闇の中で 2
短いです
俺はまだ迷っていた。そして、俺は戦わないといけないのか、という疑問を抱くたびに思い出すのは俺がかつて力の制御を誤ってしまい殺してしまった関係のない人達のことだった。
そうして俺が悩んでいる間も相手は容赦なく俺に向かって攻撃してきている。
「敵に私が勝てる確率78%このまま攻撃を続行します」
相手に迷いはない。このままいくと俺は確実に死んでしまう。しかし俺が本気を出してしまうとこのあたりが吹き飛んでしまう。あぁ、クソ!悩んでいても仕方がない!しかし、本気を出すにしてもせめて何もない草原まで移動しなければならない。
『超転移』
俺が使った魔法は先程の転移よりも遠いところに移動することができる。また妨害されても少し離れたところにあるあの何もない草原までは届くだろう。そう思い、俺は移動した。
俺の視界が瞬時に切り替わる。
『無の牢獄』
これは短い時間だがどんな攻撃も無効化する。この間に俺は固有スキルの詠唱をする。普通のスキルや魔法と違い、固有スキルは必ず詠唱をしなければならない。
《我は孤独なり》《無限に続く草原に立つは我ただ1人のみ》
思い出していく俺の苦い記憶を
《どれだけ移動しようとも》《どれだけ見渡しても》《我、唯1人》
俺は常に独りだった強すぎる力を持ち気づけば近くには誰もいなかったそれがとても俺には寂しかった
《我が友にも線を引かれ》《気を許せる者も今はなし》
家族にも友人にも俺は主君と配下という線を引かれたのだ。俺はそんな記憶に詠唱を止めそうになるが俺はそれでも続けた。気づけば敵がこっちに対して攻撃をしてきていた。が、それでも俺の牢獄は破れない。
《だがそれでも我は守ろう》《どれだけ独りなろうとも》《おそらくそれが》
《孤独の王の唯一絶対の使命》
俺の固有スキル、孤独の王が完成する。そのすぐあとに俺の牢獄の効果が切れた。
「ッ!?.....予想外の事態が発生。至急この場から撤退します」
「させると思うのか?」
俺は音を置き去りにして一瞬で敵の背後に移動した。その際に俺の長い髪が邪魔になったが構わない。そう、このスキルを使うと見た目は女性になり性は中性になってしまうのだ。
「理解不能。何故、急に」
「感情のないお前には分からん」
そう、このスキルは俺の孤独に対する様々な感情で強化の度合いが変わる。そしてこのスキルを使うことでスキル、孤独シリーズを使うことができるようになる。孤独シリーズとは世界最強のスキルの内の1つだ。
「理解不能、測定不能。.........強制転移、発動します」
「おっと、そうはさせるか《孤独の牢獄》」
敵の周りに赤紫色の牢獄が出現する。
「降伏をオススメする。その俺がつくった牢獄は外と中の両方とも俺以外のヤツからの干渉は一切受けない。さらに中はマグマほど暑く、毒ガスが充満しているだろう?」
現に敵の体が溶けてきている。
さて、こいつはどう動くかな?




