表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のボッチライフ  作者: 白神 零鬼
6/7

第五話 過去前編

ーーー遡ること、四年前ーーー

祐、小2。

「おーい!祐ー!」

声のした方に振り返る。

「なんだよ、月翔。」

気だるげに返事をする。

声の主は、祐の親友、「浦井 月翔(うらい つきと)」だった。

「体育の後でねみーんだよ。なんかあんなら手短にしろ。」

「おいおい、みんなの人気者、神谷祐さんともあろうお方が、そんな雑な口調に雑な態度でいいのか?」

笑いながらそう言われる。

月翔の言う通り、祐はみんなの人気者だ。

スポーツ万能、運動神経抜群、成績優秀、頭脳明晰、性格も顔もよし、頼みごとは相手が誰だろうと、嫌な顔せずに引き受ける。そんな絵に描いたような完璧超人が祐だった。

…いや、正確には、『祐が作り出した自分』だ。

「そんな態度だったら、『ボッチ』になっちゃうぜ?」

その言葉を聞いて、正確には、『ある単語を聞いて』、祐が月翔を睨みつける。

「そんな睨むなって。お前本当、『ボッチ』、嫌いだよな」

そう、祐は、『ボッチ』がこの世の何よりも嫌いだった。

自分が『ボッチ』になるだけでなく、その単語を聞くだけで虫唾が走る。

「当たり前だ。誰があんなん好きになるか。」

自分がそうならないためにも、本当の自分を隠して、絵に描いたような完璧超人を演じてきた。…だが、ずっと演じ続けるのも、かなり精神がすり減る。

そんな祐にとって、自分が唯一本音で話せる月翔は、何よりも大切な、かけがえのない親友だった。

…しかし、事件は起こる。

ーーー祐、小2の冬ーー

月翔の転校が決まって、今日で一週間。

今日が月翔と一緒にいられる最後の日だ。

「月、翔…行っちゃうんだよな。」

「…ああ。」

涙をこらえながら、祐は言う。

「転校しても、ずっと友達だからな!」

そんな祐に、月翔は…


「は?いや、俺らただのクラスメイトだし。…それにさあ、ずっと黙ってたけど、俺お前のこと嫌いなんだよね。俺も人気者になれると思って今までつるんでたけど。じゃ、せいぜいボッチにならないようにするんだな。みんなを騙す、偽善者で猫かぶりの神谷くん。」


照れ隠しでもなんでもなく、本心で言っているのが祐にも伝わった。

…ただ、こんなことで、今までプレッシャーをかけられ続け、精神をすり減らし続けた祐がくじけるわけがなかった。

夜。ベッドの中で、一人呟く。

「だったら、超人気者になってやる。月翔。後悔しても、知らねーからな。」

それは、誰にも本音を言わず、自分を偽り続けることを意味していた。

月翔の裏切りが、一つのトラウマになっていることも気づかずに。

…そんな祐を変えたのは、救ったのは、一人の少年と、一人の少女との出会いだった。

才河 秀(さいが しゅう)」。…そして、その『双子の姉』、「才河 雪(さいが ゆき)」。

後の、唯一の幼なじみと…

…最愛の人だ。

その出会いは、祐を救う。

「初めまして。才河雪と…」

「才河秀、です」

…しかし同時に、祐を絶望へ叩き落とす。



おはこんばんにちわ!白神零鬼です!

いやーやぁーっとフラグ一つ回収できましたよー

しかし!主人公の過去はまだ続く!

ではでは、また次話で!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ