないんだがな。
「ウギャァ!」
お、言ってる側からゴブリンが出てきた。
俺の力を見せてやろうじゃないか。
「今更、お前なんてざ...こ....?」
ダッ!
「「「「「ウギャァ」」」」」
「うぉぉお!!!」
俺はゴブリンから逃げた。そう、複数体のゴブリンから。
「なんでそんなにも急に増えやがったんだぁぁぁあ!?」
え!? いや、だってさっきまでどう見ても一体しかいなかっただろ!? どう見ても!!!
「やべぇ! 落とし穴まで俺の体力もつのか?」
絶対にもつ気がしない。クソ! どうすればいいんだ!
「こうなったらやるしかない! 死ねやオラァ!」
「「「「「ギィヤァ!」」」」」
俺はゴブリンの山に突っ込んでいった。....泣きながら。
緑色のゴブリンの血が流れる中、最後まで立っていたのは俺だった。
「いよっしゃぁぁ! 俺はかったぞぉぉぉお!!」
そう、最後まで生き残っていたのは俺だった。自分でも意外だが何故、俺が生き残れたのかというと、こいつら急に俺を無視して同士討ちをしたのだ。舐めた真似をしやがって。それで、最後は相打ちで全員が死んだ。
え? お前何もしてないじゃないかって? 馬鹿なことを言うものじゃない。ちゃんと一体は殺したさ。.......殺したよな? 俺。
しかし、ここはダンジョンの中でも低層だろう。なので、そろそろ外部の者達がダンジョンに入ってきそうなのだが、その前に深層に行けるほど強くなっておきたい。
絶対、会ったら面倒なことになるからな。
俺は邪魔な髪の毛を振り払って歩きだした。ちなみに、この髪の毛は何度も何度も切っても生えてきたから20回目ぐらいで諦めた。
「ステータスも少しは上がったのだろうか?」
少し気になって確かめてみることにした。
「ステータス開示」
下級悪魔 アルド 14歳 lv.5
攻撃 320
魔力 1,100
防御 800
俊敏 750
幸運 3,000
スキル 魔物変換 千里眼 魔力制御 武器創造 飛翔
ユニークスキル 魔法の極意
固有スキル 復讐者 不死
称号 亡国の王子 復讐者 不死者 魔物 愚者 魔物の天敵 進化者
加護 邪神の加護
進化数 1
「おぉ! 上がり幅が昔の比じゃない! これはいけるかもしれない」
この調子でいけば、意外とすぐに深層に行けるかもしれないな。
「それに、これならゴブリンも前ほど苦労せずに倒せるかもしれないな」
いやぁ夢は広がっていくばかりだな。目標は変わらないが、な。
ぐるぅぅぅぅ
そんなことを考えているとお腹が減ってしまった。
「そろそろ飯にするか、前に偶然倒したドラゴンの肉もまだあるしな」
そう、意外とドラゴンの肉が美味しかったのだ。こう、なんて言うかな焼くだけで旨味が出てきて、とにかく美味かった。
「楽しみだ」